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秋の夜長  作者: ジャック・ジン
6/6

へんてこりんのはぐらかし


「あのね」


「ん?」


「風邪・・・ひいてて、しばらく、ドキマギしてしまうかもしれないよ」


「なんてへんてこりんなことを言うのかしら?風邪でドギマギ?」


「へんてこりんねぇ」


「うん。あの・・・言葉が見つからなかったんだよ」


「様子が変だってこと?」


「ああっ・・・ああ。うん。そう」


「しょうがないわ。昨日の今日だもの」


 祖母の言葉に、背中に力が入った。


「僕・・・二階にいきまぁーす」


 祖母が僕を見た。


「なんだか、へんてこりんねぇ?」


 僕は、はにかんで笑って見せた。


「うん。なんだか・・・へんてこりんだよ」



 そして秋休みまで、僕は自然をふるまって祖母の家にいた。


 翌年から、なんやかんやと、特に風邪のふりをして祖母の家には行ってない。



 そして・・・



 僕はあの手書きの本を誰が書いたのか、いまだに知らない。


 あの本の話を、誰かにしたことも、ない。



 きっと祖母が亡くなるまでは、誰にも言わないのだと思う。





 《終わり》

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