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間章

(宿を探さないと……)

 焦る気持ちで、暗く長いトンネルを抜けたリーナ・アリスンの瞳に飛び込んできたのは、星の海の中でひときわ煌めく白銀の満月。次いで、青白い月光を照り返す街の幻想的な夜景だった。夜の遅い時間なので少ないが、ポツポツとした家の光のオレンジ色が、青白く光るキャンバスに散りばめられている。

(綺麗……)

 人の光と大自然の光の交響曲シンフォニーに見とれていると、背中で背負っていた茶髪の少女がもぞもぞと動いた。

「あ、大丈夫?」

 返事は無い。首を少し動かし、左肩に乗っかった少女の顔を見る。相変わらず苦しそうな表情を浮かべているが、苦痛が若干和らいだように見えた。


「見てる? 綺麗だね」

 小さく開いた眼が夜景をハッキリと捉えているのか定かでないが、荒かった息遣いの中で、感嘆で息を飲んだ音が僅かながら聞こえたのは気のせいだろうか。

 薄く開けたまぶたが再度閉じられたことを確認すると、リーナは階段を一段一段丁寧に降りていった。

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