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商人アルデヒドの聞き込み調査

それから俺達は王都アルテアで商人アルデヒドの聞き込み調査を行った。


「アルデヒドさんかい?」


 俺は近くの住民に話を伺った。


「はい。アルデヒドさんが普段いつ、何時ころ仕入れに向かうのかを知りたいんです」


「アルデヒドさんだったら……そうだなぁ。確か毎週月曜日だったかなぁ」


 男は思い出している様子だ。


「月曜日の何時頃ですか?」


「あれはそうだな。早朝の事だったよ。随分急いでいる様子だったね。まるで誰かに見られるのを恐れているようだ。朝ふと目が覚めて、それから窓のカーテンを開けるとそこにアルデヒドさんの姿があったんだ。馬車を連れて出かけて行ったよ」


「いつも大体、その出発時間は決まっていますか?」


「うん……そうだねぇ。決まっているね」


「ありがとうございます!」


 こうして俺はアルデヒドの行動パターンを知った。


 ◇


 俺達は酒場で会議を始める。


「まずアルデヒドの行動パターンだ。アルデヒドは月曜日の早朝に仕入れに向かっている。恐らくは闇市場で仕入れをしているのだと思う」


「やはりアルデヒドさんは闇市場で仕入れをしているのですか?」


「確定ではない。ただ疑わしいだけだ。恐らくはそこで商品を安値で仕入れているんだ。そしてそれは盗賊と繋がっている。クロードとも繋がっている事だろう」


 捕まえた盗賊たちを締め上げても肝心のクロードに関する情報が入ってこなかった。奴はレベルが下がってもそれでもかつては大手ギルドのオーナーだった男だ。

 その知略だけは侮れなかった。奴は末端の盗賊をいつでも切れるように、肝心の居所などは教えずに、巧みに操っているのだ。恐らくはクロードを大本として中間の指示役の盗賊を設ける。そしてその中間の盗賊が末端の盗賊に指示をする。


 だから末端の盗賊を締め上げてもまともな情報は出てこない。そんなところであった。


 だからクロードまでたどり着くにはもっと確信的な情報が必要だったのだ。


 その情報は闇市場にある。俺はそう確信していた。


「ちょうど明日が月曜日だ。そして今までの行動パターンからするとアルデヒドは仕入れに行く。恐らくはその場所が闇市場だ。俺達は気づかれないように尾行をする」


「「はい!」」


「そういうわけだ……というわけで今日は休んで尾行をするぞ」


「「はい!」」


 俺達は食事をしていた。そんな時だった。幾人かのドワーフ達が酒場でてんやわんやの騒ぎをしていた。


「あそれ! 一気!! 一気!!」


「ぷはああああああああああああああああああああああああああああああっ!」


「セリス姫っ!! 見事な飲みっぷりですぞっ!」


「あてを舐めるんじゃないわよ!! 身体は小さくても年は立派なレディなんだから!! ひっく!!」


「わしらも負けておれませんぞ。うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! 一気飲みですぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


「お、お客様、飲まれ過ぎでは。それに他のお客様の迷惑に」


「うるさいかしら!! あて達は客なのよ!! 客!! ひっく!!」


 ドワーフ達がうるさかった。俺は頭を抱える。尾行ならせめてバレないようにしてくれ。頭が痛くなる。


「フィルド様、あれはいったい」


「セリス姫とドワーフ兵ですよね」


 ルナシスもイルミナも顔を顰めた。


「放っておけ……邪魔になりそうなら何とか追跡を巻くか帰ってもらおう」


 俺はセリスの行動に頭を抱えつつ、明日の尾行へと備えた。




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