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6話



 「ほんと、あっという間だったな」

 「準備してたら直ぐだったわね」


 そう、漸くこの日を迎えたのだ。

 今日俺達は異世界へ向かう。


 ダンジョン大学の学生、総勢300名が異世界門のある天狗高原へクラス毎に整列している。

 2名1組のバディ制度を採用していて、基本的には異世界に行ってもバディで動くよう訓練している。


 俺は茜とバディ申請をして、正式なバディ相手だ。


 異世界へ向かう前に、お互い支給された制服を身に纏っている。男女共オーソドックスなブレザータイプで、男子はスラックス、女子はスカートを履いている。


 材質は特殊な素材を使っているらしく、防刃性、耐久性などかなり高品質の物らしい。



 茜はスレンダーな足を黒のニーソで包み、膝上10センチのスカートまでの白い地肌がより強調されている。

 白と黒のコントラスト。


 正直言って、めちゃくちゃエロい。



 

 あ、豆が来た。


 豆と呼ばれている学科主任の教師が壇上に登った。

 異世界門を覆う天狗ドームの前。

 そこに300名の学生と異世界省の役人4名、護衛である国選帰還者3名、異世界大学の教師3名。


 総勢310名の大所帯だ。



 「ごほん、あー。これより異世界門を通り抜け、対の門があるレイブン王国交流都市ツヴァイへ降り立つ」


 事前に疫病などを持ち込まないか、しっかりと検査等しているため、これから大規模な検査等はない。



 「日本からの留学生という立場であるため、皆さんには節度ある行動を心がけてほしい。また、この留学費用は国費で賄われているため、多様な課題へチャレンジして有意義な時間にしてほしい。私からは以上で終わりにする」



 豆は、良い事言うなぁ。

 次は異世界省のお偉い役人が壇上に登る。


 「皆さん、初めまして。この度、異世界大学77期生の監督官に任命されました、富士(フジ)と申します。これから皆さんにとってより良き時間となりますように、精一杯のサポートをしていく所存でございますので、よろしくお願い致します」


 

 見た感じ30代前半のような雰囲気だなぁ。

ツンツンした短く切り揃えられた黒髪を、ワックスでしっかりと固めている。

 顔は彫りの深い顔立ちで、ハーフと言われれば納得できる整った顔立ちだ。

 イケメン許すまじ…。


 富士さんの部下らしき3名は特に自己紹介などもなく、護衛の3人である帰還者の紹介もなかった。




 国選帰還者はBランク以上の戦闘力を持った者。

 更に、品行方正であることなどが選考基準にされる。

 


 日本の国選帰還者は総数10000人と言われている。

 その中でBランクは95%。


 残りの5%(500名)の内訳は、Sランクは2名のみ。

 武神、まほう使い。

 この2名だ。



 素性、性格、身体特徴など数多のことが謎に包まれているSランクだが、日本には2名しか存在しない。


 世界で15名いると言われているが、国に従っていない者。

 正確に言えば、異世界へ不法滞在して独自の勢力を築いているSランク能力者もいる。


 これは有名な話で、指名手配というよりは、賞金首として各国へ手配されている。


 1番有名なところだと腐蟲支配(ゾンビメーカー)と言われている米国の能力者だ。


 妙齢の美しい女性らしいと言われていて、腐蟲という蟲を操るらしく、それを人間の脳に寄生させ支配するらしい。


 その蟲は電気信号を脳へ直接流しこみ、身体の制限(リミッター)すら強制解除する。そして、痛みなどに全く怯まず死ぬまで闘い続ける。

 非常に厄介な能力者だ。



 「学生番号82番、九条奏さん。学生番号97番、平野茜さん」


 順番がきたのか、学生番号を点呼されている。

 

 「ほら、ボーっとしてないで行くわよ! 奏!」


 茜に手を引かれながら頭を切り替える。


 「…そうだね、異世界へ向かおうか」



 ここから俺たちの新たな物語が始まる。


 

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