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プロローグ

初連載です。よろしくお願いします

 チカチカまぶしい繁華街を抜け、住宅街の薄暗い裏路地。そこにひっそりとたたずむ純喫茶 うつつ。暖かな照明に照らされた店内はレトロモダンな椅子と机に、壁と一体型の本棚には一昔の少年漫画と少女漫画がところ狭しと肩を並べている。

「いらっしゃい。今日は早いね」

穏やかに微笑む店主の青年が持ってきたメニューを見つめる。優しいおだしの香りとほのかに感じるハーブティーを肺一杯吸い込むと、重だるかった胃が彼の料理を求めてぐぅぅ…と鳴く。音が聞こえたのかおかしそうに笑う彼におなかを押さえながら今日のうどんを頼む。頷いた彼がカウンターの中に戻っていくの見ながら店内の音に耳を澄ます。カチコチと聞こえてくる鳩時計の音と食器同士がこすれる音以外は聞こえてこない。日中の賑やかでコーヒーの香りのする空間も好きだけど、人の少ない静かなこの空間がたまらなく好きなのだ。

「お待たせ。ゆっくり召し上がれ」

目の前に置かれたうどんに箸を伸ばす。つるつるとした麺に優しく温かいおだしが胃に染みこむ。いつの間にか目の前に移動してきた彼が食べている様子をのぞき込んでくる。


優しさに包まれたこの空間が今の私の生きる糧になっている。どうか、この心地よい時間が一秒でも長く続きますように。


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