第19話 三馬鹿
短期戦。
全員は増援を薙ぎ倒してヤクザが来る方向に向かって行くと道に人間3人がブロックの玉座に座っていた。
「おいおい〜お前のブロック装備である程度片付くって言ったのに日本一の化け物が来たぞ?」
「SATと自衛隊に完勝したんだ、俺の正当な評価を求める。こいつは世界一の化け物かもしれねぇんだ。それにいっつも暗殺やら殺しの仕事ばかりしてんだからヨォ............」
「それより私達人数不利なのだから落ち着いて戦うのよ、わかる?さっさと立ち上がれって意味なのだけど?」
そう言うとブロック?能力の顔の下顎に顎骨の刺青のある20歳くらいの男。普通のOLに居そうなアラサーくらいの女と仲間に文句を言っている30半ばに見えるスキンヘッドのイカつい男。3人は立ち上がると椅子は地面に埋もれる様に消えた。
「おい、返答次第ではお互いに血を流さず済むかもしれないぜ?だから最初は話を聞け」
何がどうなったか聞きたい貴音は先ずは対話をする事に。
「命令口調なのが気に食わねぇ......まあだが良いだろう」
顎の男が答えた。
「テメェらが許可する立場と思ってんのが気に食わねえな。......じゃあ質問だ、テメェら本当に昔からある慈日会のモンか?ならば、お前ら3人は見た感じただの鉄砲玉じゃないよな?幹部なのか?私が子供の頃遊んだ会長のじーさんと、身分は覚えてないが上の人の嫁だったか?その姐さんはどうした?姐さんって呼ばれ慕われていた人だ、2人含め昔の会の人は健在なのか?」
「あら随分と早口ね、余裕が無いメテオブレイカーだなんて珍しいわ」
「そんなの興味ねぇから知らねえよ......俺は多分幹部だけどよ......他はハゲニキ答えてくれよ............」
「そのいつものハゲニキはいい加減止めろ!......まあアレだ、俺ら3人は幹部でミーティアンの幹部は俺らだけ、今は総力戦って訳だ。そして慈日会自体は本物だ。更にそして、じーさんや姐さんとやらは海が好きだったか?山が好きだったか?」
「......何の話だ?海には一緒に行った事があるが......」
「なら海を調べて見ろよ?沈んでグズグズに腐って、今頃浮かんで来てんじゃねぇのぉ!??」
ハゲは大笑いして答えた。
それに対してブチッと貴音の頭血管が切れた様に怒る。
「殺してッッ............殺してやるッ!!!」
この舐めた返答により生存して無い事を悟り涙を流し激怒すると周囲の人間に痺れる感覚が伝わる。
「ぐっ!だから落ち着きなさいって!」
九条は貴音に必死に言う。
「良い威勢だな」
(気迫がすごいな、何も不調は無いのにクラっとしそうだぜ......この青い化け物は倒せなくとも、この不意打ち周りのガキと女は殺せるか?)
そう言うとハゲは横にあった車のミラーに手を突っ込んで腕を入れたと思ったら直ぐに引き抜いた。
「鏡の能力し......っ!?危ないっ!」
横にあった車のミラーから手榴弾が複数個落ちて来たので貴音は蹴り飛ばして難を逃れた。
「なんて能力......ずる過ぎるわ」
「大概貴女もE-1装備だなんてずるいわ。私の力がその装甲に通用するかしら♪」
そう言うと自分の服の腕の口を持ってスライドする様に捲り、またスライドする様に元に戻して手のひらを九条の方に向けた。この一連の動作で何をするのかFPSゲームをしている上に銃好きの貴音は察して立ち塞がると散弾銃に撃たれた様な衝撃と痛みを喰らう。
「あらメテオブレイカーへのテストが先になってしまったわね......それも無意味とまではいかない、ちゃんと私の力でダメージが与えられるみたい♪」
笑顔で喜ぶ女を無視して庇ってくれた貴音に声をかける九条。
「こんのっカス女がッ。大丈夫っ!?」
九条は貴音に何かあると口が悪くなる、いや割といつも口が悪い。それ程愛しているとも言えるが、見た目や素行的にギャップがすごい。
「大丈夫でさぁ......ただこの威力は3人にはマズいです。相手はポンプアクションショットガンの様に腕をスライドすれば弾を発射できる様です......しかも、色は無くガラスの様な弾丸で光の屈折でギリわかるかどうか。そしてショットガンモチーフならばスラグ弾と言う単発の弾も使える可能性があるのでみんな気をつけてっ」
