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月守アポロの鬱屈  作者: 美水
第三章:気付き
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第一話:『月守アポロ』を覚えていてくれ!

 母さんはそう確かに言った。


 すると記憶が瞬時に蘇った。ぼくの掌に一つの文字を残して父が逝ったこと。まるでフラッシュバックのようだ。父さんが僕の掌に文字を書いたことがありありと思い出される。その理由は知らない。どんな内容だったのかも忘れた。


 ただ僕は父さんの生きているうちに父さんに会っていたんだ!!


 なぜ死んだのか。僕たちに何を伝えたかったのか。でもあった。僕の脳内に、再生できるほど鮮明に残っていた。

 それは合成映像なのかもしれないし、その顔はもしかすると、さっきの老人たちの顔の平均値で作られた偽物かもしれない。


 でも幸福は僕の心の中に在る。在り続けた。そうやって物語は紡がれる。宇宙は広がる。どこまでも果てしなく広がる。


 人類なんてほんの些末な存在だ。永い歳月の中の一瞬ともとれる年月。そこに確かに居た存在だ。宇宙だけは覚えていてくれ。そこにはかつて人間と言う生物が営んでいた。僕という存在が生きていたことを。


 だって忘れたくないし、忘れて欲しくない。みんなに知らしめたい。

 こんな素敵な記憶を持つ『月守アポロ』という存在を。後世に語り継がれなくたっていいから。別にアポロンのように英雄になることなんか望まないから。

 でもせめて、大切な人の心の中にはいたいから。


 そう父さんも望んでいたのかもしれない。

 閲覧ありがとうございました。どうでしたでしょうか。新たな『気づき』を得たアポロ。この先も読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

(次回:宇宙の記憶)

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