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碧藍のプロミネンス  作者: 切由 まう
12/42

【〝オーナー〟】

<登場人物等>


〇ニグライン・レイテッド……太陽系近衛艦隊および太陽系近郊宙域統括軍総司令官

〇ファル・ラリマール・(オオトリ)……太陽系近衛艦隊総隊長


[近衛艦隊8大将官]

〇クルス・ベリル中将……諜報治安部隊隊長

〇ユーレック・カルセドニー少将……特殊能力部隊隊長

〇デン・ドリテック少将……陸上戦闘部隊隊長

〇リーシア・テラローザ少将……後方支援部隊隊長

〇ラン・マーシュローズ准将……第一宙空艇部隊『バリュウス』隊長

〇アウィン・バーント准将……第二宙空艇部隊『クサントゥス』隊長

(ホタル)・クラーレット准将……IT支援部隊隊長

〇オーランド・スマルト准将……メカニカル・サポート部隊隊長


(コウ)・グリーゼ中尉……凰の副官

〇クラック(オウムフィッシュ)……近衛艦隊司令官室長(チーフ・オフィサー)

〇ジュレイス・リトゥプス……太陽系近郊宙域統括軍長官

〇ネリネ・エルーシャ……カフェ・セラフィーナのウェイトレス

〇アサギ……第一宙空艇部隊のパイロット

〇ディル・エルブ中佐……後方支援部隊副隊長

〇ランディ・リューデス少佐……陸上戦闘部隊・第一中隊隊長


〇ツカイ……薬や洗脳によって思考を支配された者

〇モグリ……本人が知らぬ内にツカイにされた者

〇オーナー……ツカイを使役する者


〇アキレウス……宙空艇部隊の戦闘艇

〇キーロン……陸上戦闘部隊の重装甲機

〇ファルコンズ・アイ……凰専用の戦闘艇


※DL:ディビジョン・リーダー

         ◇


 時間(とき)の流れさえ止まっているような静寂に包まれているグランディス・コンピュータ・ルームを〝Eternal(エターナル) The() Sun(サン)〟が穏やかな光で照らす。これほどまでに豊かさをもたらす人工物は天の川銀河において他に類を見ない。太陽系人だけではなく遠くの地球型人類すらも求めて止まない『人造恒星・ETS』。その秘められた〝コア〟は一人の人間の──ニグライン・レイテッドの〝脳〟だったのだ。月に来る前、歓楽街で襲われたニグラインを助ける際に凰が感じた違和感……あれは抱き上げたとき腕に乗せた頭部が〝脳がない〟事で異様に軽かったためだと分かった。


「ボクの肉体はある程度の損傷を負うと自動的に粒子化され一番近い再生成カプセルに時空間転送される。だから、誰にもボクを滅ぼせない──ボク自身の意思以外では」

 肉体を持って地上に存在する限り、ニグライン・レイテッドはETSを輝き続けさせるだろう。そのために学者たちは複数のオリジナルを作り、分散したのだ。万が一に第一のニグラインが何かによって再生成されずに消えたときは第二のニグラインに、第二のニグラインが消えれば第三と取り替えればいい、と。ただしオリジナルの脳幹が失われた場合に不具合なく繋げられるのかは不明であるが。

 だが、オリジナルたちが〝一人に戻りたい〟と思うのも至極自然だ。それも、それぞれ自身がしゅとして。しかしETSの動力を知るのは、現在主であるニグラインのみだ。他のオリジナルが事実を知らずに、ただ主となりたいがためにETSを手中に収めようとする輩と手を組む可能性もある。主となってしまえば、どのような相手であっても逆らえぬと信じて。そしてETSを欲する者は〝コアの持ち主〟さえいなくなればETSを我が物に出来ると思っているに違いない。全ての肉体を滅ぼしニグライン・レイテッドが〝人〟として存在しなくなり、ETSの中に〝意思〟だけが残るとあればETSが永遠に輝き続けるのは不可能という考えにも至らずに。数千年数万年数億年の時を独りで過ごすなど、誰が出来ようか。

「レイテッド……司令……」

 凰に向けられた哀しい、哀しい微笑みがニグラインの悲哀を物語る。人であったニグライン・レイテッドは千年以上も前に切り刻まれた。あれは人としての死だったはずだ。身体を切り刻まれ臓器を非情に使われ、その様を首だけで見ていたニグライン──それだけでは終わらず脳を抜き取られ人造恒星のパーツにされ……人類は恨まれても致し方がないだろう。例えそれに関与していなくとも。