「そんなにぃ〜......避けるのも難しそうにゃぁ......」
「つまらない、場数踏んでるだけあって能力の仕組みが解析されちゃったわッ!!」
高速でスライドして連射するが貴音が投げ飛ばした何台もの車が盾になりセーフ。だがその車はバラバラだ、この威力は舐めてかかれるものではない。
「お前らの番終わり!俺の100%ブロックだけの兵隊のお通りだぁ!!」
そう言うと地面がブロックになり、そこからブロック玩具の兵隊それも体長2メートルくらいある上に、銃や剣の様な物も持って現れる。
「......私の好きなブロック玩具で殺人なんて............まとめて吹っ飛ばしてやるッ。タカネスマッシュ!!!」
(......あ!アメコミの緑の巨人の技を思い出したからパクろ)
そう言うと前方に手と手を出して思い切り振りかぶって叩き、その衝撃波でバラバラにさせる。
「ぐっ!壁をっ!!」
「キャッ!」
「流石......隕石砕きの異名があるだけの力の強さだ............」
顎の男は仲間2人が吹っ飛ばない様に前後に壁を作りガードするが何枚も作り直してやっと防ぎ切る、兵隊は容易く粉々になる、だがブロックは容易く元の姿にジワジワ再構築される。
「......やはりブロックだから再構築するか、それにここは頑丈な材料は豊富............」
(鉄筋コンクリート、ガラス、様々な金属......鏡も集めてブロックにして形を変えれる。組み合わせを考えているな、能力の。なら少々卑劣にでも無力化せねば)
言い終わると同時に予兆も無く9mm拳銃をハゲに向けて撃つが壁を作られ防がれた。
「顎の野郎、オート防御か?反射神経が良いのか?」
「なっ!?本当にヒーローかよっ。卑怯過ぎるぜ、俺らの味方になる方が良いんじゃないか?何の為にお前はヒーローをしてんだ?」
「初代会長殺し共が黙れ黙れ黙れっ黙れェッ!!元より俺は慈日会の味方だったんだよォ!!あの人達と九条さんがいたからわざわざ流れでヒーローやってんだッ!!!何も知らねえハゲはぁ!!弾 弾けてくたばりやがれぇっ!!!」
怒り狂った貴音はめちゃくちゃに手を振るい敵3人を撲殺する勢いで飛びかかる。兵隊を砕き、ミラーによる不意打ち射撃も粘着爆弾も避け、女の弾丸は防御した腕のスーツは破けて皮と肉が少し抉れて出血するが防いだが、そのせいで前に進めない。そしてスーツは高性能!自動で修復される!
「貴音!冷静さを取り戻すんだ!!ってうわぁっ!!危なっ!」
「鳥だからバードショット弾使ったけど撃ち落とせないじゃない。私が1番弱いかしら?仕方ないから援護に回るっ」
フギンは風を切って飛ぶ弾丸を察知して回避し無事。女は後ろに下がるとブロックの足場が出来て狙撃用のタワーが出来上がる。天井はドーム状で射撃用の窓の穴がある、そしてこのタワーの壁にはブロックの兵士が重力を無視して立っており女を守る。壊れても壊れてもブロックのピース自体を完全に破壊しなければ即座に復活。例えフギンの火球で溶解させてもそれを材料に新たなるブロックが生まれると言う無法な能力。まるで創造主、神の力。
「......3人とも実弾の許可を出す、アレは殺す気でやらなければ負ける。考えてみろ、鏡のブロックが至る所に作られたらハゲの独壇場。その間もガラスの様な弾丸を発射してくる女+ボディーガードつき。漫画やアニメではショットガンの射程は短いと言われているが、現実は平気で有効射程距離30〜50mを超える。そして本人に攻撃が届くより先に壁を作れるブロックの本人。どいつから倒せば良いか困っちまう............有無を言わさずバラけてタイマンするのが一番勝機があるか?」
今までのミーティアンやミュータントよりも能力の組み合わせを考えたグループに頭を抱える貴音。
「鏡のハゲは私がやる。シュヴァルとフギンはお互いの欠点を補って2人で弾を撃つ女、貴音は1番強そうなブロック野郎を早く倒して相手の計画を壊してッ!」
そう言うと高速接近してエネルギーブレードオフでハゲに迫る。シュヴァルとフギンは無言で頷きタワーに向かって行く。
