エルフの国を出て外の世界へ
今日だけタイトル更新などの関係で早めに公開させてもらいます
真夜中とも早朝ともとれぬ、そんな日が変わってさほど経ってもいないような時間帯。
俺は置手紙ひとつを残し、エルフ城を旅立った。
「はぁ……はぁ……はぁ」
俺はエルフ城を出て、霧の迷宮に差し掛かろうとした。しかし、俺はそこで思いがけない人物達に遭遇する事となる。
「お、お前達は……」
「フィルド様、どこへ向かおうとしているのですか?」
「そうですそうです。私達に何の断りもなく」
ルナシスとイルミナだった。二人とも準備は万端だった。ルナシスは腰に剣を携えているし。イルミナはやはり魔力が高いからか、魔術師系の装備をしていた。
ローブにスタッフを装備している。
「お、お前ら、どうして……」
「フィルド様の性格なんて、私にはお見通しです。私達との結婚、つまりはエルフ国に縛り付けられる事を嫌ったフィルド様は、いち早く出て行こうとするはず」
「ですから私達はいち早く、国の出口でフィルド様を待っていればいいのです」
「どうするんだ? 俺を止めるつもりか?」
「いえ、そんな事はしません」
「付いてくるつもりか?」
「はい! 勿論、その通りです!」
ルナシスは笑顔で答える。
「どうしてついてくる?」
「それは勿論、フィルド様と一緒にいたいからです」
「私も同じ気持ちです」
「ついてくるなと言ったら?」
「それでもついていきます!!」
「私もです!!」
全く、やはり姉妹だ。根っこの性格がよく似ていやがる。まあいい。
「好きにしろ……ちょうど迷いの迷宮を抜けるにはどうすればいいか悩んでいたところだ」
「わかりました。道案内でもなんでも致します」
「私、外の世界って生まれて初めて行くんです!! どんなものがあるのか、どんな人達がいるのか、楽しみです!!」
「けどな、お前達、エルフの耳は目立つぞ。外の世界にはエルフは基本的にいないのだから」
「それなら簡単です。イルミナ、魔道具をつけますよ」
「はい。お姉様」
二人はイヤリングをつける。視覚を誤魔化すイヤリングだ。外の世界にいた時にルナシスが身に着けていたもの。
尖った耳が人間のような、普通の耳になる。
「これで問題ありません!!」
「そうか……まあ、別にどうでもいい。付いてくるなら勝手にしろ」
「はい!! 勝手にします!!」
「ったく……」
一人で気ままな冒険ライフの予定が。大分狂ってしまった。
「フィルド様……どこに行かれるんですか?」
「特に何も決まってはない。逆にお前達はどこか行きたいところとかあるのか?」
「私は人間の世界を見てみたいです!」
イルミナが主張してくる。
「人間の世界!?」
「はい!! 私ずっとエルフの国で生活をしていて、人間の世界を見た事がなかったのですから。フィルド様がどんなところで生活していたのか、気になるんです!
!」
「そうか……まあ、じゃあ人間の国へ向かうか」
王都アルテアに戻るか。次の目的地をどこにするか、そこでしばらく考える事としよう。
「わーい! 楽しみです!!」
イルミナは目を輝かせる。きっとずっとエルフの国にいたのだから全てが新鮮で輝いて見えるに違いない。
「それじゃあ、向かうか。王都アルテアに」
「「はーい!!」」
こうして俺は否応なく、ルナシスとイルミナと行動を共にさせられる。一人は寂しが気楽だ、だが誰かといると寂しくはないが、煩わしい。
何事も適度な距離感が必要である。人間とは何とも面倒くさい生き物ではある。
だが、それを差し置いても俺は一人でいたいのになぁ。そう思っていた。
俺達は霧の迷宮を抜け、深緑の森を抜けて、そして王都アルテアへと向かった。
しかし俺達は――特に俺にとっては思いもしない人物とその後遭遇する事になるのである。
この話で章が完結という形になりました!
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