 犠牲なくして科学は進歩しない。人類のためだ──と大義名分を掲げ、確かに人類は科学的に進化して来た。人類が生きやすくなって人口が増え続けた時代には系外惑星への移住や、地球を含む惑星や衛星に大気コントロールシステムを組み込む事に成功して繁栄して来たが、豊かさを取り戻す度に太陽系内だけではなく系外からも侵略を目的とした戦争が起こり、軍人だけではなく民間人も戦火にまかれ人口は激減した。今や太陽系も最大人口時の30%ほどになって落ち着いている。戦争をするにしても進んだ科学力のおかげで兵士も少なく済み戦死者もそれに伴う。だが、一人でも犠牲者を減らすためにと太陽系の防御体勢を強固なものにしたのは、太陽系のために千年以上の長きに渡り人柱であり続けているニグラインなのだ。

「でも、どうしてもボクは太陽系を守りたい。惑星も衛星たちも、生命も。系内で生まれ出でた、すべてのものを」

 ETSを見つめるニグラインの瞳が僅かにぬるんだ。『太陽の意思』なのだろうか……自分を生け贄にした、恨んでも恨み足りないはずの人類すらもニグラインにとっては愛するべき存在だった。

「もちろん、キミのこともだ。ラリマール」

 そう言ったニグライン・レイテッドの笑顔の眩しさはまさに『太陽』の光であった。このような話を聞いた後だというのに心に暖かさを感じた凰は己を恥じる。自分がどれ程小さな存在であるかを思い知らされたのだ。

「……では、司令がこれから会いに行く相手というのは」

 凰は渇き切った喉から無理矢理声を絞り出す。あまりにも想像からかけ離れている話であったがむしろ納得がいく。幼い外見にそぐわない能力、太陽系への絶対的な感情。百年生きたとしても自分には理解出来ないだろうと思える道を、ニグラインは歩んで来たのだ。凰の様子で話を受け入れられた事を確認したニグラインは、静かに瞳を閉じると感覚を確かめるように胸に手を当てた。

「今回は『肺』じゃないかなぁ。時々、苦しさが伝わって来るんだよ……精神も肉体も、もう限界みたいだね」

 哀れみは感じず〝人間らしい〟脆弱さを羨ましく思うのか──ニグラインは〝肺から生成された自分〟に思いを馳せる。

「包み込むべく『心』を求めて苦しんでいる。早く、解放してあげないと」

 そう言って微笑むニグラインの藍碧(あお)い瞳は、暖かい光に満ちていた。では〝目の前にいるニグライン・レイテッド〟の苦しみは誰が解放してくれると言うのか──凰の思いに答えられる者はおそらく誰もいない。

「ぼくは彼と融合する。粒子と化し不要なものを排除して、生成し直す。〝オリジナルの肺〟は相当痛んでいるみたいだから、修復・再生に多少時間がかかる。ファルコンズ・アイに再生成用のカプセルを内蔵してあるから、そこに収納させてもらい時空間移動(タイムワープ)して再生時間を(ゼロ)にしたい。そうでなければ一人でも大丈夫なんだけど……」

 時空間移動は太陽系内でも違法であるが、太陽系を守るために行うのであれば問題にもならない。深い悲哀を秘めたニグラインの微笑みが、凰の視界で急にぼやけた。

「…………?」

 凰の視界を妨害したのは、凰自身が流した塩分を含んだ〝雫〟であった。驚きのあまりこぼれ落ちる雫を拭う事も出来ずに、ぼやけた視界の向こうにいるニグラインを見つめ続けた。ニグラインは少し困ったように笑むと、凰の頬に指先でそっと触れ指先から手のひらに流れ落ちた雫を握りしめ、心の中にしまい込んだ。

「温かいね」

 ニグラインは他人に甘えた事も涙を見せた事もないのだろう。人類の我がままを一身に引き受けて輝き続けている〝人の心と身体〟を持つ、人造恒星──〝Eternal The Sun〟。

 突然現れた華やかな容姿と穏やかな笑顔を持つ少年、ニグライン・レイテッドの正体を予想出来た者などいない。太陽系を統べる立場にあるL /s機関も、ニグラインが太陽系を守るために立ち上げた組織だと言う。惑星や国単位で治められていた太陽系をETSのエネルギーを掲げL /s機関で統一して太陽系近郊宙域統括軍を設立した折には、階級は指揮系統に必要として残しはしたが『提督』や『閣下』などの敬称を廃止しするなど厳しい上下関係も緩めた。それだけが要因ではないが強制的に命をかけるのではなく自らの意思で大切なものを守るために戦う兵士たちが育成されていったのだ。兵士は兵器ではなく個の人間なのだと。そして一般系民にも十分な仕事と衣食住があり、戦争はあれど決してL /s機関が先導して起こすのではなく迎撃のみに徹している事が、L /s機関が独裁政治を行っているという批判が殆ど見られない理由として大きいと言える。

