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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第32話:その先へ

第32話:その先へ


夕暮れ。


白銀の光が、静かに落ちていく。


レオンは空を見ていた。


何も言わない。


その後ろ。


五人が自然に並ぶ。


ヴァレリアが口を開く。


「……今回もやりすぎね」


軽く笑う。


エルザ。


「問題ない」


ミレイユ。


「損害ゼロ。効率、最大」


セレスは腕を組み、地面を見ている。


「……魔力の流れも安定してる」


淡々と。


シオンは一歩進み、軽く頭を下げる。


「お見事でした、レオン様」


レオンは短く。


「そうか」


それで終わる。


少し間。


ミレイユが視線を動かす。


「……さっきの、どう説明する?」


ヴァレリア。


「ああ、あれね」


エルザ。


「異常だ」


セレス。


「魔法として成立してない」


全員がシオンを見る。


シオンは目を伏せる。


「申し訳ありません」


一拍。


「確認したくなりまして」


ミレイユ。


「衝動で世界の法則いじらないで」


ヴァレリアが笑う。


「でも面白いじゃない」


エルザ。


「制御できるなら問題ない」


セレスは冷静に言う。


「暴走しないなら許容範囲」


シオンは頷く。


「問題ありません」


そしてレオンを見る。


「レオン様の魔力を前提にしています」


レオン。


「ならいい」


即決。


シオンの口元がわずかに緩む。


「では――少しだけ続けます」


地面が揺れる。


ズズ……


影が広がる。


アンデッド。


十体。


整列。


セレスが観察する。


「構造、安定してる」


ミレイユ。


「負荷は?」


「軽微です」


シオンが手をかざす。


「ヒールバレット」


光。


アンデッドに直撃。


再生。


同時に、密度上昇。


ミレイユ。


「出力、増幅してる」


セレス。


「魔力の循環が閉じてる……?」


「ホーリーバレット」


次。


直撃。


消えない。


骨が強化される。


エルザ。


「耐久が上がったな」


「ピュリフィケーションバレット」


最後。


当たる。


余分が削れる。


精度が上がる。


沈黙。


ヴァレリア。


「完全に別物ね」


セレス。


「アンデッドじゃない。別系統」


ミレイユ。


「分類不能」


シオンは一歩下がる。


レオンの後ろへ。


軽く頭を下げる。


「レオン様の魔法を、再構成いたしました」


レオンは一瞥。


「……使えるな」


シオン。


「ありがとうございます」


その時。


空気が歪む。


ミレイユ。


「反応」


空間が裂ける。


エルザが前へ。


「来る」


ヴァレリア。


「早いわね」


裂け目。


向こう側。


人影。


現れる。


見知らぬ装備。


紋章。


セレスが分析する。


「魔力パターン……外部」


ミレイユ。


「外の勢力、確定」


相手がこちらを見る。


「……確認」


「対象――レオン」


沈黙。


「危険度――測定不能」


空気が張り詰める。


シオンが一歩前へ。


だが位置は守る。


レオンの半歩後ろ。


「……いかがなさいますか、レオン様」


レオン。


「試す」


一言。


シオンは即座に頭を下げる。


「承知いたしました」


アンデッドが動く。


整然と。


影が広がる。


セレスが魔力を展開する。


ヴァレリアが一歩引いて全体を見る。


エルザが剣を構える。


ミレイユが演算を開始する。


そして――


レオンが前へ出る。


夕日が沈む。


戦闘、開始。

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