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スリーシスターズ  作者: Shane
14/25

モデルデビュー

陸上日本選手権に出場して、走ること以外でもブレイクしてしまった陽菜。

ひょんなことから、巨大なステージに立つことになり、さくらと七海が応援に駆け付ける。

別世界を3人が体験する。


 ある日、滝野川大学の寮にいかにも業界人に見える派手な格好をした一人の男がやってきた。用件は陽菜と話したいという。


「やぁ、君が陽菜ちゃんか。うん、やっぱりかわいいね」

「え?なんですか、いきなり」

「おっと、ごめんごめん。こういう者です」


 男は名刺を渡してきた。


 名刺にはシャイベックスという会社の代表取締役で”ミニマム松村”という名前が書いてあった。テレビ等でもたまに出たりするカリスマプロデューサーの男だった。


「君、モデルやらないかい?うちの事務所でバックアップするよ」

「ええっ?私、モデルなんて、どうしたらいいのかわかりません」

「自然にしていればいいだけだよ。レッスンとかバックアップするよ」

「そんな。急に言われても。いままで考えたこともないですし」

『どうしよう?困ったなぁ』


さくら「はるはる、せっかくだし、やってみたらいいじゃん」

七海「そうだよ、いいバイトになるんじゃないの」

ミニマム「よっしゃー!!。決まりだな」

陽菜「え?は、はい。あっ、でも陸上に影響のない程度で」

ミニマム「OK。もちろんだよ」


 陽菜はミニマムのシャイベックスのグループ事務所に所属することになった。


 スケジュールは陸上優先で、週に2日だけ夜に都内のスタジオでレッスンを受けることになった。


 そしてレッスンを受け始めた。


 毎日厳しいトレーニングをしている陽菜には、モデルのレッスンはあまり苦にはならず、むしろ気分転換となり、陸上にもいい影響がでてきた。ハイヒールを履いて歩くのも新鮮だし、足をクロスして歩いたり、つま先で着地する陸上短距離とは逆でかかとから着地するのも新鮮に感じられた。


 かくして9月のシブヤ・ウィメンズコレクションにモデルとして出演することが急遽決まった。


「ミニマムさん、本当にあの娘だすんですか?」

「おう、みんな注目するだろ。旬な野菜を出すのが一番だ!」

「さすが!!、視点が違いますね」



▽よく晴れた9月某日


シブヤ・ウィメンズコレクション当日。


 友人としてさくらと七海は会場に招待された。

 会場は代々木第一体育館で、超満員。もちろん二人は初めての場所だった。

 会場の中央には大きなステージ(ランウェイ)があった。


さくら「本当にこんなところではるはるがでてくるのかな?」

七海「あり得ないよね。でてこないんじゃないの」」


 会場は一瞬真っ暗にになり、ライトがレーザービームのようにあちこちに動いて、巨大スクリーンに映像が流れ、ド派手な音楽が鳴り始めた。昨年までのドキュメント風のストーリーに、観たことのあるテレビタレントやモデルの映像が次々と映し出される。


 事前に来場者に配布されたペンライトを持ちながら、さくらと七海は息をのんだ。


「来た!」


 最初にでてきたのは有名モデルの川谷公美子。黒いドレスで堂々と歩く姿に会場が圧倒される。


 足をクロスするような独特の歩き方に、七海は心配になり、

「あんな歩き方するんだー。はるはるできるかなー?」

さくら「確かにすごいね。しかも堂々と歩くね」


 ランウェイの端まで着くとさっと振り返り、戻っていった。

七海「カッコいい!さすが公美子さん」


 続いてでてきたのが、テレビでも活躍の富田ヒカル。

 ジャケットを脱いだときに、会場から一段と黄色い歓声が上がった。


 こうして次から次へと名だたるモデルやタレントがでてきて、会場のボルテージは上がりっぱなしだった。


 そして後半になると、長身の陽菜が登場。

さくら「キャー、はるはるー」

七海「かわいいー。ウソでしょ」


 上下デニムでジャケットとミニスカート、中は白生地でイエローのプリントTシャツにサンダルハイヒール。アイシャドウもして、髪も一部ピンクに染めていた。


 元々恵まれた体型はモデルとしても十分見栄えがよく、顔も小さく、目がぱっちりしていて、鼻も日本人の中ではまぁまぁ高い陽菜は、他の一流のモデルと一緒にしても、遜色のない輝きを放っていた。


 顔の表情も硬さはなく、自信に満ちていた。

七海「すごい、あんなはるはる見たことないね」

さくら「相当練習したんだろうね」


 そしてもう一度、キャストが全員一列に並んででてきた。陽菜は先頭から9番目だった。大歓声の中、最後まで臆することなくやり遂げた。


 ショーが終わり、夜遅い時間に陽菜は寮に帰ってきた。

七海「おかえりー。お疲れさま」

さくら「ちょーーーかわいかったよ」

陽菜「ありがとう。すごく疲れた。でも本当、楽しかった」

七海「はるはる、陸上選手で、モデルなんて凄すぎる。二刀流だね」

陽菜「ありがとう。みんなのおかげだよ」


 3人の中で最も大人しく臆病だった陽菜は、世界で戦うには必須である大舞台で物怖じしない度胸を身に着けることができた。


つづく


◎登場人物紹介

桜井 陽菜/はるはる 175cm 物静かな美人

中川さくら/さくちん 158cm あねご

田原七海/みーなな 166cm 知恵袋

ミニマム松村 芸能事務所 シャイベックス代表

寄り道したようで大きなものを得たことで、自信を深めて大舞台へ挑んでいく。

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