第15話 捨てきれない主義
ここから一区切りまだ主人公には不幸になってもらいます。
2024/5/22 自宅 AM8:12
ゆっくり朝食を食べている3人とジュースを飲んでる1人。昨日の事件がテレビで報道されていた。
「はっ!子供を戦わせんなだとよ、その子供はミュータントだぜ?まだミュータントの人権関連の法整備をまともにしてない癖に、差別していておいてよ。なーに言ってんだか。それにあれをみて身体能力や強度が人間の子供の範疇では無いのは一目瞭然、どんなに鍛えられたアーキアンの兵士やスポーツマンでもほぼ勝てねぇよ」
ミュータントの人権を求める活動を始めた貴音は苛立ちを見せる。
「それにフギンとシュヴァルの名前などの個人情報に能力をネットの記事にまとめられてしまったから、反社の奴らが対策して来るわね......」
「まあ、もう住み始めた初日に家バレしているので今更でしょう!」
「望むところ」
シャドーボクシングの真似事をするシュヴァル、やる気満々の2人。貴音はどうでも良い事を思い出す。
「そう言えば反社で思い出したけど《慈日会》の会長のじーさん何してんだろ。東京がこんななのに何もやらねえな」
東京のヤクザを急に出して知り合いの様に言う貴音に驚き吹く九条。
「ぶふっ!??......ゲホっ......な、何?なんで今東京のヤクザの話してんの?と言うか、その言い方的に知り合いいるの??」
「何でそんなに焦ってんすか?会長のじーさんとか姐ちゃんとかと小さい頃から遊んでいたんすよ、隕石で騒ぎ出してから会えてないっすけど。だから個人的な連絡先も持ってますよ?」
ヤクザとの繋がりがある事を警察に言う、警察の協力者。九条はめちゃくちゃに焦る。
「ちょっと!?今話している相手は警官よ?それに小さい頃からヤクザと仲が良いなんて普通マークされていると思うのだけれど............何故あなたがヒーロー活動出来ていたのかしら......」
「えっ九条さんそこそこ偉い警察なのに知らないんすか?慈日会は指定暴力団に指定されていないし、違法行為もしていないヤクザ風の株式会社でほぼ自警団っすよ?株は会長のじーさんが100%所持していますね。あと例えるなら漫画でたまに見る優しいヤクザって奴すかね?戦後の警察だけでは手が負えない、アメリカ人やチャイニーズマフィアにコリアンマフィアから東京の民間人を守るために出来たんすよ。ただ表向きの扱いはそこそこ大きいヤクザなので一般人は知らない。まるでダークヒーローの様に活動していたんですよ。それと会と仲が良い人や警察の上層部とマル暴は知っているらしいっすよ。この人達から義を知り、ヒーローに憧れましたから」
突然の意味不明な情報で九条は少しフリーズしたが貴音の言う事だからとすぐに信用する。
「......あなたの言う事は全部信じるとして、一応あとで上に確認するとして......あまり伝えたくないのだけれど最近は指定暴力団の更にヤバさが上の二つのヤクザの組にしかされていない特定危険指定暴力団に指定されたし、普通に人を殺すし覚醒剤の密売もして逮捕されているわよ。隕石騒動から少ししてからヤクザの中でもかなり穏健派と私も思っていたけど、急に犯罪行為をする様になったわね。あまり言いたくないのだけれど、そのじーさんって呼んでいる会長は亡くなられているかも............」
そう言われた貴音は急いでスマホを取り出してじーさんに電話をするが出ない。会の電話番号にもしようとするが九条に目をつけられたら困ると言われやめた。
「そんな............いや、じーさんは俺が死んだら葬式で棺桶の俺に、お前の口に含んだ酒を顔面に吹きかけてくれとか意味わからない事を言っていたから亡くなっていたらじーさんの家族から連絡は来るはず............」
「流石に全くわからないから力になれなくてごめんなさいね。私マル暴じゃないから......あとで調べてみるから大人しくしていてね」
(ヤクザなのに逮捕者が極端に、いやほぼ0なのは何故なのかと思ったら指定暴力団ですら無いなんて......それはもうヤクザでも半グレでも無いのよ......恐らく、戦後に警察では手が回らない海外の反社の対応をする為に作られた組織でしょうけど、何故今更本当のヤクザになってしまったのか突き止めた方が良いわね。単独で貴音が動き始める前に知れて良かった............)
