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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第34話:外の意志

第34話:外の意志


静寂が戻った。


裂け目の前。

三人は、その場に立ったまま動かない。


完全に制御下。


レオンは一歩近づく。


様子を見る。


「……普通じゃないな」


シオンは静かに頷く。


「はい。内部に“制限”がありました」


ミレイユが顔を上げる。


「制限?」


「外部からの干渉です」


その言葉と同時に。


ピシッ


空気にひびが入る。


三人の体。


同時に震える。


「……来る」


ミレイユが短く言う。


次の瞬間。


バキンッ


三人の身体が、崩れた。


内側から砕けるように。


消滅。


跡形もなく。


沈黙。


セレスが眉を寄せる。


「……自壊?」


エルザが低く言う。


「違うな。切られた」


ヴァレリア。


「遠隔ね」


ミレイユ。


「遮断された」


シオンは、わずかに目を細める。


「……やはり」


レオン。


「何だ」


シオンは答える。


「“所有されていました”」


一瞬、空気が冷える。


セレス。


「……人が?」


「はい」


ミレイユ。


「管理個体ってこと?」


シオン。


「近いですね」


ヴァレリアがため息をつく。


「面倒なの来たわね」


その時。


裂け目が、まだ閉じていない。


ゆらり、と揺れる。


そして――


声が届く。


「……興味深い」


低い声。


遠い。


だが、はっきり聞こえる。


全員が視線を向ける。


裂け目の奥。


影。


見えない。


だが――


“いる”


「観測を上書きされるとは、想定外だ」


ミレイユが小さく言う。


「……直接通信」


エルザ。


「敵だな」


ヴァレリア。


「確定ね」


セレスは静かに構える。


レオンはそのまま立っている。


声が続く。


「対象レオン」


一拍。


「お前は、どちらだ」


沈黙。


「異常か」


「それとも――」


「例外か」


意味は分からない。


だが。


試されている。


レオンは少しだけ考える。


そして、答える。


「知らないな」


間。


「必要なら、確かめればいい」


余計な言葉はない。


その答えに。


わずかに、気配が揺れる。


「……理解した」


一拍。


「観測対象に指定する」


ミレイユが呟く。


「……ロックされた」


セレス。


「嫌な感じね」


エルザ。


「来るな」


ヴァレリア。


「確実に」


シオンは静かに言う。


「ええ」


その目は、わずかに楽しそうだった。


「今度は、もう少し強いでしょう」


裂け目が閉じる。


完全に消える。


静寂。


だが。


空気が違う。


ミレイユ。


「……さっきの三人」


「偵察ね」


セレス。


「本隊じゃない」


エルザ。


「なら、次が本命か」


ヴァレリア。


「いいじゃない」


「やっと交渉相手が出てきたわ」


レオンは空を見上げる。


「……面倒だな」


本音。


シオンが静かに言う。


「ですが」


一歩。


「面白くもあります」


レオンは小さく笑う。


「まあな」


白銀の魔力が、静かに揺れる。


遠く。


まだ見ぬ敵。


確実に。


こちらを見ている。

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