パリ五輪 ~ 米国合宿選考
関東インカレで満足のいく結果を出した3人に夏になり、パリ五輪が開幕しテレビで観戦する。秋には米国合宿の話がでてくるが、人数に制限があり、どうなるのか。
2024年 パリ五輪が開幕した。
東京から3年がたち、有観客で従来のような形で開催された。
各種目が盛り上がる中、陸上は強化が実り、以前と比べて全体的に人気も実力も上がってきていた。ただし女子短距離はまだまだで、100mの単独種目の出場者もおらず、4*100mリレーのみとなった。
3人は大学のラウンジでその様子を観戦していた。
藤森「いいか、君たちも次のロス五輪ではでるんだ。しっかりよく見るように。自分が出ると思ってみるんだぞ!」
3人は期待しながらテレビにかじりついて日本代表を応援したが、それもむなしく、予選敗退してあっけなく終わってしまった。
藤森「ロスは100とリレーにでるぞ。リレーは必ず決勝までいくぞ!」
「はい!」
「その為には何が必要か考えなさい。ただ練習しているだけでは無理だぞ!」
「はい!」
「自分の武器を磨け。外国人にも負けないくらいに。パワーで勝てなくても、技術で勝てよ」
「はい!」
3人はすっかりオリンピックを目指す陸上選手になっていて、もはや都立高校のバスケ部員の面影はなくなっていた。
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今シーズンが終了したある日、朝倉と藤森が3人の進捗状況について話をしていた。
朝倉「そうか、3人は順調に成長してるのか。それは嬉しいな」
藤森「ええ。朝さんが学長に話してくれたおかげですよ」
朝倉「いやいや。でもこのペースでは、まだあと何年かかるかわからんな」
藤森「おっしゃるとおりです。ブレイクしないことにはインカレの中で埋もれる程度でして。日本選手権で早く上位に入ってもらわないと五輪は夢で終わってしまいます」
朝倉「ちょっと、秋か冬に何人かアメリカ連れてくか」
藤森「いいですねー。どこにですか」
朝倉「エディさんとことか」
藤森「おおっ、結構なお歳でしたよね。でもコーチしてくれますかね?」
朝倉「わからん、話してみる」
▽数日後
朝倉が藤森に声をかけた。
朝倉「フジ、エディさんがOKくれたよ」
藤森「マジっすか?さすが朝さん。不可能を可能にする男!」
朝倉「ただし、2人だけだ」
藤森「2人?ええ。事情説明して3人になんとかしてもらえないですかね」
朝倉「無理だ。交渉して機嫌損ねたら、もうアウトだ。公平にセレクションして選ぶ。3人娘以外でも才能あればいいと思う」
藤森「厳しい。まぁそうっすよね。チャンスをつかんだヤツが行くべきですね」
▽後日
藤森は米国合宿に参加する候補者をグラウンドに集めた。
「そういうわけでセレクションを行う」
「わっーアメリカかぁ」
「行ってみたいー」
「でっかいステーキが食べたい」
「連れて行くのは2人だけだからな」
藤森は呆れていた。
「絶対選ばれてやるー」
「負けるもんか!」
「100を2回走ってもらって、良い方のタイムで上位2名とする」
参加者は10名いた。2組に分かれて走ることになった。
1 組目に七海、2組目にさくらと陽菜がいた。
・1組目 1回目
「オンユアマーク・セット」パァーン!
60mすぎに七海が先頭に立ち、そのままゴール。11秒5
2組目1回目
「オンユアマーク・セット」パァーン!
さくらがスタートダッシュで先頭に立つも、90mで陽菜が交わして1位。さくらは2位 陽菜11秒6、さくら11秒7
・1組目 2回目
「オンユアマーク・セット」パァーン!
50mすぎに七海が先頭に立ち、そのままゴール。11秒4
・2組目 2回目
「オンユアマーク・セット」パァーン!
さくらがスタートダッシュで先頭に立つも、70mで陽菜が交わして1位。さくらは3位 陽菜11秒5、さくら11秒8
結果 1位 七海11秒4 2位陽菜11秒5 4位さくら11秒7
よって、七海と陽菜のアメリカ行きが決まった。
陽菜「さくちんごめんね」
さくら「なんで謝るの?頑張ってきなよ」
七海「3人で行きたかったなー」
さくらがいる手前、陽菜と七海は喜びを表すのは控えていた。
つづく
◎登場人物
中川さくら/さくちん 158cm あねご
桜井 陽菜/はるはる 175cm 物静かな美人
田原七海/みーなな 166cm 知恵袋
朝倉宣伸 元五輪リレーメダリスト 陸連
藤森健次郎 滝野川大監督 元世界陸上リレーメンバー
3人一緒での渡米が叶わず、静かな雰囲気で時が過ぎてゆく




