第49話 レインボーブリッジ防衛作戦
大仕事
H.E.A.D本拠地 AM3:54
早朝、本拠地に未来は3人を呼び出した。
「早朝に申し訳ないわ、あなた達の力が必要なのです」
「お気になさらず、僕としてヒーローは時問わず救うモノだと思っていますから」
と結晶の大山は自信気に答えた。
「あーしも!貴音のおかげで少しは戦える様になったし大丈夫!ただガッコーの出席日数が怖いかなぁ〜」
と爆裂の響は不安な事を思い出しつつ拳を交互に突き出しながら返答。
「気にするな未来!同じ人を愛した同士遠慮はいらない」
と剣士の千劔破が堂々と答えた。
「ありがとうございます、では本題ですが先ほどレインボーブリッジを通勤時間帯を目安に爆発する計画の情報を入手しました」
「「「!???」」」
日本ではあまりにも聞いたことの無い規模のテロに衝撃を受ける一同。
「首謀は中央朝鮮、もう工作員は爆弾を仕掛けている、もしくは終わっている可能性があります。ただ日本のスパイからの情報なので、この得た情報の信頼性は高いです」
そう伝えると響は萎え萎え。
「あーしには荷が重い気がするっすよ......貴音はどこに?何をしているんです?」
ゲンナリしながらも多分1番強い奴はどこだと問う。それに横の千劔破がため息をつきながら答えた。
「はぁ......残念ながら今NYにいる」
「なっ!?なんで??」
驚く響に未来が言う。
「中央朝鮮の策略にハマりました、まず昨日の夜にアメリカの自由の女神像が爆破テロされるとの情報を得たアメリカは日本のメテオブレイカーに救援要請をしました、そしてそれに答えてくれれば関税も下げるなど外交問題の一部が解消されると言う事で本國首相が受け入れてジェット機で飛び立ちました............」
それを聞き響は少し怒った様に言う。
「あ゛〜?フランス人の金で作ったアメリカのシンボルを日本人に守らせるのかよ。めちゃくちゃだなぁ、貴音はするだろうけどあーしならやらねー」
それに初耳だなぁと感心している大山は黙っていた。
「............」
(失礼だが見た目に反して物知りだなぁ......)
そう思われても仕方ないくらい響は派手というか露出が多いと言うか。つまり頭が悪そう、だが行っている高校は偏差値が高い故に自由なタイプだからネイルとかも許されているのだけれども。
「そう言う事です、お願いします......もし仮にバレて即爆発させられたら......なんて事があるので軍を動かしたりH.E.A.D.ヒーロー総動員もかなり目立つので不可能なのです、それにまた他の場所でテロをされた時に人員確保が難しいので............これ自体もアチラの策略かもしれませんが......」
と頭に手を当て悩む。
「しかし、僕らは隠密向きかと言われたらそうでは無い気がしまして......そこで辞めるのもヒーローではありませんが............」
「あーしなんて爆発音でモロにバレる......」
「ならアタシがメインで頑張るかな......アタシをメインの攻撃役に頑張りましょう!それに響は私とも訓練したのだから大丈夫よ!」
そう鼓舞する千劔破に2人は応えた。
「あーしは〜......バレたら派手に暴れてやるわ!千劔破任せて!」
「防御は任せてもらいましょう!」
それに未来が頭下げる。
「よろしくお願いします。私のGSを独立させ一人一つ追尾させます。通信や簡易治療など色々できますので」
「分かった!行こう!」
そう言いながら3人は部屋を退室し車で向かった。
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レインボーブリッジ付近 AM5:28
到着した一行は遊歩道の扉がこじ開けられているのを発見。運転手は車でそのまま退避。
「遊歩道の営業時ではないのに開いてますね......身体強化の僕が先頭に行きます」
そう言うと肌がオレンジ色のクリスタルに変わる。
「硬化完了」
「抜刀完了」
「チャージ完了」
ヒーローっぽいなと3人全員が思いつつ、少し進んでいくと大きく四角い箱があった。
「これは......」
「どう見ても異物、つまり爆弾ね」
「あーしのチャージ済鉄球爆弾の何個分の威力なんだろ......」
そうしていると大山が箱を結晶で包み始めた。
「取り敢えずは僕の結晶で分厚く覆いますかね......そうすれば起爆しても問題はない筈......」
その瞬間に後方から少し物音がした。
「っ!?アタシ達の後ろだ!」
後方から不意打ちにナタを振りかぶってくる覆面兵士。だが容易く受け止めた隻眼の千劔破。
「太刀筋が甘いわね、位置交換の能力を使うまでもない」
そう言いながら刃無し刀で袈裟斬り?袈裟殴り?をして気絶させた。
「ふぅ、色々な剣を生み出しているのか、どこからか引っ張ってきているのかわからないけど不殺には便利ね」
倒れた兵士を見て響は言う。
「ひょえ〜......多分肩は砕けたね、激痛で気絶しちゃったよ......」
「呼吸はできる程度に拘束させましょう」
そう言いながら床に結晶で貼り付けた。
「あーしのと違って便利っすね〜」
素直に感心する響。
「適材適所ですよ、僕の結晶自体を炸羅さんが爆弾に変えられてしまってはどうする事も出来ませんから」
