第四神話 「恐竜誕生!」
「はい!スキップ!サンのターンは飛ばして、マトリックスの番なっ!上がらせてたまるか」
「ゴッドさん.....」
なんだかサンの目が細くなった気がしたが、俺は手に持っていた青色のスキップカードを召喚した。
「oh my god!! さすが我が主人。忠誠を誓った甲斐がある器の大きな方だ。私が一番に上がらせていただきます。青、赤、緑のカード7で上がり!!」
「おい!お前3枚とも揃っていたのかよ!一番に上がりやがって しかも最後に緑残していくとか... 俺の手札知ってるだろ」
「何を仰られますか これは偶然ですよ 神のみぞ知る領域でございます」
「いや 俺神だし。.... スキップ。出せるカードない」
「フフフっ ありがとうマトリックス さすが私の後輩。よくわかってるじゃない 緑の5で上がり!! ゴッドさんのビリ確ですっ!」
「なああああ! くそがっ! もう一回だあ」
「いいですよ また私が勝ちますから」
「またとはな...サンよ お前は俺に何千回、いや何万回負けているかもう忘れたのかね?」
「ゴッドさん...私たち何回勝負しているか忘れましたか?」
「いやはや二人とも...喧嘩はよくないですよ どんぐりの背比べと言うやつです。さあ続きをやりましょう」
「マトリックスには言われると嫌味だな」
「後輩ちゃんには言われたくない」
ピピピピピっ!
「もう三億年経ちましたね....」
サンが言うようにどうやらあれからUNOをやり始めて三億年ほど経ったようだ。只今天界中にキッチンタイマーの音が鳴り響いております。
「よし。そろそろ恐竜が出来上がった頃合いかな...」
俺は内心とてもワクワクしてきていた。何しろ恐竜を生で見ることができるなど、考古学者はおろか元いた世界中の男子が一度は見て見たいと思うロマンの塊だからだ。
雲に手をかざして下界の様子を見てみる。
するとそこには、予想を遥かに超える様々な種類の巨体の動物。恐竜の姿が至るところで見受けられた。
「うおおおおおお! マジでホンマもんの恐竜じゃないかっ! 想像以上にいるな... 三畳紀だとそんなに恐竜ぽいデカイやつはあまりいないとばかりに思っていたが....現実の方がカッコいいやん!」
「ゴッドさん 忘れないでください。ここはゴッドさんの世界です。ゴッドさんが先ほどいくつかの生物を絶滅させてしまったので、元いた世界と若干進化のスピードや個体の特徴が変わってきているのですよ。まあ簡単に言うとゴッドさんの忖度が入った生物ちゃん達ということですね!」
「その言い方やめてくれない? まあ それにしてもやっぱデカイ生き物っていいな! 俺下界に降臨したい」
「教会などのゴッドさんを崇拝する祈りの中継スポットがないと降臨できないと言ったじゃないですか.... 仮に祈りスポットを使わずに強引に降臨しようとすると下界に激震が走ります」
「うーん じゃしばらく降臨は保留という形で」
「保留じゃなくて!」
「わかったよ じゃとりあえず下界の動きを観察しよう! 俺はあのアロサウルスみたいな肉食恐竜から観察していきたい」
「えええ!一体一体全部観察する気ですか?メンドっ」
「おいおいUNO三億年やった仲だろ?こっちのほうが面白いじゃんっ」
「はーーい」
「oh my god!! 時に女性と男性の趣味嗜好は理解し合えぬものなのですよ...」
「マトリックス... お前カッコつけて言ってきてくれているが 性別ないやんこの天界に...」
「oh ですが 私の真意としては性別という概念がこの天界にないというだけであります 心は別ですぞ」
「うむ お前も神ぽくなってきたな」
「はい oh my god!!」