【追放者サイド】クロード爆風に吹き飛ばされ、致命傷を負う
「な、なんだっ! あの光はっ!」
バハムートを召喚し、その後の後始末など何一つ責任を取らず、クロードは逃げ出していた。
そして何とか王都を抜け出し、どこかへ逃げ延びれるかというところだった。幸い、クロードの捜索をしていた警備兵たちは突如現れたバハムート及びパニックになった住民の対応に追われ、正直クロードどころではなくなっていたため。
そんな時の事だった。
王都アルテアから膨大な光が天空へと伸びて行った。
「な、なんだっ!? なんなんだっ!? あの光はっ!?」
クロードは大慌てした。だが、できる事などひとつもない。
そして、突如発生した爆風に吹き飛ばされた。恐らくはあの光と関係しているに違いない。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
クロードは近くの大木に頭をぶつけた。頭からは鮮血が流れる。
だが、何とかクロードは一命を取り留めた。
「ち、ちくしょう! これも全部、フィルドのせいだっ! あのくそ野郎!!」
何とか地面に這いつくばりつつ、それでもフィルドに対する恨みは忘れていなかった。
「ぜ、ぜってぇ、やり返してやる。仮にあいつが生きていたとしても、絶対に俺が恨みを晴らしてやる。栄光の光がつぶれたのも、俺が役員連中を殺さなきゃいけなかったのも、全部あいつのせいだ。フィルドが悪いんだ」
身勝手な恨みを抱きつつ、クロードはフィルドに対する復讐を諦めてはいなかった。
「ぜ、絶対にやり返してやる。どんな事をしてでも必ず」
レベルもギルドも仲間も失い、それでもクロードは地べたを這いつくばり。
フィルドに対する恨みを果たそうとしていた。身勝手な動機ではあるがそのエネルギーの膨大さだけは実に見事であった。