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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第23話:静かな違和感

第23話:静かな夜と、小さな違和感


森の夜。


火が、静かに揺れていた。


戦いの後とは思えないほど――


穏やかだった。


「……平和ね」


ヴァレリアがエールを傾ける。


「さっきまで死ぬかと思ってたのに」


セレスが苦笑する。


エルザが肉を焼く。


「……悪くない」


ミレイユが呟く。


「……この時間、好き」


レオンは一言。


「そうか」


変わった距離


セレスが隣に座る。


「ねえ」


「なんだ?」


「今日さ」


少しだけ視線を逸らす。


「助けに来たでしょ、私たち」


「ああ」


「嬉しかった?」


沈黙。


レオンは少し考えて――


「助かった」


セレスが一瞬止まる。


そして――


「……そっか」


小さく笑った。


それぞれの想い


ヴァレリアが言う。


「正直、焦ったわよ」


「レオンが負けるかもって」


エルザが頷く。


「……初めてだったな」


ミレイユが続ける。


「……怖かった」


沈黙。


レオンは一言。


「勝っただろ」


全員。


「「「「そういうとこ!!」」」」


静かな時間


肉を食べる。


エールを飲む。


笑う。


話す。


だが――


どこかで、全員が感じていた。


“違和感”。


気配


レオンが、ふと空を見上げる。


「……どうしたの?」


セレスが聞く。


「いや」


一言。


「静かすぎる」


沈黙。


エルザが立ち上がる。


「……確かに」


ヴァレリアも周囲を見る。


「気配が……ない?」


ミレイユが呟く。


「……さっきまであったのに」


森の音。


虫。


風。


すべてが――


消えている。


不穏


「……ねえ」


セレスが小さく言う。


「これ、嫌なやつじゃない?」


レオンは一言。


「来るな」


その瞬間。


ゾワッ


空気が震える。



遠く。


森の奥。


“何か”が動く。


見えない。


だが――


確実に、いる。


「……さっきのとは違う」


エルザが言う。


「……もっと上だ」


ヴァレリアが息を呑む。


「まだいるの……?」


ミレイユが小さく呟く。


「……終わってなかった」


レオンは一言。


「いいな」


「よくないって!!」


そして


セレスがレオンを見る。


「ねえ」


「なんだ?」


「……次も一緒よね」


沈黙。


レオンは答える。


「当たり前だろ」


その一言で。


全員の表情が、少しだけ柔らかくなる。


だが


その背後で。


森の奥で。


“それ”は確実に近づいていた。


ゆっくりと。


確実に。

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