第17話 戻らない平和
タイトル通りです。
5/30 AM9:01 自宅
貴音はアンチ能力者のデッドエンドによる、ミュータント仮設集合住宅群に対する大規模爆破テロを止めて敵含め死者0人完了で帰宅して来た。シュヴァルとフギンは2人で別の事件を対応している最中で不在。
「ただいま。......はぁ、もう人間が嫌いになりそう。......本当に嫌いになりそうになるのはミュータントの人らだろうけど」
そう言いながら机に銃を置いてリビングのソファに寝転ぶ。勿論、セーフティはかかっている。
「お疲れ様......でも、ニュースで見ていたわよ。カタツムリ?ナメクジ?の人とかに感謝されていたじゃないの、悪い事だけを見ていたら辛いだけよ。かじに好印象のミュータントも元からいたけど更に増えて来ているわ。これは牛と豚に対しての圧力になるわ」
「どこまで映像で撮られているんだ......??私は遠くの野次馬や記者を守れる程広範囲をカバー出来ないぞ............あとそれは多分粘液気にして握手してくれないから、こちらからハグしたら喜んでくれた人かな?殻に爆弾入れられちゃったから危なかったなぁ............それと洗うのに少し時間かかったけど......。つってもほんとに豚ちゃんと牛くんが何するかわかりませんし......はぁ............なんか最近腹が変な感じだな......暴れ過ぎたかな......いや、もしかして妊娠か!?」
「馬鹿な事言ってないで、体力は増えたって言っても無限じゃないのだから休みなさい」
(仮に自分で自分を妊娠させてしまっていたのならどうなるのかしら......)
貴音のアホな発言だが興味を持ってしまう彼女。
「休むって言ってもまた通報が来るまで寝転がってゲームするくらいっすね〜......いや、グローバルなヒーローになりたいし英語とか勉強するかぁ......なんか最近頭が冴えるんすよ!今の俺ならスーパーウルトラメガハイパーパーフェクトブレインっすよ!」
「......はは......頑張ってね」
微妙な笑顔で返す彼女を見て笑う貴音。2人はしばらく話していると九条がある事を思い出す。
「そう言えば......あの電車の事件があったじゃない?」
それを聞いた貴音は顔から笑顔が無くなった。
「......また何か?私はしっかりと会見もした。だが世間の一部の人は私のことを冷酷なアオガミの化け物って言いますが、自分は間違った事をしたとは思っていませんよ。ヒーローなのに戦い方が惨いだのグロいだの卑怯だとか言いますが、私ァ道徳の教科書に載る様なアンパ⚪︎マンみたいなヒーローじゃないすから」
初めて死者が出たトラウマが刺激されたのか饒舌になる貴音。その目は負の感情に満ちていた。
「............ごめんなさい。言い方が悪かったわね、あなたは間違ってないどころか、殺人豚テロリストを殺さない時点で優しいから............そう、言いたかったのはあの本國さんから連絡が来たわ。あなた、ヤクザどころか副総理とも繋がりがあるなんて驚きよ......流石の唯一自慢と昔言っていただけのあるコミュ力ね............まあ、それより驚きの事実がわかったのだけれども............政府にも反社の仲間が紛れ込んでいるかもって、あのアーマー装備は極秘開発されていたE-1という兵器のプロトタイプだったらしいの、それを政府内部から誰かが提供した形跡があるとの事。まあデカいの一個減ってんだからすぐにわかるわよね。それと折り返しの連絡は本当に要りませんだそうよ」
「下手に折り返すと私との関係がバレるからですね............というか本当に何を信用したら良いんだ。それにE-1?Eってなんすか?1は1号機だってなんとなくわかるっすけど」
(まあなんとなく分かってはいたけども......)
「Evolutionよ。アーキアンが進化した人類に対抗するための装備らしいわ。もう地上波に流れてバレてしまったから私の装備として新品を貰えるらしいわ、それもアレのようなプロトタイプでは無く正式な完成品のE-1らしいわ。なんなら私の右腕と同期するカスタム使用よ。あと私とあなた以外に口外してはいけないと言われたことがあるのだけれど、E-2とE-3はもうあるらしいわ。ナノテクノロジーを使って体内にナノマシンを注入し、使う時はあなたの好きなヒーロー映画のロボットスーツみたいになるらしいわ。2は身体にコアを埋め込む誰でも使えるタイプ、3はナノマシンだけのモノで生まれつきの体質が適応している人だけ手術出来る物らしいわ。この2つは本國さんだけでは動かせないから提供が不可能だし、まだ安全保障出来ないらしいわ。残念ね。でも悪人の能力者がその手術をしたら手に負えないわね......」
それを聞いた貴音は少しワクワクし始めた。
「それは......とても見てみたいですね!ナノテクのアーマーだなんて......あまりにもカッコ良すぎるっ。それに九条さんはE-2か3が公表されたら絶対手術した方が良いですね!一緒に大空を飛んだり、もっと連携のある攻撃で被害を減らせそうです!」
(名前の付け方は特撮ヒーローで聞いたことあるなあっちはGだったか?どうだっけ......)
