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『知らない空も知らない道も』

作者: 謎猫

行った事のない場所。

見た事のない風景。


夕暮れ時。

目の前に広がるのは赤焼けの大気と水蒸気のかたまり。

別に珍しくもない何処でも見られる普通の空模様ではあるけど

知らない地で見る夕焼けは、それだけで特別に感じます。


「なんか綺麗♪(///)」


この瞬間をレンズで収めたとしても

構図が良い訳でもなければ吸い込まれるような

鮮やかさもない普通の空。

たぶん、今の感情は撮影しても写らない。

でも、それで良いです。


「にゅふふ♪(///)」


***


部屋に着き、何気なくテレビをつけてみたけれど

映るのは知らない番組、知らないキャスター。


「ふみゅ~ん」


見るというよりは、静か過ぎるのも嫌なので

テレビから聞こえる誰かの喋り声や

時々CMで流れる聞き覚えのある曲を

BGM代わりにして少し一息をつく。


「ふにゃぁ~ん」


少しの間、ぼんやりテレビの画面を眺めながら

ゆったり過ごしていると廊下からは陶器の音が聞こえ始め

その音は次第にこちらへと近づいてきた。


「ご飯かな♪(嬉)」


音を奏でていた器達が目の前へと運ばれ

一通りの説明を受けたのち蓋を開けると

そこには特段これと言って高級でもなければ

珍しくもないけれど、普段の食事とは格段に違う

一品一品がとても丁寧な料理が納められている。


「にゅふふ♪」


久々に味わう良質な食事。

久々に過ごす良質な時間。

その後に贅沢な湯も堪能したのち

広縁から外を眺めてみると、窓の先に広がる風景は

パノラマの夜景が見られる立地でもなく

その代わりに降り注ぐような星の瞬きがある訳でもなく

どこでも見られる一般的な景色ではあるけれど

それは、ここでしか見られない景色でもあります。


「うにゃん♪(///)」


***


翌朝。


微かに聞こえてくる物音を耳障りや五月蠅いとは

全く感じませんでしたが、伝わってくる妙な気配で目を覚ますと

意外と慣れない寝具でも熟睡が出来たようで寝起きはとても良く

そのまま手早く身支度を整えてみる。


「うにゃうにゃ」


別に予定に細かい時間までは決めていないので

少しの間、テレビで知らない街の天気予報を眺めながら

時計は見ずに気持ちが落ち着いた頃合いで部屋を出る事に。


「ふに。」


玄関を出た先に広がるのは、昨日とも違う知らない青空。

表通りまで行き、道路の案内標識を見ても知らない地名。


「けど、多分これから先の事と同じだと思う」


これから先、更に多くの知らない事に苛まれ

つらい坂道でも強い風でも冷たい雨でも

多分きっと大丈夫。


「大丈夫♪(///)」


大きな買い物も、新しい家族も、新しいお仕事も

新しい生活も、全てが初めて見る光景、初めて進む道でも。


これからはスマホっぽい何かのメッセージを使わなくても

おはようも、おやすみも、毎日直接伝えられるようになったから。

そして、『またね』を言う必要は無くなったから。


『これからは、あなたと一緒に居られるから(///)』


小さくつぶやき、隣を少し見上げれば

私の眼に映るのは、やさしいあなたの横顔。


『(きっと大丈夫♪)』

お読みいただきありがとうございました。



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