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第三神話 「友人誕生!」

 生命が我が世界に誕生してからというもの俺は長いことペットである生命のお世話をしていた。では神のお世話となんなのだろうか。まだ『人間』のような知的生命体はこの世界には誕生していないからペット達は誰も俺の存在自体を知らないのだが。


 全く、母親の存在さえ知らないとは、親の顔が見てみたい!......


 それはそうと俺は見た目の良い生物の進化を助けってやっていた。なんかやたらと他の生物よりもデカイ奴がいたんだが、そいつの見た目が見過ごせないほど気持ち悪いうえに他の生物を手当たり次第に捕食しまくるから神の鉄槌を下して絶滅させてみた。まあこれがペットの世話の内容である。 


 おっ! また気持ち悪い奴が出てきたな。


 このまま絶滅させているところだけを切り抜かれるとマスコミに叩かれそうなので、気持ち悪い奴の見た目を教えよう!是非とも同情して欲しい。


 そいつの胴体は平べったい楕円形をしていて頭部と胴部の間がややくびれている。そして胴体の腹部からは左右に大きくせり出した細長いヒレが付いていて、頭部には左右に飛び出た目ん玉とパイナップルの葉っぱのところによく似たギザギザの突起が二つ突き出している。その突起の中央には円盤上の吸盤みたいな口がついていて.....


 説明面倒いな....


 まああれだよあれ。大学の友人の直人が生物専攻していて、やけに生物に詳しかったからたまに飲みの場で話してくれていたんだが、そのおかげでこの気持ち悪い奴に似ている生物の名前が出てきた。


 直人よ ありがとう 初めて感謝するよ リバースの件はこれで帳消しにしてやる!


 カンブリア紀に生息していたとされる生き物の中で一番有名で人気のある奴。


 えーと... アノマロカリスだっ!


 うーん この際同じくらい気持ち悪い奴だから名前もアノマロカリスでいいっか!確か直人によるとアノマロカリスはカンブリア紀の頂点捕食者だったが直接と思われる子孫を残さずに絶滅した動物群に属するものだったんだとか言ってたから別にこの世界のアノマロカリスも絶滅させても大丈夫だろ。うん!大丈夫だ!


 おそらく前の世界にいたかもしれない神も同じ気持ちだったと思う!


「それではアノマロカリスよ 神の鉄槌を思い知れ!!!」


「ちょっとゴッドさん!! 止め!止め!止め!止め!止め!止め!止め!止め!ーーー」


「ーーちょっ!? うわっ!? なんだよ? 文句あんのか?」


「最近のゴッドさん 生物ちゃんを簡単に殺しすぎです! バタフライエフェクトって知ってますか?」


「おいおい舐めてもらっちゃ困るな〜 ほんの些細な事が後にとんでもない大きな現象の引き金になっちまうかもよってやつだろ?」


「まあ神にもわかるように言うとそんな感じですね」


「猿にも分かるみたいに神を使うな!神を!」


「補足すると気象学者エドワード・ローレンツの講演の題名である『ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか』からきていて、『どんなに初期の誤差が小さくとも時間経過や組み合わせによって大きな影響が現れ、どんな未来が訪れるかは誰にも判らない』と言う事を意味する言葉でもあります!日本のことわざだと『風が吹けば桶屋が儲かる』ですね!」


