私と誰かのなぜかの死体
走って、走って、なんだかこの書き手の女の子のことが心配になってきた。
とりあえず、思い当たる場所について、枝に結んである布切れを探す。
「あ」
そこには、色あせたピンクの切れ端が縛られた枝。
そこで慌てて、本をめくった。
【 あなたはきっと、来てしまう・・・
そして、お願いがあるの。
わたしは、今、うしろにいるひとに、きっと
殺されるわ。
この切れ端を結んだ木の下の死体と一緒にうめられる。
そこまで未来を見たの。
殺される。
きっと わたしは 殺される
あなたの
おばぁちゃんに
それを、みんなに、話して? 】
僕はびっくり仰天して、そこらにあるなるべくとんがった石で、木の根元を掘り始めた。
気づいたら、夜だった。
いつの間にか空模様は変わって来ている。
夢中で土を掘って、そしてごつん、と何か白いものにいきついた。
その時にはもう、夜、と呼べる時間だったはずだ。
僕は、それの周りを掘ってみて、暗い中、そこをまじまじと見つめた。
人間の、頭がい骨が、二人分あった。
僕は唖然として、そしてしばらくして叫んだ。
「もうひとりはっ?誰なのっ?」
発狂した僕は、本をひったくるようにして抱きしめて、そして家に向かって走り出した。
祖母と両親の待つ家に。
そして、最後のページを思い出した。
そしてその時、雨がぽつりぽつりと降り出した。
そしてさぁさぁと降り出す中、僕は本を抱えて家に戻った。