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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

"失楽園"

掲載日:2026/02/16

頑張っても配信者にはなれなかったが、防音ルームは役に立った

人間を監禁するのに、これ以上適した空間は存在しないからだ





『  』の頭を撫でる


彼は僕の子供だ

血は繋がって居ないが、彼が赤児の時から僕が育てて居る



彼は新宿駅のロッカーに捨てられて居た子供だ


戸籍も無いし、言葉を話す事も出来ない

教えて居ないからだ


彼と過ごす時、僕は言葉を発さない

万が一にも言葉を覚えてしまわないようにだ


彼は僕が育てた、理想の少年だった




夕餉の時が来た

僕は防音ルームに入ると、『  』に袖をめくった白い腕を差し出す


『  』は獣のように僕に這い寄ると、腕を噛み裂いて、ごくごくと血液を喉に収め始めた



息を吐き出しながら、甘い痛みに耐える



なんて可愛いんだろう


僕の血を飲んでる


『  』の頭を撫でる

噛まれている腕が引き摺られ、僕は転倒した



『  』が僕を仰向けにすると、伸し掛かって肩口に噛み付く


ぱっ、と花が咲くように

視界に血の赤が飛び散って居った



愉し過ぎて

唾液を伴った舌が、引き攣りながら死んだ貝の様に、だらしなく口から溢れ出る


それを、爪の長い指が摘んだ


眼を閉じて居ても解る


僕の磨いた爪

僕の好みのネイルをした、『  』の指だった


自分の瞳孔が激しく開く音を、僕は初めて聴いた


『  』が僕の舌を、物欲しそうに視て居る




刺すような痛み

出血の、鈍い痛み

躰の一部分が喪失される感覚


舌の無い顔で僕は『  』を、眩しそうに視上げた


時刻は深夜を回っていて

この世の総てが暗闇の中だったが、僕の前頭葉からはきらきらと快楽が泉のように湧き出して居た



その源は、いま眼の前に居る少年に他ならなかった

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