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フィルドの答え

「待ってくれ! フィルド君!」


「ん?」


 俺はレナードに呼び止められた。


「さっきの勧誘の件だ」


「勧誘ですか!?」


「ああ。君の力が必要なんだ!! さっきの闘いを見て余計に確信を持った。君の力は我々『白銀の刃』に必要なんだっ! 君の望むものは何でも実現させよう! 金でも地位でも名誉でも! 欲しいものは何でも渡す事を僕が誓う!!」


 レナードは頭すら下げてきた。


「だからお願いだ!! フィルド君、僕たち『白銀の刃』に加入し、ギルドを世界一にしてくれ!! そして君の力でより良い方向に世界を変革していってくれ!! 君の力があれば僕はきっと理想を実現できるはずだ!!」


 レナードが熱烈に俺を勧誘してきた。『栄光の光』と入れ替わりになり『白銀の刃』は王国内トップギルドになっていた。


 ましてやそのギルドオーナーであり、聖騎士(パラディン)として世界的な実力者である。


 あのレナード・レオナールからこうまで熱烈に勧誘を受けて、正直に言えば悪い気持ちはしなかった。


 心が揺れそうにもなった。だけど俺の答えはもう決まっていた。


「言葉は嬉しいですがレナードさん、俺はそのお誘いを受けれません」


「そうか……残念だ。だけどもしよかったらその理由を教えてくれないか?」


 大人しくレナードは引き下がる。


「俺は自由になりたいんです。もっと広い世界、色々な世界を見て回りたい。もっとやりたい事があるんです。ギルドに縛られる生活はもうコリゴリなんです」


 俺は告げると、レナードは納得したかのように笑みを浮かべた。


「わかったよ。けどもしやりたい事をやり終えて、見たい世界を見終わったら是非、うちに入る事を検討してはくれないか?」


「はい。わかりました。その時が来ましたら是非検討させて貰います」


「その時が来る事を祈っているよ。僕はこれからまた用があるんだ。そろそろ失礼するよ。それじゃあ、君たちの今後の幸運を祈っているよ」


 レナードは俺達の元を去って行った。


「思っていたよりあっさりと引き下がりましたね」


「俺の心がぶれないって事を理解したんだろうな」


「それよりフィルド様、エルフの国へ向かいましょうか」


「ああ。向かおうか」


 俺達はエルフの国へと向かった。こうして王都アルテアを襲撃した大きな混乱は一応の治まりを見せたのである。


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