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スリーシスターズ  作者: Shane
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夜明け前

プロローグ

2032年ブリスベン五輪陸上女子4*100mリレー決勝。史上初めて決勝に残った日本代表。そのメンバーのうちの3人は晴れ舞台でスタートを切った。


2021年 東京都の公立高校に通う3人の住まいは同じ。部活もバスケ部で汗を流していた。そんなある日のこと、ある人物が声をかけてきた。

2032年9月24日


「日本のみなさんこんばんは。こちら豪州・ブリスベンは昼間はぽかぽかした春の涼しい陽気でしたが、夕方から一気に冷え込んできました。夜空には南十字星がキラリと見えています」


「スタジアムは10万人の超満員です。日の丸の旗を持った日本からのファンもたくさんいます。本日はオリンピックの華、陸上のトラック最終種目であります、女子の4*100mリレーの決勝をお伝えします。32年前の今日、同じ豪州・シドニーで、あの高橋尚子さんが女子マラソンで日本初の金を獲りました」


「注目はなんといっても、五輪史上初めて決勝に進出した日本が悲願のメダルをとれるかでしょう」

「そうですね。前回のロス五輪は準決勝で失格、昨年の世界陸上は惜しくも4位でしたからね。なんとかしてメダルに食い込んでもらいたいです」


「8レーン日本!! 1走 中川さくら 2走 桜井 陽菜 3走 田原七海 4走鈴木 結衣」


「おなじみのメンバー、1走さくらは正確なAIスタート、2走陽菜はTGCに出たモデルと2刀流、3走七海はママさんランナー、アンカー結衣は100mで7位入賞。そして1走から3走の出身は高校から一緒で.....」


「シーーッ!」

「オン・ユア・マーク」

「セット」

 パァーン!!

「がんばれー!! ファイト―!!」

「Common!!」

「スタートしました。先頭は、アメリカか、日本はどうか⁈」

「いいっ、いいですよ!」



 2021年7月 インターハイ・バスケットボール 東京都予選


「リーバウンッ!」

「ディーフェンス!」 

ピピーッツ! 

「ワワーッツ!」


「帝都高校120、小向高校44で、帝都高校の勝ちです」


「ありがとうございました」

「ありがとな。ウチらの分まで絶対インターハイいってな」

「ウン、任しといて」

「ウッ、ウッ」

「はるはる泣くなバカ!」

「だって3年の先輩たちこれで引退だよ」

「そうだけど、ウチらは、来年もあるんだから」


 さくら,陽菜,七海は大の仲良し。さくらは背が低いが筋肉質でしっかりもので、「さくちん」と呼ばれ、陽菜は色白美人で長身で細く「はるはる」と呼ばれ、七海は頭脳明晰で某WEBとかぶせて「みーなな 知恵袋」とよばれていた。


 強豪高校に大敗した練馬区の都立小向高校に通う3人が帰るところは同じところだ。寮ではない。

そう、児童養護施設だ。児童養護施設とは、簡単に言えば、子どもが親から離れて生活するところ。


さくらは6歳の時から

陽菜は9歳の時から

七海は11歳のときから

この施設で育ててもらっていた。3人は東京の光が岡園に暮らしていた。


本橋施設長「頑張ったね。お疲れさん。たくさん食べなよ」

直子「ホント、あなたたちは園の希望よ」

さくら「でも2回戦敗退です」

七海「あんな強いの反則だよ」

陽菜「来年は出たいなぁ、インターハイ」

さくら「もちろん出たいけど、現実的じゃないないよね」

七海「もう、バスケは忘れて、TikTok撮ろうよ」

さくら「だね」

陽菜「さんせー」


 温かいスタッフにも恵まれ、高2の三人は平和に暮らしていた。


つづく



◎登場人物紹介

中川さくら/さくちん 158cm あねご

桜井 陽菜/はるはる 175cm 物静かな美人

田原七海/みーなな 166cm 知恵袋

本橋 光が岡園施設長

直子 光が岡園職員


バスケに青春をかける3人だが、突き抜ける気配はない。平凡だが楽しく暮らす3人にある時変化が。

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