「....なんかむかつくなお前」


「はあ これでも私はゴッドさんが前いた世界でかなり勉強してましたからね!」


「そんな勉強していた天使さんがこの俺を神に選んだんだろ? なら俺は73億分の1に輝いたスーパーラッキーボーイだな!」


「まあ ゴッドさんには子供はおろか彼女さんもいませんでしたしね。 この世界に連れて来れるのは清い体を所持した魂と相場が決まってますから!」


「おいおいニヤニヤ笑いながらこっちを見るな! お前本当に天使かよ」


「いいじゃないですか〜」


「で?なんだこのアノマロカリスを絶滅させると後で面倒な事になるのか?」


「確かにアノマロカリス自体はこの先自然淘汰で消えるかもですけど、その捕食されている生物ちゃんたちが今後のキーになるかもしれないじゃないですか?」


「ほう わかったよ 自然淘汰くんがなんとかしてくれるだろう! はいアノマロカリス絶滅!!」


「あああーー!!」


 我が世界からアノマロカリスは消えた。


「てかさ 前に俺がいた世界と進化似てない?」


「まあ前いた世界の神さんは特に手加えてないですからね 自然淘汰くんに任せっきりでしたから」


「カミさんのイントネーションで言わないでくれる? てかマジかよ 酷くね? 前のカミさん」


「ひどいも何も 自然淘汰くんが万能ですから 自分が変に手を加えて面倒な世界になったら嫌じゃないですか?」


「え 面倒な世界って何? 神って天界にいるから関係なくね?」


「まあ そうなんですけど 神の存在に気付いた生物が『神殺し』をしに来るかもしれませんし。」


「何それ!? そんなんできるん?」


「まあ 魔法が使える世界だけの話ですけどね あっ! 科学の世界でもありえますね! 他の神を崇拝して神に神を殺させたりとか」


「うおい! それ早く言ってよ〜 俺もうかなりの数絶滅させてしまってるんですけど! あと俺魔法の世界にいずれはするつもりだったのに」


「まあちゃんと知的生物を育てれば文句は言われませんから安心してください。ペットのお世話するのもおもしろいですしね! 悪魔とか神殺しとかよりも暇の方がタチ悪いですから!!」


「はあー まあ頑張るよ 取り敢えず恐竜が生まれる時代までは自然淘汰くんに任せるとするか!」


「そのいきです!まあ三億年くらいかかりますけど....」


「ええ長いわ!!神って祈られないと本当退屈なのな〜」


「祈られたら祈られたで忙しいですよ」



 ではでは皆さん恐竜時代まで俺はニート生活を始めますわ。しばらくは神の暗黒時代が続くと思われるのでその辺はカットしましょう! 天界でサンとゲームしたりするだけなので! あっそういえば!


「サン! 俺のポイント今何ポイント貯まってる?」


「結構貯まってきてますよ! なにせカンブリア紀まで来てますから!」


「カンブリア紀言うな!! ここは俺の世界だっての! そこ訂正して」


「はいはいわかりました。わかりました。わかりました。わかりーー」


「何回も言わんでいい!!」


「えーと 121.53ポイントですね!」


「...なんだよその小数第二位まで表現すんなよ 歯切れ悪いなあ」


「絶滅系は個体数に基づいているので!」


「いや個体数だったら小数点はおかしいだろ!生物が分裂してるじゃないか!」


「何言ってんですか プラナリアみたいに分裂する生物気持ち悪いとか言って絶滅させたのはどこの誰ですか!」


「はい...すみません」


「よろしい ではポイントはどうされます?」


「神召喚に使おうぜ! 三億年の間二人だけだと暇過ぎるし」


「了解です ではゴッドさんの100ポイントを消費して神を召喚しましょう!どんな神がいいですか?」


「なあそれって前俺の世界にいた『人間』が召喚されるのか?」


「いえいえゴッドさんがイメージしたものが召喚されますよ」


「え マジですの?」


「マジですの」


 おいおいこれは最高じゃないか! 天界での友人第二号が俺の想像から生まれるなんて!! でもアレだな著作権の問題とかもあるし、オリジナルがいいな。



「召喚する!友人第二号よ 出でよ!」




 俺が手を前にかざすと光り輝く球体が現れた。そしてその球体は徐々に輝きを増しながら膨らんでいく。人間...いや神ほどの大きさにまで膨張するとその光の球体は破裂し、中から俺が想像した神が出て来た。


 出て来た神はよく美術館で見かけるような白い彫刻で彫られたギリシャ人ぽい人だ。あまり俺は博識ではないので、自分の今まで見て来た神ぽい奴をイメージして召喚してみたのだ。この天界には白衣を着た俺と天使しかいないのでな、神ぽい要素が欲しかったのだ。唯一の懸念は神過ぎて俺に従わないことだったのだが、



「 oh my god!! 私の忠誠を捧げます! 何でもお申し付け下さい!」



 予想以上に忠義に厚い奴だった。なんか神に忠義を尽くされるとか最高じゃん!!



「よろしい ではサンと俺と君で.... 君というのもアレだ名前をつけよう。 カッコいいのがいいな....カッコイイというと洋画のタイトルとかか? .....マトリックスだああ!! 今日からお前はマトリックスと名乗れ!」


「畏まりました。oh my god!! から名前を授かるとはなんという幸運者!私マトリックスは永遠の忠誠を誓いますぞ!」


「oh ...そのoh my god!! は気になるが....まあいい! サン!マトリックス!UNOやろうぜー!」


「「やりましょう!!」」



 楽しくなってきたーー!




 

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