「困ったわね......国内の敵対勢力が多すぎるわ。慈日会と、最近にアナーキストユニオンから分裂したアーキアン至上主義の《デッドエンド》にカルトまではいかないけど危険な信者や逮捕者かがいる新興宗教の《アフターメテオ》と《ミツバチ》と言う分身能力者が頭やっているグレーゾーンな事ばかりする取り締まりにくいクソカス組織............あとは豚と牛の連中かな、あとは小さいグループや個人が大量に............きっつ、小説だったら情報量多くて読む気失せるわね......私達4人ではいつか絶対足りなくなるから、組織をこちらも作るのが良いかもね」
「そうっすね〜......あとは私の武器がやっぱりいると思うんすよね。九条さんなんか言ってくださいよ〜」
強者にしか扱えない武器があるのはロボアニメや洋画で頻繁に見るので欲しがる。
「まあそれも伝えておくわ、今日は通報無く楽に過ごせたら良いのだけれど」
「まあ全員が出る必要がある事件でなければ大丈夫でしょう!貴音は息抜きすべきだよ!」
「......じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかなぁー」
そうして昼過ぎになる。貴音は拳銃とヒーロースーツを持ち秋葉原に遊びに出た。
「やっと来れた〜。ああ、久しぶりだなぁ......部品とかジャンク品良いのあるかなぁ」
自作の武器作成やジャンク品の修理の為に店を回った。
「この推しのフィギュア13万もするのか、へぇ光るのかぁ............いや、収入が入るんだから何種類何個か買っても良いか、そうだ私は今まで頑張ってきたんだから皆んな許してくれるさ。アメコミも通販で買おうかな」
好きなアニメや漫画のフィギュアを買う貴音。前は金欠だった為に欲望に従いまくりで何個も買う。
「ゲーミングパソコン買い換えるか......隕石破壊祝いで割引されてる42万のこれでいいか、元値53万だし」
無職でパソコンの寿命が来ているのに買い換えられなかったからやっと買えた貴音。まだ給料がいくらかも知らないのに浮かれているし、実際ずっと浮遊して移動している。そうしているとファンが集まる。
「はいはい、写真でもサインでも何でも応じるから急がないでゆっくりして〜。君、かわいいですね〜いくつ?4歳ですかぁ〜。えっ、服に直接サイン?」
九条好みの露出の多い服装に青髪のポニテとオッドアイ、更には爆乳身長2メートル越えなので変装は不可能。だから堂々と秋葉原を浮遊して移動していると高頻度で声をかけられるし、写真や動画も勝手に撮られるが気にしない理由は目立てるから。男の時代でも声をかけられるのは、そこそこあったがそんなの比では無いレベルであるので貴音自身は承認欲求、自己顕示欲が満たされて嬉しい半分、だるさ半分になっている。この後もしばらく秋葉原に留まった。
「はぁ......あの酔っ払い、私の胸の谷間に札何枚も入れるなよ......しかも、全部2000円札って怖いよ............沖縄のキャバクラかよ............」
訳のわからない事をされブツブツ言いながら大荷物を持ち浮遊して帰宅し始めたタイミングで駅の方から何発も発砲音が聞こえた。
「えっ何。撃ったよね?今手が塞がってんだけど............仕方ないか」
駅に向かうと逆方向に走っていく人間が大量におり、そこそこ高めに浮遊して回避し到着、有人改札に声をかける。
「すみません、何があったんです?」
「そんな事はいいから避難を............ってメテオブレイカーか!アオガミともニュース呼ばれていたが本当に髪の毛が青いなぁ......いや、そんな話をしている場合じゃない。列車をジャックされてしまったんです、埼京線の列車で乗客の約半分を人質に。は、早く我々を助けてください、お願いします。そして、もうおそらく怪我人が死者が出ていると思います......」
「勿論!助けますとも。ですが、下手に突っ込むと死者が増えるので少し様子を見ます。相手がジャックした理由も知らないといけませんし。......あと悪いですがこの荷物持っていてください。後に自分か九条未来、八咫フギン、シュヴァルのどれかを名乗る人が取りに来たら渡してください......装着ッ」
(満員だと自分らが動けないから半分にしたのかな、ならこちらも暴れやすい。あとこちらの仲間の3人は対能力者用だから派遣されないだろうな......頼むから負傷者だけで誰も死んでいないでくれよ............)