「あ!ちょっと......仕方ないか、みんなに攻撃できない程の私の猛攻を受けてみろ」
そう言いながら走り出そうとする。
「無駄だ!俺が生きている限り自動で兵隊は産まれ続けるッ!そして俺はゲームや漫画とかアニメのキャラじゃないんだ。最初から1番の切り札を使うッ」
顎の男がそう言うと地面が大きく揺れて巨大なゴーレムのような物がブロックにより誕生。
「は!?ビル並みだぞっ!??」
「そして俺が乗る事により最大限の力を発揮するっ!展開されよ!ブロックドローン!砲撃の音を鳴らせ!タンク!射撃の音を奏でろ!オートタレット!!爆撃の地響きを轟かせろ!ブロック戦闘機!!!」
周囲が全てブロックになり、周囲の物質全てが貴音の敵に。
「............こんなのゲームなら負けイベだ。だが私は日本一のヒーローと言われる事もある存在。私は新しい伝説になる......ノーフィアノーペイン。好きなヒーローの言葉を思い出し俺は臆せず戦うッ」
自身を鼓舞する為に好きなヒーローの変身ポーズを真似てから、即座に浮遊して貴音は攻撃を始めた。一方、フギンとシュヴァルは移動してどんどん離れて行くタワーに困り果てる。
「クソにゃ、見えない弾の回避は感覚の優れたミュータントか例外のフィジカル持ちの貴音くらい。それに逃げるのが速くて追いつけそうで追いつけないっ!!弾も効かないッ!」
「困った......何度火球を撃とうと無限に湧いてくる兵隊が身代わりに吹っ飛んでは直り襲ってくる!!そして合体してくる奴もいるっ!!」
「馬鹿ねぇ〜猫ちゃん鳥ちゃん。私達の能力の組み合わせは最強よ。まあハゲと離れてしまったから少し崩れてしまったけど......ねッ!!」
高速でスラグ弾を放つが2人は何とか穴から出ている手の向きから予測し回避するも、弾丸が真横を通ったショックで皮膚が切れるが奮闘し続ける。一方、九条はハゲが鏡の中に逃げて困り果てる。
「チッ......どこに行った............」
周りを見渡すがどうしようもない。そうしているといきなり目の前にブロックの壁が出来る。
「なっ!危なかった......っじゃない!これは鏡ッ!」
焦りブレードで叩き切ろうとするが鏡の中からハゲが現れる。
「残念だったな、引き摺り込まれろっ!」
九条は身体を掴まれて鏡の世界に引き摺り込まれた。
「ぎゃぁ......ク、クソ......はっ!?E-1は!?銃も無い!??......ああ、盾も出せない............」
「この鏡の世界には現実世界から持ち込んだ凶器は存在しない様にした。まあ残念な事に俺も例外ではないがな。今着ている衣服で俺の首を絞めようとしたり、足を引っ掛けて転ばせようとすれば現実世界に弾き出される。つまりは己の拳で勝負という訳だ!1番弱いアーキアンが俺のところに来てくれるなんてツイてるぜぇ!!!」
(いや、本当にこいつじゃなければわざわざ俺だって把握し切っていない鏡の世界でタイマンしねぇよ......)
「へぇ〜。まあ、じゃあフェアって事ね。でも私が装備を使わないからって貴方本人が強くなった訳じゃないのはおわかり?OK?」
(インプラントの装置は機能していないのか、身体の外に出てしまったのか気になるが体術でシバくしかないわね......というかE-1貰ったのにまだまともに使ってない............)
「身長差30センチ以上なのに軽口を叩くか!手足折って抱き潰して、会の便女にしてやんよッ!」
「何で私ってレイプされそうになる事ばかりなのかしら。私は男を馬鹿にする程美しいみたいね、でももう私の薬指には予約(付き合ってすら無い)があんのよ。それに、あんたと私は釣り合いようが無いの、ね?だからさっさと元から馬鹿のアンタは消えて」
(昔貴音とコンビネーションで倒した暴漢並みサイズ、それを1人武器無しで............貴音......私の心に力を貸して............)
強気だが相手の方が有利、心の中では貴音を想う。警察で習い、実戦で使ってきた格闘技や趣味で鍛えた技を活かす為に構えた彼女。
約156cmVS約190cmのステゴロの戦いが始まる。
実際、身長差が30センチもある上に、性別が違うとか勝ち目が無い気がする。




