表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月守アポロの鬱屈  作者: 美水
第一章:アポロと月子
7/36

第六話:過去の女

 どうしてこうも変人ばかりが僕の周りには集まってくるのか。この間の少しだけ付き合った女性は猫が大好きで、猫のグッズを集めるのが趣味だった。しかしそれだけならまだしも、猫になりきり


「にゃーん」


 とか


「にゃおーん」


とか言いながら会話を楽しむ、『なりきり(にゃん)にゃん倶楽部(クラブ)』という怪しい店に出入りしており、


「アポロ君もいっしょに行こうよ」


 だなんて言い出したから別れるに至った。


 それが正しい判断だったのかはわからないが、僕に理解できない趣味を持っている人は、価値観の相違から今後もうまくいくはずがない。だから距離を取ると昔から決めている。その方がお互いのためになる。


 その後出会った女性は、もとより僕の存在やいじめについてを知っていた。男なら誰でもよかったらしく、僕がまだアポロという名前でいじめられていると勘違いし、すり寄ってきた。


「アポロくんってかわいそうだねぇ。別に私はアポロって名前変じゃないと思うんだけど」


 いや、僕はまったくかわいそうなんかじゃない。

 誰にも僕の心の中はわからないかもしれないけれど、僕は幸せだ。


 今この瞬間を生きており心より幸せなんだ。一度たりとも自分が悪いだなんて思ったことはないし、もちろん死にたいだなんて、毛頭思わない。もちろん自分の名前だって心から愛しているし。だからこう言ってやったのさ。


「かわいそうなのはあなたでしょ。それよりあなたの名前は何? 初対面の人に話しかける時は、自分から名乗るものだよね?」


 その女性とはそれきりだ。


 あれからしばらく経つけれど、相変わらず僕に近づく女性は一癖も二癖もあるようなやつばかりだ。きっと月子もそうだろう。

 ご覧いただきありがとうございました!猫のお店の名前は考えるのに苦労しました……。次回も見に来ていただけると嬉しいです。

(次回:きみは僕が好き?)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