ヒーロースーツを見に纏い浮遊して駅の外から様子を見る。
「あれか......何人いるんだ??1両ずつ4人くらい居ないか?もしかして合計4〜50人いんのか??AUの腕章は無い......どこの誰だ?............まさか慈日会じゃないよな?」
貴音は空に留まり相手が声明を出すのを待った。その間に警察に包囲された電車。人質が1人解放されその人が紙切れを持っていた。そこには声明文が書かれていた、貴音にも即座に連絡がいきメッセージで紙切れの写真を見た。
「えーっと......所属不明かぁ、まあ多分慈日会じゃなくて良かったけど良くねぇ。何々......ミーティアンとミュータントの人権を剥奪しろ、ホモ・サピエンスにはカテゴリーされないので人類では無い。従わない場合は何百人の血に塗れるだろう。......多分これデッドエンドだろ。そして要求二つ目が......最新技術と武器提供か、まあ欲しいよな。私もハイテクなの欲しいし。三つ目もあんのかよ............上記が不可能な場合はメテオブレイカーの首で手打ちにする............え?」
困惑する中警視庁の番号から電話。
「はいもしもし?」
「あ、メテオブレイカーか!いきなりで悪いが彼らの指示に従ってくれないか?もう見せしめに15人亡くなっているんだ」
突然の死刑宣言に貴音は困惑し怒る。
「意味がわからないです。私にただ死ねと?」
(彼ら?何でもう正確な人数を把握している?)
「もう人が死んでいるんだ、このままでは何百人も亡くなってしまう。君1人の命で全員が助かるんだ、ヒーローにとっては安いもんだろう?」
「ヒーローはテロに屈しませんよ、国の犬は生贄捧げてテロに屈するんですか?笑えませんよ」
「若造が!この前も街をめちゃくちゃにしたんだ、少しくらい落とし前つけろッ。命は平等、ならば数が多い方を選ぶのは必然。従わないのならば君を指名手配する」
あまりにも馬鹿で横暴であり、最初に名乗らなかった事などもあり本当に警視庁の人間からの電話か怪しむ貴音。
「随分と大胆な事をなさる。そう言えば貴方はどこの何方ですか?最初に名乗られませんでしたが」
(この声は......警視総監に近い?いや、話し方こんなだったかな、あんまり会う機会が当然無いから覚えて無いや)
「黙れ!関係ないっ!もう終わりだ、テロリストにお前の首を渡すっ!」
そう言うと電話が切れた。
「えー......もう電車の中に入って犯人殴り倒すかぁ............いや、まだだ。隙が出来るはずだ10両目付近で待つか」
そうして待っていると下にいる警察官が騒ぎ始めた。
「?なんだなんだ?警察が慌てているぞ?もしかしてまた誰か亡くなったのか?」
そう思いながら下を見ていると銃をこちらに向けられる。
「はッ!??ぐっ!正気かっ本気で私を殺してテロリストに渡す気なのか?てか警察の拳銃如きでこの私を殺せると本気で思っているのか......いや、そもそもこんな命令を出せるのはどのくらい偉い人だ?やっぱりトップの警視総監か??わからんっ」
貴音は拳銃の弾を腕で全て弾き下に降りる。
「おい、何考えてんだ。私は隕石が落ちる前からの警察のパートナーだぞ?私の事なんて教えられた?何の名目で殺そうとしてくんだ?」
1人の警官の胸ぐらを掴んで言う。
「黙れ!テロリスト!電車の奴らとグルなのは知っているぞ!我ら屈しない!」
「チッ......さっきの電話録音しておいて正解だったな。現実だとヒーローは邪魔モンかい。そらに何下手くそな嘘を信用してんだいっ何度も言うが隕石が落ちる前から私は警察に協力してるだろ」
