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第25話 荒れに荒れる

もうめちゃくちゃ。

31日 PM2:59 上空


 貴音は帰路に着く中悩んでいた。


「......うーん。あの人の為に異性として距離を置こうとしたが、あのハグをわざわざするって事は両想いなのか......つ、次会ったら未来とか下の名前で呼んじゃおうかなぁ〜!!......はぁ......もう涙は泣きすぎて枯れたし心は脆く砕けたが九条さんの事を想えば強く奮起出来る。この......気持ちを伝え、仮に勘違いで砕けたとしても私の心は不快じゃないだろう。......早く帰るか、こんな事でも考えていないと今にも泣いてしまいそうだ」


 更に加速し家に帰り鍵を開け入ると誰も居なかった。


「ただいま戻りましたー。九条さーん?誰かいないのー?みんな仕事かな、仕方ないな。家から持ってきたUSBの写真を私のpcで整理して遺影に出来そうなものやスライドショーに使えるのを見つけるか......」


 そう言いながら服を脱ぎ下着姿で自室に入る。貴音は男の時から服を着ない、理由は楽だからである。


「従兄弟......ばあちゃん............あー無理だ。世の中の人はどうやってこんな悲しい中で写真を整理出来る?もうみんな2度と会えないなんてな............」


(俺がヒーローにならなければ......だがそうした場合被害者の人数で言えば圧倒的にヒーローになった方が良い............)


 そう画像をスライドしブツブツ呟きながらフォルダ分けをし続けた。そうするとフギンとシュヴァルが帰宅するが夜の20時になっても九条は帰って来ず電話するも出ないので貴音は取り乱す。


「電話に出ないっ!次は九条さんを狙ったのか!誰だ!誰がやったっ!!」


「落ち着いて!所属している警視庁に電話しましょう!」


「あ、ああ。そうだな、当然だな、当たり前だな。ありがとう......」


 そうして警視庁に伝えると来ていないとの返答。捜索を開始すると返答され、そちらはそちらの仕事を全うする為に家に居続けろと言われる。本國に連絡するもなんだかはぐらかされた様な返答にショックを受ける。


「ぅ゛う゛ゔ......あ゛あ゛ぁ゛............未ぃ......来............」


 貴音は丸まって呻き声を絞り出し苦しむ。


「......大丈夫。今まで殺すつもりならその場で殺して燃やすなり爆破するなりしていた、でもそうはなっていない。家の中に手がかりが無いか探すよ、シュヴァルは近くに居てあけて............」


 フギンも正直疲労的にも限界だが貴音の為に何かしてあげたかった。


「休みが必要なのはフギンもでしょ、シュヴァルが思うに痕跡を残す程甘くないと思う。一旦休もう」


「............わかった」


 2人は貴音から目を離せないので自炊する時間もないので適当にハムを焼いてパックの白米を食べた。貴音はその間もずっと己を責めるかの様にブツブツと何か呟き続ける。人間は1日をリセットする為に寝る、なので眠れない貴音は延々と苦しむ。そして翌日の昼に政府が会見をした。


――――――――――――――


 2024/6/1 PM0:10 リビング


 貴音は薬師寺が会見をしている、その内容に愕然とする。


「俺らが解散、解雇............?リーダーが行方不明になった為に??......テメェだろ............どうせテメェが九条さんに何かしたんだろッ!!」


 そう叫ぶと窓を開けて部屋着のまま靴も履かずに飛び立つ、フギンが追えない程の速度で行ってしまい2人は困り果てる。


「マズい!どうせこのオヤジの事だ、貴音がこれにブチギレて会見に乱入する事も想定済みだ!!本國って人に連絡するだけしよう!」


「もうあのまま公開処刑してもいい気がするけど貴音が不幸になるからダメかぁ......」


 そう言いながら家電の履歴から本國に電話。幸い直ぐに出た


「はい、もしもし?本國です」


「こちら貴音の愛猫のシュヴァル!貴音が薬師寺の所に怒り狂って飛び立った!止めれる?」


 簡潔に説明すると本國は息を漏らす。なので呆れるなとキレようとしたシュヴァルだが、その前に返答が来る。


「ご連絡ありがとうございます。大丈夫ですよ、想定済みです。薬師寺総理はここで最大限に梶原君を煽り怒りを爆発させ、それを見た民衆に悪人と擦り込ませる為の会見な事は、私の立場ならば何もせず筒抜けです。恐らく彼はいつもの会見場所だと勘違いして............やはり来ました、彼が。奴をいつもと会見場を変えたのが成功した様です、では失礼します。私に任せてください」


