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異世界転生:66歳元教員ツヨシの悠々自適な開拓生活  作者: 羽越世雌
第二章:社会構造の変革(魔物との共生)
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第四十七話:管理者権限と農機具の革命

「先生、来たぜ。北の峠だ。帝国の『白銀騎士団』……重魔導アーマーを三機も連れてやがる」


カインが双眼鏡代わりに使っている魔法具を片手に、苦々しく吐き捨てた。

カインの裏切りと、この地に眠る「古代遺産」の噂を聞きつけ、帝国が実力行使に出たのだ。


【認証:ツヨシ】


ツヨシは慌てることなく、地下遺跡の入口……今では「地下物置」と呼んでいる場所の操作パネルの前にいた。


「『指紋、虹彩、および音声による認証を行います』……か。なんだか懐かしい響きだね」


ツヨシがパネルに触れると、古代の合成音声が響く。

『——管理者権限を確認。 ツヨシ様、お久しぶりです。前回のログインから3,652,410日が経過しています——』


「三、三百万日!? 先生、あんた何者なんだよ……」

カインが呆然とする中、ツヨシは淡々と「設定」をいじり始めた。


「今の私には物々しい兵器は必要ない。ただ、この畑を守るための『道具』を少しアップデートさせてもらおうかな」


【魔改造・トラクター「五月雨」】


村の広場に置かれていた、アイリスが普段引いている「大型耕運機(ツヨシお手製の木製)」が、地下から伸びてきたナノマシン・アームによって包み込まれた。


数分後、そこには——。

重厚なセラミック装甲をまとい、ホバーで浮遊し、複数の掘削ドリルを備えた「多目的災害救助型農機」が完成していた。


「よし、これを『ツヨシ一号』と名付けよう」

「ダサい! 名前はダサいが、放ってるプレッシャーが王宮の守護竜よりやべえぞ!」


【教員の指導、帝国の絶望】


村の入り口まで迫った帝国軍。

「この地の遺産は帝国のものだ! 抵抗する者は——」


騎士の言葉が終わる前に、ツヨシが「ツヨシ一号」の遠隔操作パネルを叩いた。


「皆さん、ここは私有地です。許可なく立ち入ることは、校則違反……いえ、不法侵入ですよ」


『防衛プロトコル:害獣駆除モード起動』


ツヨシ一号のドリルが高速回転し、地面に潜り込んだかと思うと、騎士団の足元の土を瞬時に耕し、底なしの「フカフカの泥沼」へと変えてしまった。


「な、なんだこれは!? 馬が……魔導アーマーが沈んでいく!」

「肥料(堆肥)を混ぜすぎたかな? かなり粘り気があるはずですよ」


さらには、農機から放たれた「防虫用高周波」が、帝国軍の魔導アーマーの制御回路を狂わせ、騎士たちは踊るようにガタガタと震え始めた。


【平和への第一歩】


結局、一発の矢も放たれることなく、帝国最強の騎士団はドロドロの泥まみれになり、最後はカインの「物理的な説得(威嚇)」によって敗走していった。


「……先生。あんた、その気になれば世界を滅ぼせるだろ」

カインが冷や汗を拭いながら尋ねる。


「滅ぼしませんよ。ただ、この機械のおかげで、明日のジャガイモの植え付けが楽になりそうだ。カイン君、君も操作を覚えなさい。数学が得意なら簡単だ」


ツヨシは穏やかに笑いながら、泥だらけになった「かつての教え子」たちに、温かいお茶を振る舞う準備を始めるのだった。

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