第18話 惨憺たる渋谷
いろんな作品で渋谷とか碌な目に遭わん。
貴音は呻きつつ全速力で飛行、その間右腕からタッチパネルのホログラムを出して座標の位置を確認しナビをする。
「もうこのまま真っ直ぐよ!だから、もう無理をしないでっ!それでは逆に万全な状態では無くなり人を守れないわ!」
「それでもっ!それでも嫌な予感がするんですッ!あの自衛官は通信途絶、こちらから電話も無線でも連絡しても誰1人出ない!」
「そうだけど............はっ!............そ、そんな......」
「なっ、ビ、ビルが......今までのと規模が違いすぎるっ......それに陸地には変な姿をした連中しかいないっ。みっ、みんな殺されてる、例外無く倒れて動いてない............チクショウッ!現実でもヒーローが遅れていたら意味がねぇんだよッ」
2人が見たのは地獄と化した渋谷スクランブル交差点とその付近。民間人や自衛官やSATの隊員が血塗れであったり、バラバラで倒れている、車や建物は燃えヤクザ達は更なる殺戮を求め進軍していた。
「............九条さん、E-1の受け取りはどこで?」
「箱の形で私に向かって今飛んで来ているわ、ただ装着後の飛行機能は無い。だから降りなければいけない......ここでハーネスを解除して私を落として、右腕の盾で無事に着地できるわ。それまでお願いっ」
「了解......」
(......キャプテンも確か2作目でやっていたな、なら大丈夫か)
パージされ落ちていく九条が着地して現場から走って離れていくのを見ると貴音は上空で構えを取る。
「慈日会を騙り大量殺人をするとはとても赦せぬッ。変な角張ったアーマーを着ているが私にとって紙切れ同然っ関係ないッ不意打ちを喰らえッ!!開戦だッ|鬨音・流星衝撃波ッ!!!《ときのね・メテオシャワーインパクト》」
この声が街中に響くと同時に空からの無数の衝撃波が降り注ぐ。叫び声に気を取られてからの不意打ちのほぼ不可視の衝撃波。
「あぁん?なんだっ......うぎゃいああ!!」
「こ、この声は!......ぐぃああああああ!!!!」
「女ァ!まだいるの......ミ゜ッ............」
下の三下ヤクザ達は妙な防具が砕け本人も地面に叩きつけられる。だがまだまだ止まらず空からの攻撃で広範囲殲滅をする。
「流星群衝撃波ッ流星群衝撃波ァ!!!!」
不意打ちでない場合と音が小さい場合この技名になる。貴音は怒りに任せて辺りを破壊し尽くすと降り立つ。
「............おい」
意識のあるヤクザの胸ぐらを掴み上げる。
「ヒッヒィィ!!デッ、で、デカ過ぎるだろっホンモノっ......こ、殺さないでくれ............」
実際、貴音は2m越えなので目の前にすると全ての感情の中で恐怖が勝つ、なんせ自販機より遥かに高いのだから。因みに慣れている九条は可愛いとかエロいとしか考えない。
「おい、お前らは本当に慈日会か?俺は慈日会に友達がいるんだよ、じーさんとか姐さんはどうした?......あと、ミーティアン3人はどこだ?それとお前らの特殊な武装はなんだ?まるでブロック玩具ではないか?」
怒涛の質問攻めに怯えたヤクザは答えられない。
「う......ひっ............く、苦しいぃ......」
「チッ......」
舌打ちをしながらヤクザをぶん投げた貴音。そこにE-1未来専用機を装着した九条が到着。
各部位に小型スラスター装備し、高速移動と回避やジャンプなど可能。プロトタイプにあった片刃のエネルギーブレードを両刃にして装備、左腕のランチャーは無くなり九条本人の右腕のインプラントした機械と同期して全機能を左腕で使える様にする事により、両腕に盾を使える様に変更。バッテリーパックは1つ増設されケーブルと共にしっかりプロテクトされている。スコープ、暗視、サーマルビジョンなどを頭部に外付けされている。そしてバッテリーに直接繋がっているレーザーハンドガン(試作)を装備しており、近距離遠距離全てに対応。貴音の日頃の要望により九条がお願いして作られた必殺技に両肩2門のレールガンがあるがチャージとバッテリーの都合上で1発ずつしか使えない。そしてカラーリングは九条の熱烈な要望により貴音の髪の色に合わせたモノになっておりテンションは上がっている。
「お待たせ!って............大丈夫?酷い有様ね......」
険しい顔で立ち尽くす貴音に声をかけた。
「大丈夫です、ただ遺体が多いのと疑問が何も解決しなかったのがとても残念です............一応雑魚は大体始末しましたが、こいつらブロック玩具の様なアーマーを着ている事を見る限りミーティアンの力の産物でしょう。これに耐久性を上げる構造的なアドバンテージはありませんから。あと見るからにその辺の金属とコンクリートで出来ていますし、ただそれだとするなら自衛官達の銃撃を耐えたのが不思議です、やはり能力でしょう」
自己完結した貴音は高威力ハンドガンを空に撃つ。残弾4発。そして街の喧騒を切り裂く銃声。
「な、何をしているのっ?」
「わざと位置を知らせました、埒が開かないので親玉3人が来てくれないと三下をドンドン呼んで暴れ続けるだけです。あとはシュヴァルとフギンも私達の大体の位置が今のでわかったでしょう......ほら」
そう言うと空からシュヴァルが落ちて来てフギンが降り立つ。
「なんでしょう、この酷い惨状は......酷くない惨状はないか......気分が悪くなってきた。これは本当に貴音の友達がやったの?」
フギンも子供の姿とは言え険しい表情はできるし、叫んだり大声を出しても良いタイミングも理解している。
「にゃ〜.....さっきムキムキポメラニアンとムキムキチワワのミュータントの仲裁に入って大変だったのに、もっと大変な事に。誰を攻撃すれば良いの?貴音?あと九条さんすごい格好だね」
やる気MAXなシュヴァルは黒い電気を爪からバチバチさせている。
「根拠はねぇ......だがやってない......こんな事をする人から私は正義を学んでねぇ......‼︎シュヴァル不殺は忘れず攻撃して来る全てを打ち砕けッ。もう全員揃う方が早かったからこちらから行くぞッ!メテオブレイカーズアッセンブルッ!!!」
(やべっ............映画の見過ぎだ......)
「えぇ!スラスター起動ッ殲滅をする!」
(メテオブレイカーズ????)
「やるよ、シュヴァル」
(メテオブレイカーズアッセンブル???)
「私も行きましょう、貴音の友人達の組織を騙るのは許し難いっ」
(メテオブレイカーズ??まあかっこいいから良いでしょう)
妄想で考えていた貴音のチーム名をその場のノリで言ってしまい全員が困惑するが迎撃に前に出る。
俺がヒーローだったら帰りたい。




