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あの日の風の、その続き 〜戦う公爵令嬢と、王女が選んだ未来〜   作者: 凛花


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第二十八話 未来へ






ーーーー



城の庭に、やわらかな陽射しが降り注いでいた。



花々が揺れ、風が静かに通り抜けていく。




「――おいで」



エリシアが呼ぶと、小道の向こうからゼンが現れる。



その腕の中には、幼い子供。



小さな手が、こちらへと伸ばされた。




「おかあさま」



その声に、エリシアは優しく微笑み、そっと抱き寄せる。



「エリシア。体調は?」



ゼンの穏やかな声。




「ええ、元気よ。ありがとう、ゼン。


それに今日は――リゼたちが来るわ」




そう言って、お腹にそっと手を添えた、そのとき。



「あ……!」



腕の中の子供が、ぱっと顔を上げる。



視線の先。



庭の入口に、二つの影。



手を繋いだリゼとクロードが、ゆっくりと歩いてくる。




風が、ふと頬を撫でた。



懐かしい気配に、エリシアは目を細める。





――あの頃と、同じ風。



駆けていく足音。



重なる笑い声。



名前を呼び合う、あどけない声。




振り返れば、そこにいる気がした。



無邪気に笑い合っていた、幼い自分たちが。




けれど――



その先に、今がある。



腕の中のぬくもり。



隣にいる人。



こちらへ歩いてくる、大切な人たち。




エリシアは、そっと目を開く。



風が、また静かに吹き抜けた。



――この先もきっと。



同じように、季節は巡っていくのだろう。







---

--






第二部 完

次話より最終章です。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

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