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月守アポロの鬱屈  作者: 美水
第五章:発覚
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第七話:それでも僕は……

 僕はそれを遠くから見ていたが、ふいに月子に


「アポロ」


 と呼びかけられ驚いた。月子は僕の方へ向かって歩いてきた。そうして


「なんでアポロは助けてくれなかったのよ」


 と言った。僕は


「月子見えてたの? 僕の事」


 と言った。月子は当たり前よ、といった風な表情を浮かべた。全くどうしても叶わないな…… と思った。僕は


「ごめん」


 と謝った。


「安西が月子に当たりが強いって話、実はクラスメイトに聞いてたんだけど。すぐに助けられなくてごめんね」


 すると月子は驚いた顔を見せた。


「まったく……そこまで知ってて、しかもいじめの場に遭遇してるのに助けてくれないなんて。私は強いから自分でどうにかするとでも思ったの? 」


 と言って頬をふくらませた。僕はなんだか複雑な気持ちになった。やっぱり僕は一足遅いな、と思う。


「そんなことないよ。できることならもうこれ以上強くならないでほしいくらいだ」


「どうして?」


 月子は真面目な顔をして問う。僕はこう返す。


「あまりに強くなりすぎると僕が守れないから」


 言って自分でも「ん? 」と思った。そして


「……僕が守る必要ないくらい強くならないでほしい……」


 言い直した。月子はふふふっと笑って


「じゃあすぐに助けてよね。今度からは」


 とおどけた。僕は


「絶対に助けるよ。約束する」


 と力強く答えた。月子は


「アポロって私の事好きなの? 心強いわ」


 と言った。僕は呆れてしまった。月子に? それとも僕自身に?


「……好きだよ」


 と心の中で静かに言った。僕の気持ち、とっくに知ってるくせに!!


「だめよ、私には金星がいるから」


 と月子は答える。わかってるよ、そんなこと。僕はこう答えた。


「でも僕はこれからもずっと月子の友達でいたいんだ。いいでしょ」


 やっと本当の気持ちを伝えられた。僕は晴れやかな顔をしていたに違いない。


「もちろんよ!! 」


 月子は元気よく言った。いつもの日常が僕らのもとへ帰ってきた。

ご覧いただきありがとうございました。ついに、次回が最終回です!! ここまで付き合ってくださってありがとうございました。まだあと一話ありますが…… 。

それでも私が生まれて初めて書いた小説を少しでも読んでくださる方がいたことがとても嬉しいです!


次回も読んでくださいますと嬉しいです!

(次回:タイトル未定)

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