施設卒園~大学入学
都立小向高校でバスケ部ながらも素質を認められた施設出身の3人(さくら、陽菜、七海)は滝野川大学の陸上部のセレクションに合格し、特待生で入学が決まった。そしていよいよ高校の卒業が迫っていた。
3人には高校の卒業式とは別に光が岡園の卒園式がある。4月に大学に入ると滝野川大の寮で暮らす。
本橋施設長「みんな卒園おめでとう。いつでも遊びにこいよ」
直子「本当に頑張ったわね。あなたたちはよく頑張ってたし鑑だったわ」
本橋「特待生で3人同時に大学入学なんて快挙だよな」
直子「奇跡よね」
さくら「ずっと光が岡にいたかったです、えーーん」
七海「光が岡で暮らしながら大学通えたらよかったのにぃ」
陽菜「みんなと別れたくないですぅ」
本橋「これから希望の人生が待っているぞ。勇気を出していきなさい」
直子「光が岡を実家と思っていいのよ」
さくら「うぅぅぅ」
陽菜「うぇーーん」
七海「やだーー、でたくなーい」
ほどなくして、陽菜と七海は滝野川大の商学部に、さくらは滝野川短大の保育学部に入学し、キャンパス内の寮に暮らし始めた。
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桜満開の4月に3人は入学式を終え、昼食をすませて着替えたあと、陸上部の練習場へ向かった。
藤森「おっーよくきたね。じゃあ、新入生のみんなは1人ずつ自己紹介して」
陽菜「えっ、あっ、今日からお世話..になります。桜井です。よろしくお願い...します」
藤森「声が小さいなぁ。もっと大きな声で。はい、次」
七海「田原七海です。小向高校でバスケやってました。頑張りますのでよろしくお願いしますっ!」
藤森「よしっ、じゃあ次!」
さくら「中川さくらです。桜井と田原と同じ高校です。施設出身です。彼氏はいません」
「えっ、施設?」「なんだ?」
他の部員がザワついた。
藤森「あー、ちょっ、まぁ親のあれだ...それはいいから、みんな仲良くしてやってくれよ」
「じゃあ、早速練習しましょう」
「Jogするから1年の子は私についてきて」
「話しかけられたらちゃんと返事しようね」
.....
陸上部員たちはなにやら話始めた。
「施設って何?」
「知らないの?」
「親がいないんじゃねぇの」
「えーっなんで」
「捨てられたとか?」
「しかもバスケ部って。都立小向って聞いたことねーし」
「ここは大学の陸部だけど」
「特待生らしいぞ」
「フジコーチ、ついに気が狂ったか」
「どんだけ速いか見てやろうぜ」
3人は早くも好奇の目にさらされることになってしまった。
寮に戻った3人は夕食を取りながら今日のことを振りかえっていた。
陽菜「緊張したよね」
さくら「はるはる藤森さんに注意されてたじゃん」
七海「でも、さくちん、なんでいきなり施設の話したの。もっと後で馴染んでからのほうが良かったんじゃない?」
さくら「いや、どうせバレるし、最初にかましたほうがいいと思ってさ」
陽菜「だけど、インパクト強すぎだよー」
さくら「ウチらは見世物だよ。うちらが生き残るには勝つしかない。都立のバスケ部ごときに負けないってみんな思ってるだろうよ」
陽菜「うん、負けられないね」
七海「絶対頑張ろう!」
つづく
施設出身ということで好奇の目にさらされた3人だが、元日本代表スプリンターの藤森がコーチを務める滝野川大学で本格的に陸上を取り組み、成長していく。