連続放火殺人
11歳で田原七海が光が岡園に来たのには理由があった。
両親と幸せに暮らす普通の小学生だったのが、ある日とんでもないことが起こった。
七海は東京の東久留米市で小学生のある時までごく普通の家庭で幸せに暮らしていた。ある時までは。
小学5年生の秋に遠足で飯能に行く日、秋晴れだった。
母「お弁当や忘れ物大丈夫ね」
七海「うん、行ってきまーす」
父「はしゃぎ過ぎて、川に落ちるなよ」
会社員の父はたまたま有給を取り、自宅にいた。
もう、あと10分足らずで正午という時だった。
ゴォォォォォォォ!!
突然大きな音とともに、巨大な炎が家を包んだ。
「やば、逃げなく....」
バチバチバチ。炎はあっという間に家を飲み込んだ。
「家事だぁ、消防車、早く呼べーっ!!」
気づいた通行人が大声で叫んだ。
七海の暮らしていた一軒家だけでなく、その隣も、さらにその隣も焼けていた。
消防車は7台来て、必死の消化活動をし、3時間後ようやく鎮火した。
ほどなくして、七海が遠足から帰ってきた。
「えっ、何これ?なんで?」
「お母さん? お父さんは?」
警察がきた。
「お嬢さん、ここに住んでいるのかい?」
「はい。あの、お父さんとお母さん知りませんか?」
「.....家にいたのかな?」「たぶんそうだと思います」
翌朝、全焼した跡から2人の遺体が見つかっていた。
「うそ、うそでしょ。だって朝までなんでもなかったもん」
その4日後、連続放火魔は逮捕された。39歳無職の男で、会社をクビになり世の中に逆恨みし、縁もゆかりもない家を次々と放火したという。全国にもトップニュースとして数日間流れた。
七海は母方の祖父母に預けられるも、高齢の為、世話ができないとなり、2か月後に光が岡園に預けられることになった。
つづく
◎登場人物紹介
中川さくら/さくちん 158cm あねご
桜井 陽菜/はるはる 175cm 物静かな美人
田原七海/みーなな 166cm 知恵袋
光が岡園で不幸を乗り越えて成長した七海は滝野川大の陸上部で徐々に頭角を現していく。