龍神弁護士

虹浜――海と記憶に包まれたこの街に、かつて“龍神”と呼ばれる超常の存在が封印された。現代、不死の力を宿す謎の弁護士・龍ノ宮蓮は、消された事件の真相と向き合いながら、自らの記憶と力の出自に迫っていく。敏腕弁護士・七瀬梓との出会いにより、過去と現在、神話と現代法が交差する連続事件の背後に、秘密組織「九頭龍財団」の存在が浮かび上がる。

龍神の力を利用しようとする者、忘れられた罪に縛られる者、記憶の中に生きる者――
記憶を喰らう水、記憶裁判、封印都市、神の審問法廷。
人知を超えた存在を“法”で裁くことは可能か？ そして“正義”とは誰のためのものか？

龍神の記憶が開かれるとき、蓮は“神をも裁く”覚悟を胸に最後の審理に挑む。
しかし裁かれるべきは神か、人か、それとも――己自身か。

記憶と法、神話と現代、怒りと愛の狭間で揺れながら、
二人の弁護士が辿り着いた“未来”とは。