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世界に観測されていた俺たち、最強の影がその仕組みごと壊しました  作者: 慈架太子


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第12話:埋まらない距離

第12話:吸い込む力、満ちていく魔力


廃都のさらに奥。


そこは――


もう“街”ではなかった。


崩壊した建物の先。


地面は黒く変色し、空気が淀んでいる。


「……瘴気が濃すぎる」


セレスが顔をしかめる。


「普通の人なら立ってるだけで倒れるわね」


ヴァレリアも頷く。


エルザが周囲を警戒する。


「……だが、敵の気配は少ない」


「いや」


レオンが言う。


「いる」


その声は、静かだった。


「ただ、“まとまってる”」


その瞬間。


ズズズ……


地面が、脈打つ。


「……来る!」


現れたのは――


巨大な影。


黒い霧を纏った、異形のアンデッド。


「……あれ……」


セレスの声が震える。


「……さっきのより、上……」


エルザが低く言う。


「“上位種”だ」


その瞬間。


空気が、重くなる。


魔力が――引っ張られる。


「……っ!?」


セレスが膝をつく。


「魔力が……吸われてる……!」


ヴァレリアも顔を歪める。


「何これ……!」


レオンは、静かにそれを見る。


(……吸収……?)


その時だった。


胸の奥が、反応する。


ドクンッ!!


同じ感覚。


覚醒の前兆。


(……これ……)


レオンは一歩前に出る。


「下がってろ」


「でも――」


「大丈夫だ」


その一言に、三人は止まる。


レオンは手を前に出す。


魔力を感じる。


流れ。


吸われていく方向。


「……なるほどな」


レオンは笑う。


「吸うなら――」


魔力を集中。


逆に流す。


「こっちも吸えばいい」


その瞬間。


ドクンッ!!


世界が変わる。


「……っ!?」


空気中の魔力が――


レオンへと流れ込む。


「なにそれ!?」


セレスが叫ぶ。


「……魔力が……戻ってくる……?」


ヴァレリアが呟く。


エルザの目が鋭くなる。


「……奪っているのか」


レオンは頷く。


「魔力吸収」


完成。


その瞬間。


状況が逆転する。


敵が吸う。


レオンが吸う。


だが――


「こっちの方が速い」


魔力が満ちる。


限界を超えて、溢れる。


「……すごい……」


セレスが息を呑む。


「これ……無限じゃない……?」


レオンは軽く言う。


「そんな感じだな」


その時。


上位アンデッドが動く。


咆哮。


突進。


速い。


だが――


「遅い」


アクセル。


消える。


背後。


拳。


ズドンッ!!


巨体が揺れる。


だが――


「……硬いな」


効いている。


だが、倒れない。


「……なら」


魔力を込める。


吸収した魔力。


圧縮。


極限。


「ホーリーバレット」


撃つ。


ドォンッ!!


直撃。


上位アンデッドが、膝をつく。


「効いてる!!」


「押し切るわよ!」


三人が動く。


「ヒールバレット!」


「ピュリフィケーション!」


「斬る!!」


連携。


完全。


レオンが吸う。


三人が支える。


削る。


そして――


「終わりだ」


最大出力。


ホーリーバレット。


ドォンッ!!


消滅。


静寂。


「……勝った……」


セレスが呟く。


「……今の敵、かなり上だったわよ」


ヴァレリアが息を吐く。


エルザがレオンを見る。


「……また強くなったな」


レオンは軽く頷く。


「まだいけるな」


三人同時。


「「「どこまで行くのよ!!」」」


だが、その顔は――笑っていた。


その奥


レオンは、再び立ち止まる。


「……まだいるな」


「え?」


視線の先。


さらに奥。


そこには――


“もっと濃い闇”。


セレスが呟く。


「……これ、さっきのよりヤバいわよ」


ヴァレリアが苦笑する。


「もう驚かないけどね」


エルザが剣を握る。


「……行くのか」


レオンは一言。


「行く」


その目は、迷っていなかった。

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