と雑談しつつ走ってきた兵士たちをバンバンと蹴散らし固めて行った。
「これで終わりですかね?GSに見てもらった限りは」
「そうですね、あとはあの目の前奴で終わりね」
そう言い放ち武器を構えた千劔破。響は大声で言う。
「おい!あーしらに早く降伏した方がいいぞ!!」
そんなのお構い無しに無視して走り突っ込んで来る。
「そう言えば外人だったね!」
と響が発言した瞬間に千劔破の足元に穴が開き落ちていく彼女を見ることしか出来ない響。
「うわああぁああ゛あ゛あ゛!??」
ボシャーンと音を立ててそのまま浮かんでこなかった。
「は?」
響は己の無力さにまた打ちひしがれた。無力に親友を失ったトラウマがフラッシュバックしてしまい膝から崩れ落ちて嘔吐する。
「う゛っ゛お゛ぇえぇおっえぇっ............」
(なんで、また近くにいたのに、何も出来なかった............ッ)
涙と鼻水を垂らしせっかくの美人も台無し、そんな無様な姿じゃあ誰も救えない。
「炸羅さん!落ち着い......うおっ!上から!?」
目の前にいた筈の兵士は上から降ってきて、振りかぶってきた超振動ブレードを手で受け止めた。
「マズい!なんだこの見たことの無い刃物は!!それにっ!この動きはポータルだ!穴を開け道を作るんだ、こいつは!炸羅さん、しっかりしてください!これ以上被害を増やさない為に!」
そう言われ響は我に返り立ち上がった。
「ぐすん......そうよ、ここで止まって何がヒーローよ............大山さん!早くそいつを固めて縛り付けて!爆発させて気絶させるっ」
(ダメよ、落ち着きなさい私。大山さんまで失ってしまう、それに千劔破が死んだとは限らない......)
そう言っている間に兵士を投げ倒し床に縛りつける大山。
「これでいいんですよね!」
もがく兵士を固めた直後に新しいポータルが大山の足元に開かれた。
「うわぁあ!!泳げるから僕の事は気にしないでぇっ!!」
薄い結晶で空洞の球体を何個も作り浮き輪代わりにして着水し難を逃れ、そこから結晶を伸ばして橋までグングンと上がって来る。
「そいつは連続してポータルは開けない!早く!!」
大山はポータルが開かれる間隔を数えていた、次開かれたら響は間違いなく落下死もしくは溺死する。
「千劔破の仇ッ!!!」
そう言うと爆弾用の鉄球を残りの体力の限界までチャージしてばら撒き爆発させた。
「吹っ飛べ!」
しかし、爆風の中から結晶が破壊され解放された兵士が歩いて来る、片足を引きずり服は破けダメージは大きいが小娘1人殺すくらい容易いと迫る。そして服が破けた事によって顔は隠れたままだが相手は女だと分かった。
「ダメだ......あーし、力を使いすぎた......」
響は手すりを掴みなんとか立っている。そこに敵は刃を振り下ろそうとする。大山は大急ぎで上がるが2人が見えず対象に結晶を生み出せない。
「ダメだ、見えないっ!結晶が間に合わない、炸羅さんんっ!!!」
「咲............ごめんね、私無能なままみたい。千劔破も仲良くなったばかりなのにごめん............」
そう言いながら前を見つめて死を受け入れていた、相手は刃を振りかぶり響を殺そうとすると、敵は何故か数秒間硬直する。まるで誰かに腕を掴まれたかの様に振りかぶれずプルプルしている。
「??????」
困惑しているといつの間にか景色が変わり更に困惑する響。
「なっ!?も、もしかして!」
ブレードを刀で受け止めていたのは紛れもない千劔破だった。
「千劔破ぁ!」
「響は殺させはしないわよッ!喰らいなさい」
刀で相手の特殊な刃物を弾き落として、首を思い切り殴り倒した。剣技において天才の千劔破に勝る者はそうそういない。
「ごめんなさいね、油断して......不安にさせてしまって」
と自身が健在な事を両手を広げてアピールするとそこに抱きつく響。
「良かった、良かったよぉ〜............」
そう言い泣きながら抱きつき続けた、ちょっとすると響が疑問を投げかけた。
「相手の動きも止めれるなんて聞いてないよ、すごいね!」
「えっ?私はそんな事は......」
そう話す最中に大山が上がってきた。
「無事で何よりです!しかし、どうやったのですか?」
「落ちる寸前に遠くに自転車があるのが見えたから位置交換してからは橋の上を走ってきたんです。私の力は視認しないとダメなので」
と指を向こうの方に刺して説明する。
「そうでしたか、僕と同じで見ないとダメなんですね。取り敢えずは良かったです!それに更に良い事がありますね、ほら」
そう言いながら先ほど倒した兵士から起爆装置を取り上げた。
「わあ、やっぱりこの人がリーダーだったんだ」
と響は装置をまじまじと見る。
「じゃあ、もう大丈夫だと通報ね」
「あーしがしとく!」
こうして朝のテロは防がれた。その後爆弾処理班が爆弾を全て解体、工作員は逮捕され連行されていく。そして大ニュースとなり3人は賞賛されたのであった。
一方でNYの貴音も面倒過ぎる仕事を終えていた。それについては次の話に進もう。
5kg以上という条件はありますが見える範囲の全てのモノを位置交換って狡いですよね。