 ニグラインはもともと人類稀に見る頭脳である上に、制限となる脳の質量がブラック(B)プラネット(P)シード(S)の質量なのだ。太陽より遥かに小さいとはいえ、人間からしてみれば無限に等しい。それ故、現在主であるニグラインはいくらでも知的に進化が可能なのだろう。他のニグライン・レイテッドが〝同じ脳〟を有していたとしても、適うはずもない。人に造られた太陽にとって、人は育むべきものであると同時に〝親〟でもあるのかもしれない。千年以上の時を経て初めて自分の正体を明かしたニグラインの小さな手は拒絶される事に怯え、微かに震えている。凰がその手を拒む理由は、今のところ見当たらない。

「お供させて頂きます……この命、果てるまで」

 ただの上官ではなく、L /s機関の上層部の人間などでもなく、ニグラインは太陽系の象徴君主でありETSそのものなのだ。太陽系近衛艦隊総隊長としてニグラインを守る使命もある。苦難も多いだろうが、ニグライン・レイテッドという名の未来と共に生きるのであれば楽しい事もあるかもしれないではないか。

「うん。ありがとう」

 凰の進言に、ニグラインはまるで本当の11才の少年かのように無邪気に笑った。ニグラインが太陽系に愛想を尽かし自ら消滅を選ぶその瞬間まで。或いは宇宙が終演を迎える時まで──寿命なく生きるとはどういう事なのか想像もつかないが、この笑顔が絶えないようにと凰はただ願う。

「では戦況の話しに入ろう。現在地球本部が襲撃を受けている。赤針(レッドルチル)の兵が時空間トンネルを地球に繋げて侵入したんだ。一応、予想範囲内のことだからぼくたちがいなくても問題はない。揚陸していたドリテック少将の隊もそのまま地球に向かってくれた。ただ──」

 隠された長い歴史の話を終え、司令官席のシステムを起動して状況を話し始めたニグラインだったが、艦橋から入っていたアサギについての報告を受けて途中で言葉を切り、軽く吹き出す。

「ユーレックくんが、アキレウスで地球に突っ込んで行ったみたいだね」

 楽しそうに言うニグラインに釣られて、凰も僅かに口元をゆるめた。大事になっているというのにニグラインはまったく緊迫感を見せない。予測していたからだけではなく部下たちを信頼してくれているのだろう。そしてユーレックの行動があまりにもユーレックらしく、何より地球本部への増援として申し分ない。

「ならば地球は大丈夫ですね。月もランに任せておけば問題ないでしょう」

 ユーレックの行動だけはニグラインの予想を越えていたようだが、かえって地球への心配は減った。月の方は赤針内で捕獲した敵はすでに揚陸艦で月に搬送され、敵の戦闘艦・戦闘艇も全て捕縛完了との事だ。後は地球が落ち着いた頃に〝月〟で帰るだけだが、それも全てが終わってから考えればいい。ニグラインが無事に帰って来ない限り、太陽系の明日を考える必要はないのだ。

「そうだね。じゃあ、行こうか?」

 ゆるやかに微笑み、軽やかに踵を返して〝ファルコンズ・アイ〟へと向かうニグラインが照らす道に、凰は迷う事なく踏み出した。


         ◇


 太陽系近衛艦隊・地球本部艦橋は、赤針から地球に侵入してきた多数の敵兵に乱入されていた。しかし、敵も味方も螢の持つマイスター・コンピュータを操作するための端末機に傷を付けるわけには行かず、身動きが取れないでいる。端末機の情報が敵兵に漏れている事から、間違いなく無断でいなくなったIT支援部隊隊員の中に裏切り者がいると確信出来た。だがそれが幸いし、乱入時に無差別攻撃をされなかったのは皮肉ですらある。


「出て行きなさいよ!!」

 敵兵に囲まれた螢が苛立ちを隠さずに声を張り上げた。マイスター・コンピュータの外部端末機を〝人質〟に、敵を威嚇する。この端末機がなければ、ニグラインが不在の今マイスター・コンピュータ・ルームに入る事すら出来ない。扉を破壊しようとすれば予め仕掛けられていたトラップで容赦なく拘束され別空間にある牢に送り込まれてしまうため、是が非でも必要な物であった。

「やれやれ。人よりメカが大事とは、困った方だ」

 そこへ、螢の所業を全面的に否定しながら緊迫を破って入って来た者がいた。場にそぐわない宙空飛行用のヘルメットとパイロットスーツが宙空艇部隊の隊員である事を示している。

