2話
捜査チームは様々な分野の専門家が招聘され、数ヶ月に渡り調査が進められた。
その結果分かった事は
1.門の先にはどういった原理か不明だが別の大陸へ繋がっていること。
2.その繋がっている先では地球とは全く別の法則が作用していること。
3.門の先にある大陸人とコミュニケーションが、(言語が何故か通じる)とれること。
4.門の先にある大陸は、地球上に存在しないこと。
初期に、これらの事が判明した為、国が使える財源をフルに活用。日本中の企業へ協力を仰ぎ一気に天狗高原を中心に開拓していった。
それから約100年。
現在は門の周りを厳重に警備し、門を覆うようにドーム状の建物で保護されている。
その門の近くに国立病院があり、門が現れてから新設された異世界省庁舎がある。
そこから少し下ると、国立異世界大学がある。
俺、九条奏が学んでいる場でもある。
なぜ、異世界大学が創設されたかを説明しよう。
門が発見された当時、異世界人との交流が始まったのだが、人材不足だったため育成する場を設けようという案が国会であがり、承認されたためだ。
また、通常は異世界へ行く事を許されていない。それに、知識もある一定以上は秘匿されている。
異世界へ行くには、異世界省に認可された役人。もう一つは、民間から行くには異世界免許証がいる。
異界免許と呼ばれるコレを手に入れるルートは2つ。
異世界大学の在学者、卒業生。または、民間の認定試験を通過する。
以上のルートをクリア出来なければ異世界への切符は手に入らない。
現在、日本では延べ10万人がこの資格を持っている。
また、異界の素材を持ち帰り、売る事により生計を立てている者たちが集まり出来上がったのが、天狗高原から麓までの広大な都市。
天狗町が新たに誕生した。
それが今から50年前のこと。
異界の素材を持ち帰った事により、様々な分野で技術の進歩が見られた。
飛行する車、通称飛行車、飲むだけで体の病、怪我を治癒する霊薬、ポーションとも呼ばれている。
他には、門をこえて異世界へ降り立つと、1人につき原則1つ特殊能力を得られる。
ソレは、こちらの世界である、現世界へ帰ってきても多少弱体化の程度はあるが使用可能だった。
彼ら彼女らは、帰還者と呼ばれて特殊能力を活かした仕事をしている。
天狗町は帰還者と、帰還者を相手に商売をする企業が暮らす町なんだ。
異世界大学は、全寮制の国立四年制大学で最初の1年はココ、天狗町で学ぶ。
2年生へあがるためには、2年生試験に合格する必要がある。
落ちたら無論、留年だ。
3年連続落ちると退学となる。
なぜ2年生試験があるかと言うと合格者は2年次から異世界実習に入るからだ。
2年生になると、異世界友好国であるレイブン王国の王立騎士学校で学ぶ。
その際、レイブン王国騎士学校生と一緒に学ぶことになる。
余談だが、2年生試験の後は、卒業まで試験はない。