【魔人クロードSIDE】魔人クロード、手下を呼び出す
そこは薄暗い洞窟での事であった。クロードは魔石を使用し、膨大な力を得た。そして人間を捨て、魔人へと変化したのであった。
「クックック……力が、力が漲ってくるぜ。今の俺なら何でも出来そうな気分だ」
魔人となったクロードはその絶大な力に酔い痴れていた。当然のようにその力の矛先が良い方向に向かうはずもない。凶器の刃は罪なき人々へと向かっていくのであった。
「フィルドの野郎が今どこにいるのかはわからねぇけど……まあいい。適当に暴れてればそのうちに姿を現すだろうぜ。何より、俺は今、猛烈にこの力を振るいたい気分なんだ」
力を手に入れたクロードはその力を試してみたくなった。絶大的な力を手に入れた時、優位性を手に入れた時、人はどこまでも残虐になれるものだ。それは子供が蟻を見て踏みつぶすかのようなもので、恐らくは人間に潜んでいる本能的なものなのであろう。
「……出でよ。この俺様の忠実な僕」
魔人となったクロードはその膨大な魔力を利用し、四体の忠実な僕を作り出した。
上級悪魔だ。人間を遥かに超越した悪しき存在。悪魔。その中でも更なる力を秘めているのが上級悪魔である。
呼び出された四体の上級悪魔はクロードにかしずく。
『お呼びですか? 我が主クロード様』
『我々にどのようなご命令を』
上級悪魔達は尋ねてくる。
「そうだな……これからお前達には暴れまわって貰おうか」
『暴れ回る?』
『それは我々にとって得意分野でございます』
『ですが、具体的にどこを襲撃するのです』
「人間の都。王都アルテアだ……そこを襲撃しろ」
『『『『はっ!』』』』』
「ただ、注意事項がある。フィルドって糞ガキ、それからルナシスとイルミナっていう、女だ。この三人は殺さずに生け捕りにしろ。こいつ等には何かと恨みがあるんだ。あっさりと殺しちまうんじゃ俺の気が済まねぇ」
クロードは舌なめずりをした。その不気味な眼が怪しく光る。
「あのフィルドの目の前でルナシスとイルミナを徹底して嬲ってやる。それで二人を犯しつくし、嬲り殺しにした後、自身の無力さを痛いほど思い知らせた後。あのフィルドの野郎を痛めつけて、生まれていた事を後悔させて、それで殺してやるんだ」
クロードは心底恨みの籠った声で言うのであった。
『了解しました。クロード様』
『では……そのフィルド、ルナシス、イルミナの三名に限っては生け捕りにするように注意致します』
『それ以外の人間に関しては皆殺しという事で』
ニヤリ、と上級悪魔は笑った。
「ああ……それで構わなねぇ……それじゃあ、早速行ってこい。それで王都アルテアで大暴れをしてこい」
クロードは上級悪魔達に命じた。
『『『『はっ! クロード様! 必ずやあなた様のお力となります』』』』
こうして、四体の上級悪魔が王都アルテアへと向かうのであった。
そして、王都アルテアでの騒動はすぐに広がっていく。ドワーフの国にいるフィルド達のところまで、その情報が伝わるのは一瞬の事であった。
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勇者召喚に巻き込まれたモブキャラの俺。女神の手違いで勇者が貰うはずのチートスキルを全部貰っていた。気づいたらモブの俺が世界を救っちゃってました。
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