「──あんた……!」

 螢は月からの情報をもとに、ヘルメットで顔の見えない男の正体を瞬時に導きだす。

「アサギ」

 そして螢がその名を忌々しく口にすると、男はヘルメットを脱いで小麦色の肌に見た者が不快になる笑顔を浮かべた。

「流石に判断力は速い。──まぁ、ニグライン・レイテッドには遠く及ばないでしょうがね」

 アサギは螢の気を逆立てるために有効な言葉を並べて笑う。〝ツカイ〟特有の笑みに嫌悪感を覚え、螢は話をしても無駄だと実感する。アサギが〝モグリ〟だとすれば、ただのツカイ以上に話は通じず洗脳から醒ます事も不可能だろう。最悪ここで処刑しなければならない。マイスター・コンピュータを守る事が、地球を守るために螢に出来る最善の策なのだ。もしそれが叶わずにマイスター・コンピュータの端末機を奪われそうな事態になったならば、螢には端末機ごと消滅する覚悟もある。月にはグランディス・コンピュータが有り、ニグラインを筆頭とした前線部隊がいる。何より太陽系内には近衛艦隊と双璧を成す太陽系近郊宙域統括軍が座しているのだ。例え近衛艦隊地球本部ビルが敵の手に渡ろうともETSと統括軍が健在であれば、近衛艦隊の再起にそう時間はかからないと思われる。

「そうね。レイテッド司令には適わないわ……でも」

 螢はマイスターの外部端末機を握りしめ、一瞬の操作で艦橋に配置された兵にのみ付けられていた小型の転送装置を用いて艦橋の外に転送させた。そして地球本部ビルのシステムと武器を含めた機器類すべてのエネルギー電導をシャットダウンし、端末機に内蔵されている空間バリアを張る。外に出された兵士たちも安全とは言えないが、消滅に巻き込むよりは増しであろう。

「貴様……!」

 今動いている機器は、マイスター・コンピュータ本体と螢の持っている端末機だけだ。敵兵が持っている武器や、マイスター・コンピュータを運び出すための圧縮装置なども使用不能となっている。

「これで、すべての機器は無効化されたわ。ドアは手動で開くから、諦めて出て行くことね」

 螢は焦る内心を悟られないように、自称〝ニグラインに負けない笑顔〟で言った。空間バリアを維持出来る時間は約10分。バリアが切れても遠隔的な攻撃やトラップが効かなければ多少の時間を稼げる可能性はある。螢とて、白兵戦の訓練は受けているのだ。もっとも実戦で活躍した経験はないが。

 最終手段を使わなくて済むよう、敵が古典的な弾丸の出る銃やナイフなどを持っていない事を螢は心から祈った。


「クラーレット准将!」

 膠着状態のまま空間バリアのタイム・リミットまで5分を切った時、その古典的な武装を持てるだけ身にまとった虹がこれも古典的なプラスチック爆弾でドアを粉砕して現れた。艦橋を離れている間に敵が地球に侵入して来たのを知った虹は、螢の行動を予測して念のためにと用意されていた古き時代の武器を取りに行ったのだ。艦橋の外の通路では敵も味方も素手か銃器類を鈍器として戦闘をしており、艦橋内から追い出された兵が螢の状況を伝えてくれた。

「ドア、壊さなくても開くのに」

 螢は威勢よく現れた虹に安堵の笑みを洩らす。虹の機転だけが螢の頼みの綱だったのだ。だが、虹にとってアサギは無二の親友であった。アサギ以外にも敵兵は20人ほど残っている。情にほだされ武器を奪われたりでもしたならば──。

「虹! アサギはモグリよ! 気を付けて!!」

 螢の叫びを聞き、虹は一瞬よろめくような素振りを見せたが体勢を戻すと真っ直ぐアサギに近付いて行く。まさかこのような形でアサギ本人が現れるとは思わず、虹が無駄に動揺しないように艦橋に戻って来てから話そうとしていたのだが、返って強い衝撃を与えてしまったかと螢は後悔をする。

「アサギ……」

 親友に呼び掛けられても口元を歪めて笑う男からは、出撃前に肩を震わせていた彼を想像する事は出来ない。オーナーの(めい)に従うだけのツカイに成り下がったアサギは、虹の目にどう映っているのか。虹は肩にかけていたロケットランチャーを下ろし、小口径の銃を手に持つと真っ直ぐアサギに向ける。

「……ご苦労だった。待たせたな」

 虹に親友が撃てるのか──という螢の心配は的中せず、虹は下ろしたロケットランチャーをアサギに手渡してゆらりと振り向き、螢の方へと銃口の照準を定めた。

「虹……?」

 螢は目を疑ったが、次の瞬間自分に向けられた〝見た者が不快になる〟虹の笑顔と銃口がこの光景は現実だと知らしめた。若干18歳ながら、その才知を認められて太陽系近衛艦隊本部に配属され総隊長である凰に尽くしていた〝虹・グリーゼ〟。まさか、彼が一連の首謀者だったというのか。しかし、そうであればすべて説明が付く。虹は常に近衛艦隊の中枢にいたのだ。ニグラインや凰、8大ディビジョンの行動も熟知している。それぞれの部隊の編成や作戦も。隙を見て螢の部下たちを洗脳する事も、本部ビルの入口を開けて敵兵を招き入れる事も彼ならば可能だろう。

