Ep.1 [孤独な宇宙]
私は今、宇宙から星を眺めている。雲で覆われていて綺麗とは言えない。けど何故だろう、星を見ていると恋しく感じる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 一日目 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ふーふんふーふふーん♪」
足を揺らして座っているのが私、綾瀬智花。なんでか知らないけどね?以前までの記憶がない。ないのだけどね?植木鉢にいる植物が育つ度に少しずつ記憶が蘇るの。だから今の私の趣味は水やりをする事。前の私は多分だけどね?水やりするのが好きだった見たいね。私ってきっと優しい心の持ち主何だわ。
「おはよう、みどりちゃん」
「今日もいっぱい水やりするからね」
当然だが反応は無い。
「ん?水を飲みすぎたら逆に枯れるの?」
「. . . . 」
「教えてくれてありがとね」
「立派にそだってね〜」
さて、みどりちゃんの水やりも終わった事だし、今日も記憶を戻す為に探索して、本当の私を見つけないといけないわ。
「まずはキッチンからね」
智花はテーブルにある皿に目を付けた。
「皿がニ枚あるわね」
「ということはもう一人いるって事ね!」
人がいるって事は私のことを知っているかもしれないわ。探したいところだけれどどうにもこの宇宙ステーションには私以外の人影が見当たらない。
「とても不気味ね、もう一人は何処へ行ってしまったのかしら?」
見渡すと二重に重なった分厚いガラスが一面広がっており、その奥に雲で覆われている星があった。その星をよく見ると点々と光っている箇所を目にする。
「雷. . . 」
手がガラスに触れる。とても暖かい、人の最適な温度に調整するシステムでも付いているのだろう。その時、智花の脳裏に微かな記憶が蘇る。
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「うぅ、ママ怖いよう」
幼い智花が窓の外で鳴っている雷に怯えていた。横には女性がいて智花の頭を優しく撫でる。
「よしよし、ママはいつもそばにいるからね」
とても落ち着く声、窓越しから見える嵐は怖かった。
「か、母さん?」
確かに私の記憶だった。でもそこは知らない場所だ。窓の奥には広い草原が広がっていた。
「分からない. . . 」
ふとガラスから見える星を再びじっと見つめる。
「もしかして私はあの星に. . . 」
いやいやありえないわ、あの星は何百年前からも人が住めるような所ではないはずだもの、でも確かに星にしか生えない植物が広がっていたわ。
智花は長い間その星を眺めていたが、これ以上の記憶は蘇らなかった。
「曖昧だからなんとも言えないわね」
「他の手掛かりはないかしら?」
周りを見渡すもそれらしきものは見当たらない。せいぜいあるのは植木鉢の植物だけだ。
「もう寝る時間ね」
智花は近くのソファーで横になる。
「おやすみ、みどりちゃん」
彼女の瞳に映るその星は、彼女の心に静寂を与え深い眠りについた。
続く
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄智花の日常 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
皿の上には寿司が乗っていた。
「一口だけ. . . 」
パク
「ん〜美味しいわね!」
美味しく味わった智花だったが寿司を噛み続け
ると何故か口周りが熱くなった。
「ん〜?あ. . . 」
突如智花の口に燃えるような痛みが襲ってくる。
「ぎゃあああ!!!、ケホッケホッ」
「こ、これワサビ入っているじゃない!」
その後、智花は腹を下し、しばらくの間彼女の姿を見ることはなかった。