5話
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「あら、奏カッコよかったわよ」
なんて言いながらニコニコと笑う茜と居るのは異界の素材を使った武器・防具屋である、『雷神の金槌』だ。
ここ、雷神の金槌は数ある武器屋の中でも高品質の優れた武器防具を生産する工房で有名である。
かくいう奏と、茜もこの工房の品を使用している。
「もう、揶揄うのはやめてくれよ。あんなチンピラくらい茜なら余裕で追っ払えただろうに」
身体強化術においては茜には遠く及ばないため、直接戦闘においては奏の方が不得手なのだ。
「それでもよ。あの時の奏、凄く男らしかったわ」
(まぁ、喜んでもらえたならチンピラの10人20人くらい何時でも相手するけど)
「うわ、見てみて奏っ! 新作の重力刀だって」
茜が眺めているショーケースに鎮座していたのは、刃渡り60センチ弱の打刀であった。
その刀身は鈍く光沢を放っており、惹きこまれそうな魅力があった。
刀身は、アダマンタイトという希少金属と、メタルドラゴンという竜種の体内にある金属、竜金属の合金で作られている。
なかでも画期的なのは、魔導文字を刀身に薄く刻み込むことで、魔術の効果をひき出しているらしい。
「ほんと凄いよな、打ち下ろしの重力を増やして斬撃を重くして、急制動をかける時には半重力を作用させて停止。無理な斬撃も放てる打刀だってさ」
(まぁ、この刀を使い熟すには魔力を自在に動かせるレベルにならないと無理だけどね)
異界へ向かう扉を越えると、1人につき1つだけオリジナルの特殊能力が付与される。
それと同時に、魔力の器が心臓に宿ると言われている。
この器を育て、位階を上げることをレベルアップという。
そのため、まだ奏と茜は魔力を持っていない。
「はぁ、早く魔導武器を使ってみたいわね。奏は刀術が得意だから刀を使うのよね」
「そうだな、俺は刀と脇差の大小2本差しかな。茜は槍術だから槍を装備するのか?」
「そうね、ひとまず槍を装備して、授かった能力によって装備を変える方針でいくことにするわ」
(そうだよな、能力によっては武器の相性があるもんな。測定不能なんかの能力を獲得出来たら嬉しいな)
「そうだな、俺もそうしようかな」
異世界門を越える際に授かる特殊能力は、全て程度の差はあれ有用だが、能力の強さに応じてランク分けをされている。
上からランクS、A、B、C、D。そして、ランク毎に3段階評価される。
例えば炎帝という炎系の特殊能力を使える者なら、Aランク3位階と評される。
A -3と呼ばれてSランクを除き最高ランクである。
Dランクは1小隊(約50人)相手に互角に戦う力を持つ。
Cランクは大隊(約500人)を相手取る。
Bランクは旅団(約3000人)
Aランクは師団(約20000人)
Sランクは一国の軍隊(約100000人)を相手取れるらしい。
と言っても、Aランク以上の人間なんて殆ど居ないのが実情だが。
Sランクに至っては地球上に15人しか確認されていないらしいし。
測定不能は、Sランクさえも超越した存在らしいけど、都市伝説として実しやかに囁かれている。
なお、この数値は現世界のものである。とだけ言っておこう。
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