「そのバリア、あと5分くらいですよね。ニグライン・レイテッドも趣味が悪い。そんなものを付けてクラーレット准将のかわいい顔が恐怖に歪むのを長く楽しませてくれるとは」

 早くそれを見たいと〝笑顔が人懐こい〟と親しまれていた虹は、おぞましい以外の感想を持てない笑顔で顔を歪めた。


         ◇


「エネルギー電導系が、凍結されてるわ……」


 近衛艦隊地球本部の螢がいるであろう艦橋へ向かおうとしていたリーシアの2個中隊は、本部ビル正面の閉じられた強化ドアに阻まれて足を止めた。本部ビルに近付いた途端に一切の武器もシステムも作動しなくなった事から、他の出入り口も同様に開けられないだろう。

「テラローザ隊長、どうしますか?」

 第一中隊の中隊長が半ば絶望的に話しかけて来た。普段なら可能性を見い出せない発言を嫌うリーシアだが、今回ばかりは自分の無力さを痛感している。今ここにいる自隊だけでは先に進む事すら出来ないのだ。副隊長のエルブに本部ビル内の警備と螢の護衛を任せて来たが、連絡を取る術もない。これでは彼らもやれる事に限界がある。

「ドリテックの隊が来るのを待つしかないわね」

 予定通りならあと数分で合流するはずだ。素手でも重機に匹敵するパワーを持つドリテックの部隊なら強化ドアを破壊するくらい難儀ではないだろう。それにしても、あのツカイどものオーナーは誰なのか……アサギまでが〝モグリ〟だったとはリーシアにも予想が付かなかった。ひょっとしたら、ニグラインは気付いていたのかもしれない。真のオーナーが誰なのかも気付いているとしたら……。

「──なるほどね」

 着任してからのニグラインの一連の行動を思い起こし、今回の地球の騒動と照らし合わせてリーシアはひとつの答えに辿り着く。月でニグラインが何をしようとしているのかは検討も付かないが、内乱については全貌が見えて来た。

「第二中隊、陸戦部が到着したら向かって欲しいところがあるの」

 リーシアは自分の予想と勘を信じ、部下たちに指示を伝える。これだけの事態を起こせる輩が、悠長にその場でおとなしく待っているはずもないだろうが、確認と情報収集をする必要はあった。後方支援部隊は古来の補給などを主な任務としていたそれとは違い〝後方の前線〟とも言われている。命令を待つだけではない、現場の判断で戦略を立て戦う戦闘部隊なのだ。月の前線部隊が帰還するまでに、地球の平穏を取り戻さなければならない。


「テラローザ! どうなっている?!」

 リーシアが部下たちへの指示を終えるとほぼ同時に、3個中隊が合流した大隊を引き連れたドリテックが時空間トンネルを抜けて現れた。

「いいタイミングね。どうやら螢が本部のシステムをダウンさせたみたい。エネルギー電導が凍結されているの。艦橋が占拠でもされたんじゃないかしら」

 あくまで冷静に、リーシアは現在の状況を簡潔に伝える。太陽系内でも最強のセキュリティで守られていた近衛艦隊本部ビルが、今はただの強化鋼鉄の塊でしかない。中に入るには力尽くでドアを開けるしかないのだ。現状それが可能なのはドリテックの隊以外にはない。ただし陸上戦闘部隊(陸戦部)の装甲機キーロンは本部ビルに近づくと機能が停止してしまうため、彼らくらいの腕力がないと持ち上げる事すら出来ないハンマーアックス(武器)が最大の効力を発揮する。

「テラローザ少将、ご無沙汰してます~。相変わらずお美しいですねぇ」

 ドリテックがリーシアに答える前に、こわもての自隊長よりもリーシアに身を寄せたいと願っているランディがドリテックの後ろから対面の挨拶を間延びした口調で述べた。

「やかましぃ!」

 緊張感のないランディにドリテックは拳を振り下ろしたが、案の定軽やかに避けられてしまい、空を切った拳が罪のない壁にひびを入れる。

「相変わらずゆるいわねランディ。そういうところ嫌いじゃないけど、今は急ぎたいの」

「ま~かせてください!」

 男たちが最大限に力を発揮出来るような微笑みを浮かべたリーシアが長い髪をさらりと払うと、ランディ以下大勢の陸戦部の隊員たちが一斉に応えて強化ドアにハンマーアックスを叩き付け、行く手を阻んでいたドアが助けを乞う間もなく崩れ去った。

