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【追放者サイド】 北の山岳地帯に暗殺部隊到着する

 長い時間をかけて北の山脈にクロード達はたどり着く。クロードとドロシー及びトップギルド『栄光の光』のギルド員数名で構成されたフィルドを亡き者にするための暗殺部隊である。


 考えた末にクロード達はフィルドを待ち望んでいる剣聖ルナシスに対して、フィルドを亡き者にして有耶無耶にするという強引な作戦に出たのだ。まさしく死人に口なし、にしようとしているのである。


「ぜぇ、はぁ」


「ぜぇ、ぜぇ、はぁ」


 皆、息を切らしていた。肩で息をしていた。


「おかしいわね。私達ってこんなに体力なかったかしら?」


「だ、だよな。なんかえらく疲れているもんな。他のギルド員も」


 クロードとドロシーは疑問に思った。以前よりも異様なほど疲れやすくなっているのだ。まるで体力が低下したような。


 それは他のギルド員も同様であった。皆山岳地帯へ向かっているというだけで疲れて果てている様子だ。


「ん? なんだ? あれは?」


「人が集まってるみたいね」


「どうやら商人のようだな」


「ええ」


「話を聞いてみましょう」


 クロード達は商人の人々に話しかけてみる事にした。


「おい! おっさん達!」


「ん? なんだ? お前ら」


「おっさん達はなんだ? 商人か?」


「商人だが、それがどうした?」


「なんで集まって突っ立ってるんだよ? この先の街道には行けないのか?」


「あ、ああっ。何でもこの先にドラゴンが現れたらしいんだ。それで今この先は危険だから封鎖されてて行けないんだ」


「ドラゴン?」


「じゃあ、フィルドの奴は引き返したのかしら? どこかですれ違って見逃した?」


 ドロシーが訝しむ。


「おいおっさん達、フィルドって男を見なかったか?」


「フィルド? 誰だ? そいつは?」


「もしかしてさっきの彼じゃないか? 元『栄光の光』のギルド員だったとかいう」


「そう! そいつだっ! 間違いない! そいつがフィルドだ! そいつはどこにいった?」


「彼ならこの先へ進んでいったよ。何でもドラゴンを倒してくるとかで」


「くっくっくっく!」


「あっはっはっはっは!! あっはっはっはっは!! あっはっはっはっはっはっは!!」


 クロードとドロシーは大爆笑していた。


「あのフィルドがドラゴンを倒すだって!? あの雑魚経験値付与者(ポイントギフター)が!」


「ふふっ! ちゃんちゃらおかしいとはまさにこのことね!」


「さ、さっきからなんなんだあんたたちは!? 人を小馬鹿にしたような態度をとってきて! あまりにも失礼じゃないかね!?」


「ああ。名乗り遅れたな。俺達は現トップギルドのギルド役員。俺はギルドオーナーのクロード様だっ!」


「そして私が役員の一人、大魔導士ドロシー様よ」


「な、なんなんだこいつ等、偉そうに!」


「大体、本物なのか!? さっきの少年の方が余程強そうだったじゃねぇか!」


「偽物じゃないのか!?」


「なんだと!?」


「なんですって!? 偽物ですって!? 良い事を思いついたわ。クロード。この商人たちを人質にしていきましょう」


「人質!?」


「念には念よ。フィルド相手に人質を使う必要はないかもしれないけど、いたらいたで万が一の備えになる」


「な、なにをするつもりだ!」


「うわっ!」


「良いから大人しく縛られて、私達に付いてきなさい」


「や、やめろ!」


「は、放せ!」


「黙ってろっ! 暴れるなっ!」


 手下であるギルド員は商人の両手を縛り始める。こうしてクロード達は商人を人質としたのであった。


「よし。じゃあ行くぞ。この先の街道へ」


「「「「はい!」」」」


「は、放せ! このっ!」


「うるさいわねぇ。布かなんかで口をふさいでおきなさい」


「「「「はい!」」」」


「やめろっ! んーっ! ぐうっーー!」


「ほら暴れるな」


 ギルド員たちは人質にした商人の口を布で塞ぎ、声が出ないようにした。そして引き続き、フィルドが向かったとされる街道を進む。この先にドラゴンがいる事は勿論承知の上ではあったが、彼等は自分が依然として強者である事を疑っていなかったので、臆する様子は微塵もなかった。



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