 ため息は安堵のため息であった。そして、そう早口に言うと切れた。2人は何もしないものアレなのでコンバットスーツを着て武装した状態で、どうせ追い出されるであろう家の荷物をまとめ始めた。



――――――――――――――


 PM0:13 首相官邸の入り口


 怒り狂った貴音が地に降りる。だが素足なので浮遊したままだ。本國は目視で確認すると貴音に走り寄り言う。


「落ち着いてください、ここには総理はいないです。あの会見は貴方を陥れる為の罠。とにかく何も言わずに目立ちますので車に乗ってください」


「なっ......!?......は!?はぁぁ......」


 まさか本國が駆け寄って来ると思わず面食らう貴音は怒りより本國の早口で背中を押されて車の方に進まされ困惑してしまう。後部座席に乗り込み隣に本國が来る、運転席には焼石がいた。彼はタブレットで会見を見ている様だ。


「......私が薬師寺にケジメを付けさせる事を予見したのですか」


「保険に居ただけです。薬師寺の所にも行かず、来なければ来ないに越した事は無い。貴方は鬼よりもヒーローがお似合いです、ここは我慢して頂きたいのです。こちらで薬師寺の違法行為の証拠や書類を集めているのです、無血で事は全て終わります」


「無血......これから流される血は少ない方が良いでしょう。では前に流された血はどう処理するのですか、私がヒーローをした為に全く関係の無い友人に親族の血は!ヒーローなのに考えてはいけない事を想像してしまう、この手でっ............はぁ、こんなだから本國さんがわざわざストッパーをなさってくださるのですね。ありがとう......ございます............」


「行動に移さなければ良いのです、それで十分貴方は大人なのです。誰しも最悪な事は考えます、するかしないかで人間決まりますので止まった貴方は偉いです」


 それを聞き貴音は怒りを自然と抑えた。だが冷静になり九条の事を思い出す。


「ありがとうございます......。あ、あ。く、九条さんはどうなったんですか!生きているとは言いつつどこで何をしているか教えれないなんて......どうなんですかっ?」


 本國は少し俯きまた貴音の顔を見て言う。


「......彼女は確実に生きている、今私達が助けようとしているので任せて頂きたいです。貴方が関わると事態が急変して危険になりかねないので私を信じてください」


 初対面の時の様に深く頭を下げられ貴音は信じる。だが自身には手がかりがない為信じるしかなかったと言うのもある。


「すみません、頼みます。いつかこの恩は必ず返しますので......」


 と話していると運転席の焼石が突然こちらを向き言う。


「た、大変です!」


「どうしたのですか?」


「総理が梶原貴音を指名手配すると発表しました......それも出てこなければ家族を留置所に暫く入れると............」


 何の罪なのか知らないが自分を犠牲にしなければまた大切なモノを失うと考えた貴音の心は諦め折れた。


「............捕まってきます。シュヴァル、フギン......それから九条さんをお願いします」


 そう言いながら車のドアを開けようとするが本國に掴まれる。


「待ちなさい、梶原君。副総理の私に何も話を通さずこんな事を独断で決めはさせない。私の派閥にもEシリーズの装備を持った人たちは居ます、政界での私の影響力も大きい。つまり私が猛烈に反対すれば事は変わる、止めた私がするのもアレですが私が会見に乱入します。取り敢えず家に帰宅してください、貴方のご実家には信用できるガードマンを先に置いて起きます」


 そう言うと貴音が降りた後に急発進して行く。


「......マズいな、私のファンクラブ兼自警団の人たちが暴れてしまうかもしれない............とにかく帰ろう」


 そう言い飛び立つと即座に帰宅した貴音は家の中のものが段ボール箱に入れられている事に驚く。


「気が早い様な気もするが............まあ、ありがとう2人共。そして勝手に飛び出して悪かった」


「誰だってああなるよ」 「気にしない!それより会見がめちゃくちゃになって大騒ぎだよ」


 そう言われてテレビを見ると本國が乱入して理詰めで薬師寺を追い込んでいた。少しすると会見は中止になり今回発表した内容は延期になった。その後、貴音のファンクラブの《ブルーブレイカーズ》通称BBに向けてZで暴れない様に遠回しに発言。そして白い何者かがミーティアン狩りをしている事が有名になり世間は恐怖に陥る、徹底的に貴音を避けておりどうしようもない現状に募る怒り。もし遭遇出来た時に必ず仕留める為にトレーニングをひたすらにするのであった。そして政府からの発表も無いまま6月14日まで経つ、この2週間の間に悪行を重ね裏では白緑の死神と名付けられたE-4と戦闘をし唯一生還した者が居た。その名は久遠千劔破。剣術の空臨技絡派の創設者の二十歳という若き天才であった。

次回真打登場。

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