「そうね。でもその時、入院時は......わかっているわよね?」
「えっ......あ、あーはい、はいわかりました。あの時はちょっと強く突き放し過ぎました、すみません......」
「わかればよろしい......って私が上から言える事じゃないんだけどね!あなたの脚が無くなった時は週に3回しか行けなかったから......」
「いや、警察やってんのに来過ぎっすから!そりゃあ1番の仲間っすけども......まあ確かに隕石が落ちる1、2週間は1回も来てくれなかったのは寂しかったっすから、ナノマシン入れる時は毎日飛んで病院に来ます!なんせこの1週間の特訓で飛行速度が最高時速30kmから大体80kmまで上がりましたから!......まだ最高時速はキープできる時間は短いですが............まあ仕事のゴミ処理やミュータントの保護があっても少しの暇で行きますよ!」
「ふふっありがとう」
笑顔で返す九条。その顔を見て少し顔を逸らしてしまう貴音。それに気づく九条。
(可愛い......何だか照れるな)
(ん?顔を逸らした?......もしかして私の笑顔に照れた?両想い!??だよね!?もう今告白しちゃう!??......落ち着け未来......貴音の誕生日に計画していらのだから............)
勝手に心の中で爆発して沈静。
「あ、そう言えば要求した銃は輸入出来たんですか?」
「............絶対に約束してね。怒りに任せて無闇矢鱈にこれを生き物に使わないでよ。あなたの事は信用している。だけど心の病気もあるのだから感情の制御が心配なの」
そう言うとアタッシュケースを持ってきて指紋認証で解錠して貴音に渡した。
「大丈夫ですよ、ただ悪人を殺さないと一般人が大量に死んでしまう時くらいにしか使いませんから......これがプファイファーツェリスカか......オーストラリア人もぶっ飛んでいるな......最高だ、イカしてるぜ............」
全長51センチ重量6キロ(軽いアサルトライフルより重い)のリボルバー。その弾丸の威力は像の頭蓋骨を容易く砕き古い戦車ならヒットした場所によっては一撃で破壊する威力の物を使用。一般人は両手で持ち更に三脚などを使い発砲する人間では扱いきれない代物である。弾薬の火薬の量を減らして使用する物だが、貴音は減らさずに使用する。貴音の使用する想定として遠距離で破壊したい物を砕く為、脅迫、威嚇などである。これをアーキアンの人間の胴体に当てれば四肢は吹き飛びミンチになってしまう。デザートイーグルですらおもちゃ扱いである。
(※実在する銃です)
「特注であなた専用にカスタムされているわ、既に持っている普通の9mm拳銃とで使い分けの準備ちゃんとなさいよ」
「えぇ、抜かりなく。任せてください」
皮肉にも他3人には人を殺さず制圧できる武器を求める貴音だが、己が欲する武器は殺意の塊である。強きスーパーヒーローであるべきと言う焦りが更なる力を欲してしまう。
「......それに5発だから気をつけてね。じゃあ、そろそろお昼にしましょうか!暗い事は忘れてたまには食べ物を食べなさい、いらない身体になったとしてもね。美味しいものを食べるのはストレス軽減に良いのよ」
「そうですね!じゃあ、九条さんの手料理が食べたいなぁ〜」
そう言いながら九条の方をニコニコしながら見る貴音。
「うっ!......な、何が食べたい?近くにスーパーもあるし家庭料理なら何でもできるわよ!」
(普通に付き合ってない女性に手料理くれなんて言うかしら?も〜可愛いわね)
何しても可愛い判定をする九条、恋は人を狂わせる。そうしていると仕事用の携帯が2人とも鳴り、家の電話も鳴る。
「なっ何?この急ぎっぷり......またテロか?九条さんはゼリーとかプロテインバー食べて出撃準備をしてください!電話は私が出ます」
「ごめんね............」
(こんなに辛い思いをさせられ、休みも無いなんて......ヒーローが増えてくれれば............今は無能力なのに刃無しの刀で殺さず悪人を倒している女性がいるのが有名くらいかしら......なんせ空臨技絡派と言う剣術の創始者で若き天才だとか、攻撃はさながら天からの裁きが降り注ぐが如し、守りは流れる流水の如く受け流し、だがしかしそれで終わらずその隙を一閃の反撃がとかなんとか............名前は久遠だったかしら......そう言う存在が増えてくれれば............)
そう言うと九条は急いでコンバットスーツに着替え始めるなか電話対応する貴音。
「はい、もしもし?貴音です」
「ああ!良かった、出てくれたか!警視庁では無く自衛隊とSATの合同チームからの連絡です。今ヤクザの慈日会を名乗るミーティアン3人とその部下の集団が無差別に渋谷で暴れています。シュヴァルさんとフギンさんも仕事終わりで申し訳ないですが向かって頂いています。そして敵の集団は全員が特殊な......だぁっ!?うわあっ..................」
話途中で爆発音が聞こえると電話の相手の返答が無くなり切れてしまった。
「もしもしっ!もしもし!?大丈夫ですか!!?............クソッ!じーさんの慈日会騙りやがって九条さんっ準備が出来たら私と一緒に飛びましょう、おそらくもう死者はそれなりに出ているでしょう............」
そう大声で言うと部屋の奥から返事が来て、準備を終えると貴音に九条は飛行用ハーネスを装着し貴音の背中にうつ伏せに胸を押し付ける状態になる。そしてその姿で空を飛ぶ。
私アウト⚪︎イジ全作見たりとヤクザ系の作品好きなんですよね。




