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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第36話:幹部再戦

第36話:幹部再戦


夜が深い。


空気が張り詰めている。


ミレイユが短く言う。


「……来る」


誰も驚かない。


セレスは静かに魔力を整える。


エルザは剣を握る。


ヴァレリアは一歩引いて全体を見る。


シオンはレオンの後ろ、いつもの位置。


空が歪む。


裂け目。


前回より、広い。


そして。


現れる。


あの男。


一人。


だが――


空気が違う。


「……早いな」


レオンが言う。


男はゆっくり歩いてくる。


「確認は終わった」


「次は、調整だ」


言葉が落ちた瞬間。


消える。


速い。


だが今回は――


読める。


エルザが踏み込む。


「来る」


剣がぶつかる。


ガンッ


重い音。


エルザは押されない。


「……さっきより速い」


男は何も言わない。


そのまま流れるように次へ。


セレスへ。


魔法を撃つ。


弾かれる。


だが。


セレスは崩れない。


「今度は、通す」


次の術式を組む。


ミレイユ。


「動き、変わってる」


「対応してきてる」


ヴァレリア。


「学習型ね」


男は再び消える。


レオンの背後。


だが。


シオンが動く。


影が走る。


刃と影がぶつかる。


ギィンッ


止まる。


だが今回は。


押し返す。


男がわずかに距離を取る。


初めて。


「……改善したか」


シオンは軽く頭を下げる。


「おかげさまで」


その声は柔らかい。


だが。


影が、変わる。


広がる。


深く。


重く。


ミレイユ。


「……濃い」


セレス。


「さっきより……」


エルザ。


「質が違う」


シオンが手を上げる。


アンデッドが現れる。


だが。


もう“兵”ではない。


静かに立つ。


完全に統一された存在。


男がそれを見る。


「……変質したな」


「面白い」


次の瞬間。


踏み込む。


アンデッドと衝突。


止まる。


押される。


だが。


切り裂く。


一体が崩れる。


ミレイユ。


「……壊された」


セレス。


「でも――」


次の瞬間。


崩れたそれが、戻る。


再構成。


エルザが低く言う。


「……再生している」


ヴァレリア。


「厄介ね」


シオンは静かに言う。


「少し、しつこいだけです」


男が笑う。


わずかに。


「いいな、それ」


一歩。


距離を詰める。


シオンと正面。


衝突。


影と刃。


ぶつかる。


空間が歪む。


互角。


いや。


徐々に押される。


ミレイユ。


「……拮抗」


セレス。


「でも、まだ上がある」


その瞬間。


レオンが動く。


一歩。


踏み込む。


ドンッ


衝撃。


二人の間に入る。


男の動きが止まる。


完全に。


初めて。


「……なるほど」


男の声。


「やはり、お前が中心か」


レオンは構えない。


ただ立つ。


「どうする」


短い。


男は少しだけ考える。


そして。


「今日はここまでだ」


距離を取る。


「これ以上は、無駄が出る」


シオンが一歩引く。


「賢明です」


男は視線を向ける。


「次は崩す」


一拍。


「全体でな」


裂け目が開く。


戻る。


消える。


静寂。


ミレイユ。


「……次は軍」


セレス。


「来るわね」


エルザ。


「準備が必要だ」


ヴァレリア。


「やっと戦争らしくなる」


シオン。


「ええ」


レオンを見る。


「楽しみですね」


レオンは空を見る。


「……面倒だな」


本音。


だが。


白銀の光が揺れる。


確実に。


戦いは、広がる。


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