「ドリテック、重装甲機(キーロン)隊を貸してもらえる? 行かせたいところがあるんだけど、うちの中隊だけじゃ道開けられないから」

「わかった。ランディ、後続で来るキーロンを連れて後方部と一緒に行け!」

 リーシアの申し出を断る理由もなく、ドリテックは即座に要求を受け容れた。本部ビルのエネルギー電導が凍結しているのであればキーロンは無力だ。外で大いに活躍して貰う方がいい。

「了解~……って、テラローザ少将は行かないんですかぁ?」

「ごめんなさい。うちの隊をよろしくね」

 至極残念がるランディに手を振って、リーシアはドリテックの隊と共に艦橋へと足を早めた。


         ◇


 その頃、艦橋では虹とアサギが不敵な笑みを交わしながら螢が身動き出来ない様を眺めていた。味方である部下たちは全員ここよりは安全であろう場所に移動させたため、一人としていない。太陽系近衛艦隊・地球本部艦橋は、仲間だと思っていた者と系外から来た敵により占拠されている。外ではまだ味方が艦橋に敵を入れまいと応戦している怒号が響いている。

「人は愚かですよね。後方部のエルブ副隊長などは、わざわざ僕にこんな物までくれた。『クラーレット准将を頼む』って言ってね」

 虹は胸ポケットから、血に濡れた一枚のカードを取り出して愉快に笑う。

「……それって──」

「そう、本部のマスターキーですよ。これをマイスターに通せばエネルギー電導系の復帰も出来る。マイスター自体をコントロールすることも──あなたがいなくてもね」

 三枚だけ存在するはずのマスターキー。本来はニグライン、凰、そしてリーシアが所有している。これさえあれば、ニグラインのみが権限を持つものを除いて地球本部ビルの殆どの機能を扱えるのだ。リーシアは螢を守るためにと、エルブに託したのだろうが──。

 限界……かと、螢は誰にも気付かれないくらいのため息をつき僅かに目を伏せた。バリアが切れてからでは手遅れと判断し、空間デリートキーに指をかける。憧れのマイスター・コンピュータを守って消滅出来るのだ。悲しむ事はない。

「レイテッド司令の手作りスイーツ、食べたかったな」

 ただ、心残りはある。ユーレックから届いた、最後の伝達。

『司令がおまえのためにカロリー控えめのスイーツをたくさん作ってくれるってよ』

 脳裏に浮かんだのは、テーブルに溢れんばかりのスイーツではなくユーレックの笑顔だった。いつも近くで見ていた、その笑顔。からかわれて頬を膨らませると、いっそう明るくなる彼の笑顔。

「……今、気付くなんて」

 ユーレックの気持ちに。

「ユーレック──」

 そして、自分の気持ちに。あの笑顔が自分に向けられる事が〝当たり前〟だった。それが幸せだったと、今気付いた。平和ではない世界にも平穏な日々は存在する。10代半ばから軍務に着いていた螢は平穏自体が最上の幸福だと思い、そこにスイーツ以外の幸せがあるとは考えていなかった。

「──ゴメン。あとは、任せたわ」

 ユーレックへの想いとユーレックからの想いを胸に抱き、螢は間違いなく〝ニグラインに負けない笑顔〟を月にいるだろう想い人に向けると、空間デリートキーに指を伸ばす。端末機のある部屋にあるものを有機物無機物関係なく消滅させる空間デリートキー。苦しみもないが遺体に泣いてすがっても貰えない。大切な人がいる事に気が付くまではそれでもよかったが、今はせめて亡骸でもいいから抱きしめて欲しいと思う。だが、螢は自分の任務を全うする事を選んだ。

 次の瞬間、本部艦橋の壁面が音も立てずに瞬時に消え失せた。殆どの敵兵がそれと共に消息不明となり、残った虹とアサギは状況を目視すると息を飲む。

「まさか──」

 二人は声を揃えて信じがたい光景への感想を述べる。壁を取り払い艦橋に並ぶデスクをなぎ倒しながら着陸したのは──。

「アキレウス……っ?!」

 パールホワイトに光る優美な機体は、紛れもなく太陽系近衛艦隊の誇る宙空戦専用戦闘艇・アキレウスであった。しかし、前身部分だけでバランス良く艦橋内に着陸した機体を操縦して来たパイロットの姿はコックピットにない。

「任されたぜ、螢!」

 虹が消えたパイロットを探そうとしたところに、聞き慣れた明るい声が響いた。その声は螢にとって涙が出るほど望んでいたものだったが、空間デリートキーを押すときに閉じた目を開ける勇気がなかった。目を開けたとたんに幻に変わってしまうのではないかと思えて怖かったのだ。死への恐怖はなかったというのに。