(長引くとマズい、警察の上層部に何か紛れ込んだのは違いない。それと音声データは九条さんに送信しておこう。映画だとスマホが壊れて詰むパターンだ)
警官を離して追撃を無視し、空を飛びもう時間が無いと諦め10両目のドアをぶち破るとそこには血塗れの女児と女性が倒れていた。しかも、よく見るとさっき服にサインを書いてあげたりした4歳の子だった。
「なっ!メテオブ......」
「............」
突然の侵入に怯んだ男の、両腕と片足を正確に拳銃で貴音は無言で撃つ、片足を残したのは跪かせる為だ。乗客は貴音のいつもと様子の違う行動に恐怖する。
「あ゛ああっ!身体強化のミーティアンが拳銃使うのかよ......ぶべぇっ!」
跪いた所を顔面に膝蹴りし倒すと2人に駆け寄るが脈が無い上に冷たい。乗客に聞くと最初に2人は頭や胸など何発も撃たれてしまったからもう死んでしまったと聞かされた貴音は怒りに震える。血に滲む服のサインを握る貴音。目が恐怖に限界まで開いたまま亡くなった女児の目を閉じさせる。
「..................」
(私は無神論者だが......せめて天国みたいなのがあってほしい......この俺が甘かったからこうなったのか............)
自責の念を抱いて遺体を抱きしめた後に負傷したテロリストの方に向き怒鳴りつける
「この野郎。見せしめに親子を最初にッ............赦さん、この外道めがアアァッ!!!」
泣き叫びながら貴音は容赦なく足を振りかぶる。
「クソっ......これ以上はや、やめてくぐああぁ〜............」
貴音は倒した男の話を聞かず開いているドアから奥のホームの別の線の線路まで蹴り飛ばした。
そして発砲音とこの叫びを聞いたテロリストの仲間はこちらに走ってくるが、気にせず最初に倒した男が持っていた武器を拾う。
「......AK-12?ロシア製の銃まで出回っているのか......」
そうしていると男の仲間が走って来るが貴音は無言で無慈悲に銃を撃つ。撃って倒しては武器を変えてリロード。アサルトライフルを2丁持ちで進んで行く。いつもの様な犯人に寄り添う優しさは無く作業の様に倒すが、やはり殺しは出来ないので急所は外すが、時々近距離で返り血を浴びる。血に濡れ涙は乾く。乗客達は悲鳴を上げテロリストがどんどん前方から来るが一直線なので、弾丸無効の貴音が圧倒的に有利。怒り狂うヒーローの制圧力に押されていくテロリスト達。5両目にまで行くと人質に銃を向けている男達がいた。
「う、動くな!武器を投げて手を上げろ。さもなくはこいつを撃つぞ!我々はトレインジャックをしているんだぞ!」
「く、クソってめぇは不殺なのに仲間を平気で撃ちやがってっ!」
「人殺しが何言ってんだか?てか、トレインジャックってテメェらのグループの広告を電車一両に載せんのかよぉ?内容は何?自分の無謀さを勇気と言い換えて、お前らのとこの勧誘ポエムでも載せんのか?それに弾は急所を外しているしテメェら人殺し......それも怯えた子供を平気で殺した奴ら相手には温情だよッ」
本来のトレインジャックの意味を言いながら、降伏に手を上げるフリをして持っていた銃2丁を男達の顔面に当て、急接近すると2人の両手を折ると骨が飛び出て痛みで気絶する男。
「気絶してんじゃねぇよッ。ゴミッ!殺された人はこれ以上の痛みを味わったんだぞッ......このドブカスがッ。死んだら何も感じれなくなるだぞッ」
倒れた男の腹と骨が出ている方の腕を蹴り上げて怒る貴音、蹴られた男は嘔吐する。そしてまた武器を拾うと突き進んで的確に射撃し制圧すると1両目に着くと残り1人な様だ。
書いておいてなんだけど、多分ホームの1番奥まで蹴り飛ばされた奴は死んでそうだよね。




