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この世界の法律、俺の機嫌次第でどうとでもなる件 〜今日の死刑条件:俺と目が合った〜  作者: 不幸なニュースを見ながら『ご愁傷様』って言うとき、いつも心の中で『良いエンタメをありがとう』って付け足してる


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2/2

第2条

俺は、絶望に顔を歪める男を見つめ、最高に優雅な笑みを浮かべた。


「被告人を死刑に処す。執行は、今この瞬間の『裁判長(俺)の精神的カタルシス』をもって開始される。……あ、控訴(上訴)は受け付けないよ。二審も三審も、俺がやるからね」


ゴンッ!!


木槌の音が法廷に響き渡ると同時に、魔法で編まれた「法の鎖」が男の首を絞め上げる。

男が絶命する瞬間の「なぜ俺が……」という理不尽な絶望を吸い上げながら、俺は法衣の袖で口元を隠した。


「ああ……。法律って素晴らしいね。相手が正論を吐こうとすればするほど、新しい条文を足して『法解釈の暴力』で圧殺できるんだから」


俺は次の「獲物」を物色するため、震えながら傍聴席に並んでいる貴族や騎士たちの顔を見回した。


「さて……次は、誰の呼吸が『俺の耳障り(公害振動罪)』に該当するかな?」


「……おい、そこの傍聴席の三列目、左から四番目。君だ」


俺は死刑判決を下したばかりのガベルを、ペンペンのように弄びながら指差した。

指名されたのは、身なりの良い若き貴族。彼は今、俺の判決を見て「あまりに非論理的だ」と言いたげに、眉間に微かな皺を寄せていた。


「君、今『瞬き』したね? それは俺に対する『視覚的周波数による攪乱』だ。執行猶予なしの懲役200年、または今すぐここで全裸になって『法の奴隷』と叫ぶか選べ」


「なっ……! 無茶苦茶だ! そんな法理、どこの大陸にも存在しない!」


若き貴族が立ち上がろうとしたその時、傍聴席の最前列から、重厚な、しかし凍りつくような静かな声が響いた。


「止したまえ、若き騎士。その男に言葉は通じぬ」


人混みを割り、一人の老人が進み出た。

白髪を厳格に整え、古めかしいが手入れの行き届いた法服を纏った男。この国で最高権威を誇った、元・最高法廷長官であり、法学の生ける伝説、バルカスの導師だ。


「裁判長。貴殿の行っているのは『法』ではない。ただの『恣意的な専制』だ。法とは、普遍的な正義と、民衆の合意に基づく『社会契約』の上に成り立つもの。貴殿の行為は、法の本質である『法的安定性』を根本から破壊している」


法廷内がざわめく。「伝説の法学者が現れた!」「これでこの狂った裁判も終わる!」という希望の熱量が、俺のセンサーをビンビンに刺激する。


「ほう。バルカス導師………………だっけ? 前世の教科書で見たような、カビの生えた理屈を並べるね」


俺は高座から身を乗り出し、獲物を見る目で老人を見つめた。

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