「螢」

 もう一度名を呼ばれ、螢は意を決して目を開いた。

「……ユーレック……」

 幻ではない、ユーレックのあの笑顔が螢の視界を埋めた。手にしていたはずのマイスター・コンピュータの端末機はなく、代わりに温かい大きな手が螢のやわらかい手を包み込んでいる。

「これ、没収な」

 ユーレックはデリートする直前に螢の手から取り上げていたマイスター・コンピュータの端末機をどこかへと瞬間移動させると、歪んだ形相でユーレックを睨み付けている虹とアサギに向き直った。

「てめぇら! オレの螢にこんな思いさせやがって、無事でいられると思うなよ!!」

 本人の意思ではないモグリだとしても、螢に消滅を選ばせた輩を許す選択肢はない。ユーレックは螢を庇うように背に隠し、虹とアサギを一喝する。いっその事アキレウスで彼らに突っ込んでもよかったのだが、本部ビルの損壊を最小限にするために残念ながら理性が止めた。端末機と同時に空間シールドも消え、能力が全開放されているユーレックの怒気が空気を揺らす。直接怒気を向けられた虹とアサギは肌の表面が痛いほど痺れ、気流に押されて数歩下がらざるを得なかった。

「くそ……っ……化け物め……!」

 アサギは容赦なく押してくる気流に何とか抵抗して虹に渡されたロケットランチャーを構えると、ユーレックに照準を合わせて砲撃した。エネルギー砲にはない砲撃音が響き火薬の匂いが立ち上がる。

「そんなもの、当たるかよっ!」

 ユーレックは自身の発するシールドで砲弾を捕らえて包み込むと、シールドごとアサギに叩きつける。アサギはくぐもった叫び声を上げて数メートル吹き飛ばされ、意識を失ってぐったりと倒れ落ちた。

「ユーレック……っ」

 庇われた背にしがみつき、螢はユーレックに最悪の制裁をしないで欲しいと訴える。虹とアサギを殺める事で凰やランが悲しむ姿を見たくない、と。自分だけであれば不可能であったが、螢はユーレックにならば可能であると信じたのだ。

「……わかった」

「ありがとう」

 ユーレックは危険を承知で螢の願いを受け、怒りを抑えて平常心を取り戻すべく一呼吸入れた。ユーレックとて可愛がっていた虹やその親友を殺めるのは本意ではない。螢は礼を述べると、しがみついていた手をゆるめてユーレックの広い背中に顔をうずめる。

「あ~っ! 畜生!!」

 ユーレックの悔しそうな物言いに螢は顔を上げて驚く。

「こんな状況じゃ何も出来ねぇ! とっとと片を付けて、おまえを抱き締める!!」

 そう言い放ったユーレックに、螢は自分の気持ちが背中越しに伝わった事に気付いた。普段は絶対に人の心を読まないユーレックだが、読まないように能力をコントロールする余裕など今はない。ましてや自分に向けられた気持ちは直接心に届いた。螢もオリジナルのコンピュータ言語ではなく、人の言葉で想いを告げていたのだ。

「──うん」

 恥ずかしがる必要も誤魔化す必要もない。相手の体温を感じ心も繋がった。太陽系を守る理由に、二人で平穏な日を迎えるという理由が加わったのだ。螢もユーレックもこの戦乱を終結させる事を最優先とし、虹を見据えた。

「ははは、面白い。太陽系切っての特殊能力者とコンピュータ言語で思考する人間が通じ合えましたか。お似合いと言えばお似合いですねぇ」

 人を差別するような言葉が虹の口から発せられるなど、未だに信じたくはない。それでも彼の歪んだ笑みが感傷に浸る気にさせない事が救いとも言える。

「てめぇはネリネをどうするんだよ!? あの子の泣き顔なんざ見たくねぇだろ!!」

 虹に想いを寄せている少女が今の彼を見たらどう思うだろうか。聡明で気が利いて、優しい青年──誰もが虹をそう見ていたのだ。虹の彼女への純粋な想いが洗脳を解いてくれるなら……期待は出来なくともそう思わざるを得なかった。

「ネリネ……?」

 控え目な笑顔の少女の名に、虹が戸惑いに似た反応を見せた。ここまではっきりとした反応があるとは思わなかったユーレックと螢は息を飲む。

「ネリネ……ネリ……ネ……」

「虹……?」

 だが二人が期待したような変化ではなく、少女の名を繰り返す虹の表情が戸惑いから恐怖へと変わっていく。愛しい者を思い出しているとも、洗脳を解こうと封じられた心が戦っているとも思えない奇妙な反応を見せる虹に、ユーレックと螢は顔を見合わせた。

