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006 初体験

006 初体験



「高級な奴隷も見てみますか?」


という奴隷商人のはからい。


俺が優良顧客だと感じたらしい。

お金は持ってなくても、商売がスムーズに行くのは大事だし、当たり障りが良いというのは大事なポイントだ。


高級奴隷を見せればもっと頑張るんじゃないかという考えだろうか。

多分頑張ると思うけど。




ゴージャスだ。

なんというか…… ゴージャスとしか言えない。

ゴージャスな顔の奴隷だった。


体型は太っているわけではなく、女性らしい丸みを帯びた…… と表現されるものだろう。

骨がゴツゴツしてない。

このレベルだと俺が肌を見る事なんてできない。

だが、服装も綺麗な服を来ていて、服の上からでも乳や尻がすごい。ダイナマイッ!!


「高級商館と契約が決まっている奴隷です」


との事。

納得した。


表情も柔らかい。

多分、良い扱いを受けているんだろう。


奴隷に堕ちても生まれの差、元々もっているものの差はデカイんだな……

世知辛い。



悔しいが、奴隷商人が期待したであろう効果は確かにあった。

頑張ろう! と、そう思った。





さらに3ヶ月頑張った。

奴隷の残り代金は2ヶ月で稼げたが、奴隷を買って終わりじゃない、奴隷を買った後の事もある。

奴隷を買って最初のうちは慣れず、稼ぐ事ができないかもしれない。

予約期間の3ヶ月をフルに使ってお金を稼いだ。



高級奴隷の衝撃はでかかったが、ああいう奴隷を買おうと思ったわけではない。

ただ、気分が高揚して頑張った。



美人は三日で飽きる。

というのは嘘だ。

顔だけの人間なたら確かに三日で飽きる可能性はあるが。


脳の状態をみると、美人、その人の好みの女性と一緒にいると快楽物質、または安定物質が出ているのがわかっている。


酷い話になると、目が見えない状態で付き合っていた相手に対し、目が見える様になると別れを宣告する例もある。

「なんか、思ってたのと違う」そうだ。


悲しい事に、見た目は重要なのである。


毎日使う…… もとい、毎日目にするものだからこそ、よっぽどの美人とは言わないが、不快ではない顔、望むのなら少しでも気分が良くなる顔がいい。


性格が加味されない分、性奴隷などはその辺がダイレクトに反映される。


高級奴隷は確かに俺が見ても美女だったが、やはり体型が好みではなかった。

人それぞれ。

大量にお金を持っている人の好みの奴隷が高い値段を付けられるというのは利に叶っている。


俺こういう趣味で良かった。




奴隷商館で、奴隷を購入した。

書類等、そして、首輪の更新が行われた。


俺は先に買ってきてあったローブを彼女に掛けた。


「よろしければ、次の奴隷もうちでお願いしますよ」

と、奴隷商人はニコニコしている。


…… んん? もしかして俺、ふっかけられてたんだろうか?

高級奴隷を見たので、この子が売れ筋とは全然違うのが今ならわかる。こんなに可愛いのに。


……まぁいいや。

もう俺のものだし。


「あ、お客様、本日エルフの奴隷を仕入れております。ご覧になりますか?」


今日も高級奴隷を見せてくれるらしい。




エルフ奴隷は好みでした。

細身で手足が長く、普通に俺より身長高い。

これでふくよかだとさらに値打ちが上がるらしい。

そもそもエルフは細身の種族なため、希少価値がさらに高くなる。

そんなわけで、このエルフ奴隷も現在この奴隷商館で太らされている最中。もったいない。


奴隷商人のエルフ自慢が延々と続く中、俺は感心していた。

なんというか、このエルフ、女性で細身ではあるものの、やたらしなやかそうな体をしている。

ワンピースの様なものを着ているが、袖から覗く腕や足は、しゅっとした筋肉に覆われている。

皮下脂肪が少ないだけではない、筋肉自体が筋繊維が多そうな感じなのだ。


すげぇな。


こういうの仲間にいたらもっと稼げそう。

いいなぁ。


エルフとか仲間になってくれないかなぁ。

それとも、このエルフが特殊な例なんだろうか?

このエルフだけがこんないい体?


こいつ仲間になってくれないかなぁ。



パキンと、金属が折れた様な音が響いた。

奴隷商人がハッと黙り、部屋にいた二人の警備員が、エルフを押し倒し、床に押さえつける。


床には砕けた首輪のカケラが転がっていた。


「まったく…… 最近は首輪の不良品が多くて困りますよ」

奴隷商人は首輪のかけらを拾い上げて、

「だいぶ劣化しています。ずっとそのままでしたからね。大丈夫ですよ、お客様の奴隷のものは付け替えた新品ですので」

俺の表情を見て、奴隷商人がフォローしてくれた。


が、そういう事じゃない。


別の警備員がすぐに新しい首輪を持ってきた。

既にこの奴隷商人が主人となる契約が付与されている首輪だ。

これをエルフに嵌め直そうとしたのだが、

「あ、あれ?」

と警備員が困っている。

「なにをしているんですか。早くしなさい。あ、ほらほら、ちゃんと口も塞いで。詠唱されるとまずいですからね」

エルフは魔法が使えるらしい。

いや、そんな事より、

「それが、首輪が固定できないんですよ」

と警備員。


…… 感覚はあった。

確かにあった。

テイムを使った感覚が。


やばいやばいやばいやばいやばい!!!!

テイム解除! テイム解除だよ!!


「あれ? ちゃんと固定できました」


無事、エルフは再拘束された。



転生して半年以上過ぎた今、俺のテイムは初成功した。







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