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異世界転生:66歳元教員ツヨシの悠々自適な開拓生活  作者: 羽越世雌
第四章:なぜこの世界に呼ばれたのか
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第九十六話:空飛ぶ目玉と開拓地の守護神

密偵を捕らえた翌朝、ツヨシは村の広場で「防衛会議」を開いた。カイルたち防衛隊の面々は、王都の関与を知って緊張した面持ちだ。


「ツヨシさん、あんな隠密が次々に来たら、人手が足りません。四六時中街灯を見張るわけにもいかないですし……」

不安を口にするカイルに、ツヨシは不敵な笑みを浮かべて小さな木箱を差し出した。


「カイル、教育現場でも『見守り』は重要でね。次は『動く目』を導入しようと思う」


1. 魔導偵察機「スカイ・アイ」の開発


ツヨシが設計したのは、現代のマルチコプター(ドローン)を模した自律飛行型ゴーレムだ。

動力源は小型化した風魔法の魔石。四つの回転翼が空気を切り裂き、軽量化したミスリル合金のフレームが浮き上がる。


「重要なのは、この『転写の水晶』だ。レンズの役割を果たし、地上にあるモニター用の水晶へリアルタイムで映像を送る」


ツヨシは前世で趣味にしていた電子工作の知識を総動員した。ジンバル(姿勢制御)機構を魔導回路で再現し、風に煽られても映像がブレないように調整を重ねる。


2. 空からの完全監視スカイ・ネット


数日後。村の上空には、交代で二十四時間飛行する三機の「スカイ・アイ」が配備された。

防衛隊の詰所には、大型の「モニター水晶」が並び、村全体の俯瞰映像が映し出されている。


「これは凄い……。街道の端から森の奥まで、指一本動かさずに確認できるなんて」

隊員たちは、魔法の鏡越しに見る「空からの視点」に圧倒されていた。


ツヨシはさらに、この映像に「動体検知魔法」を組み込んだ。

登録されていない一定以上の大きさの物体が動いた際、その地点を赤く点滅させ、近くのスカイ・アイが自動で追跡を開始するシステムだ。


3. ハイテクが生む「抑止力」


再び、夜がやってきた。

前回の密偵の失敗を受け、より慎重に近づこうとしていた別の潜入者たちがいた。彼らは森の木々に隠れ、地面のライトを警戒していたが……。


「……上だ。何か音がしないか?」

潜入者が空を見上げた瞬間、遥か上空から強烈なサーチライトが彼らをピンポイントで照射した。


『警告。不法侵入を確認。直ちに跪き、両手を上げなさい。抵抗は無意味です』


スカイ・アイに搭載された「拡声スピーカー魔法」によるツヨシの声が、夜の森に響き渡る。空から逃げ場のない光と声に曝され、潜入者たちは戦意を喪失し、その場にへたり込んだ。


4. ツヨシの「教育的指導」


捕らえられた者たちを前に、ツヨシは穏やかに、しかし威圧感を持って告げた。


「技術を盗もうとするのは、他人の答案を覗き見するのと同じ。まずは自分の頭で考え、正当な手続きで教えを請いに来なさい」


今回のハイテク化により、村の防衛力は劇的に向上した。しかし、スカイ・アイが捉えた映像の中には、さらに遠くから村を観測する「巨大な魔力反応」が映り込んでいた。


「どうやら、ただのコソ泥だけじゃなさそうだ……」

モニターを見つめるツヨシの眼光が鋭くなる。


最先端の「目」が捉えたのは、王都の魔導技術局が総力を挙げて送り込んだ、巨大な「飛行魔導艦」の影だった。

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