「……その名を……言うな!」

 恐怖を弾き飛ばす様に、虹は数個のグレネード弾のピンをまとめて抜くとユーレックと螢に向けて投げ付けた。

「だから! そんなもの当たらねぇ……って──」

 警戒を解くような愚かさを持ち合わせていないユーレックは、先ほどと同じように後れを取る事なくシールドでグレネード弾を包み込んだが、今度は弾き返す事が出来なかった。グレネード弾はシールド内で爆発し、それと同時にシールドが切れ爆風が辺りに舞う。

「ちょっ、ちょっと! ユーレック?!」

 弾が当たったわけでもないのにユーレックの身体が崩れ落ちる。螢はユーレックを支えようとしたが、小柄な彼女ではかろうじて頭を打たないようにするだけに終わった。

「……やべ……限界……」

 アサギのアキレウスを取りに行ったところから全開放で能力を使い続けていたのだから、いくらユーレックと言えども流石に限界であろう。意識があるだけでも他の者では信じがたいくらいだ。

「は……ははは……間抜けな奴だ。二人とも肉片になって仲良く交わればいい!」

 能力を使うどころか肉体を動かす事すらままならないユーレックに向けて、虹は再び残っていたグレネード弾を投げ付けた。

「ユーレック!」

 螢はユーレックを庇うため、咄嗟に腰に下げていたツールキットを展開する。〝盾〟の代わりになったのは僅か直径30cmほどの円盤ソーであったが、見事にグレネード弾を叩き落とす事に成功した。

「あ……あれ? 爆発しない……?」

 鈍い音を立てて足元に落ちたグレネード弾は爆発せず、数十センチ転がって役目も果たせずに止まる。

「……火薬は、全部抜いたから……」

 起き上がる事も出来ないが、ユーレックは残りの力を振り絞り虹の持ち込んだ旧時代の武器から火薬を全て抜き取っていた。抜き取られた火薬は床に散らばり、虹が動くたびにジャリジャリと音を立てて存在を示している。武器そのものを破棄したかったのだが、今のユーレックにはそれが精一杯だった。ユーレックは螢を守る力を失った無力な自分に強い怒りを覚えたが、歯噛みする力もなくどうにか意識を保っているだけだ。怒りに駆られまだ余力があると過信し、真っ先に虹とアサギを拘束しなかった自分を責める。

「まったく、邪魔な人ですね」

 虹が重りと化した武器を床に投げ捨てると、火薬が砂埃のように舞上がる。螢は無造作に捨てられた武器が金属特有の音を立てて火薬の上に落とされたため火花で引火でもしたらどうするのかと言いかけたが、今の虹を刺激するのは得策ではないと言葉を飲み込んだ。螢の感情を表情から読み取ったのか、虹は口の端を大きく歪めたかと思うと刃渡り20cmほどのナイフを取り出し、それを血で染めるべく螢に襲い掛かる。

「螢!」

 ユーレックの声に出来たかどうかわからない叫びは、金属同士の衝突した音にかき消された。

「……あんたなんかに、太陽系は渡さないんだから!!」

 突き付けられたナイフを螢はラチェットレンチに姿を変えた自慢のツールキットで受け止めた。腕力こそないが驚異的なタイピング速度や高速でスクロールする画面を読み取れるなど、螢の動体視力と反射神経は陸戦部一と言われるランディにも匹敵する。

「ついでに! 女の子を泣かせる奴も許さない!! あんただって、ネリネの涙は見たくないでしょ!?」

 ネリネの名を出す事は賭けであった。逆上するか、手を弛めるか。後者でない限り螢に勝ち目はない。すでにラチェットレンチを握る手は痺れている。攻撃を受け止められても、弾き返すどころか持続する力もないのだ。

「ネリネ……ネリネ……」

 再びその名を呟くと虹の顔は更に醜く歪み、ナイフを落として膝を着き頭を抱えて苦悶する。時折見せるまだ少年を思わせる人懐こい笑顔を知る者が今の彼を見たら、螢たちと同様に吐き気を覚えるだろう。

 その時、まだ無傷であった側の壁が鈍い悲鳴をあげ大きな亀裂が入った。螢とユーレックは虹から目を離せないまま壁の向こうから来るものに意識を向ける。もし敵であったならもはや勝ち目はない。せめて虹からマスターキーを奪って破壊しなくては……と、螢はラチェットレンチを握り直した。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ユーレック間に合った! よくやった! [気になる点] そうか。年老いた青年は、司令官の体の一部から発生した分身(?)なんですね。 [一言] まだまだ、緊迫した状況・・・!
[良い点] ここまで二グラインの存在にどこか距離を置いていた鳳の気持ちに変化がありましたね。彼はETSの人柱として太陽系外へ放たれたオリジナルとの戦いに赴くことになろうレイテッド司令の忠実な副官と言う…
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