氷結竜から素材を手に入れる
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
氷結竜の叫び声が氷結地獄一帯に響き渡る。
「ほ、ほんとうるさいのよっ!」
セリスは耳を塞ぐ。
「下がっていろ!! セリス」
俺はエクスカリバーを引き抜く。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ルナシスは剣を振り下ろす。キィン!! ドラゴンの皮膚は堅い。その為、ルナシスの剣を持ってしてでも簡単に弾かれてしまう。有効なダメージを与えられない。
「くっ。堅いですね」
「フレイムアロー!」
イルミナは炎系魔法を唱える。紅蓮の炎が矢の形となり、フロストドラゴンに襲いかかる。
しかし。
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
フロストドラゴンは大きく口を開けた。凍てつくようなブレスがフレイムアローを一瞬にして凍り付かせた。
「「きゃっ!!!」」
そしてその氷の息吹はルナシスとイルミナの身体も凍り付かせる。
「あ、足がっ!」
「くっ、このっ!」
足が凍り付き、動けなくなったようだ。敏捷性が大きく下がる。
「な、何してるのよっ! しっかりなさいよっ!! あ、あてっ!! あのドラゴンに食べられちゃうじゃないの!!」
何も出来ないくせに偉そうだな、セリスは。いや、何もできないからこそ偉そうなのか。よくそういう人間は存在していた。
「仕方が無い」
俺は剣を構える。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
俺は斬り掛かる。そしてポキリ、と牙が折れる。氷結竜の牙が地面に落ちた。
「セリス、集める素材は氷結竜の牙だけでいいんだよな」
「え、ええ。そうよ。氷結竜の牙があれば伝説級の武器は作れるわよ」
「だそうだ。まだやるか?」
俺はドラゴンを睨み付ける。ドラゴンは馬鹿ではない。巨大な体躯ではあるが、知能は高い。愚かな人間などよりも余程。
グウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!
氷結竜は唸ると、ドスン!!! ドスン!!! ドスン!!! と大きな足音を立てて、どこかへと去って行った。
「逃げていきましたね。ほっ」
「ほっ」
イルミナとルナシスは大きな溜息をついた。
「はあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
セリスは大きな溜息をついた。もの凄く長い。
「ふんっ。あの程度大した事ないわよ。何を怖がってるのかしら」
そして気を取り直したようにつん、とした態度を取った。
「いま凄い長い溜息聞こえたよな。もの凄いっ!」
「聞き間違えなのよ。この極寒の大地が齎す幻聴効果」
「そ、そうか。幻聴か」
とてもそうは思えなかったが。
「そ、それよりもさっさとその牙を拾ってアイテムポーチにしまいなさい」
「全力で話題を逸らしにきたな」
まあいいが。そんな事、俺は氷結竜の牙を拾った。
アイテム『氷結竜の牙』を手に入れた。
「これで後は南の大地に行って、世界樹の大樹に登るだけなのよ!! そこで世界樹の結晶を手に入れるのよ!!」
セリスはそう指し示した。
「世界樹の大樹か」
氷結地獄で目的を達成した俺達は次なる目的地である世界樹の大樹を目指した。
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