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転生治癒師の恋物語 〜聖女様と王子様の仲を取り持ったら、別の王子様に気に入られました〜  作者: 藤なごみ


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第五十三話 大教会に移動

 ガチャ。


「失礼いたします、大教会に向かうお時間となりました」

「あうー」

「ウォン」


 控室にシスターさんが入ってきて移動のお願いをすると、赤ちゃんとシルバが仲良く声を上げていた。

 可愛らしい光景にちょっとほんわかした気持ちになりながら、私達は席を立って大教会へ移動を始めた。

 赤ちゃんは直ぐに嫡男夫人が抱っこしたけど、お気に入りのシルバから離れて少し不満そうな表情をしていた。

 控室を出て程なくして大教会の中に入ったが、今日は結婚式だけあって華やかな装飾が至る所に施されていた。

 華やかなバージンロードを歩くアメリアさんは、間違いなくとても美しいだろうなあ。


「皆様、こちらの席になります」


 私達が案内されたのは、新郎の実家である王家の真後ろの席だった。

 流石はノルディア公爵家、王国最高の格式を持つ貴族家です。

 新婦の実家であるグローリー公爵家はバージンロードを挟んで反対側の一番前の席に座っていた。

 既に王家の面々は席に座っていて、私達も軽く会釈をした。

 すると、王太子妃様が私に話しかけてきた。


「リン、急にシルバとスラちゃんを借りることになってすまないわ。ニースがお手伝いすると言ってきかなかったのよ」

「いえ、素晴らしい結婚式にお手伝いできて光栄ですわ。シルバとスラちゃんも、頑張るぞととても張り切っておりましたので」

「それなら良かったわ。ニースにとっても、きっと良い体験となるでしょう」


 王太子妃様がニコリと話していたけど、当のニース様は新婦のアメリアさんと一緒に入場するので既に控室でスタンバイしているという。

 すると、いつも炊き出しの際に一緒になるシスターさんが私に話しかけて来た。


「リンさん、申し訳ございませんがシルバとスラちゃんをお願いいたします」

「はい、分かりまし……」

「ウォン!」


 シルバ、まだ私が話をしている最中ですが。

 尻尾をぶんぶんと振りながら元気よく返事をするシルバに、シスターさんもスラちゃんも思わず苦笑していた。

 流石におめでたい日なのでスラちゃんもシルバの事を怒らないけど、普段の時だったら即お説教タイムですね。

 シルバは、スラちゃんを頭の上に乗せて意気揚々とシスターさんの後をついていった。

 シルバの事を知っている王家やノルディア公爵家の面々が、思わずくすりとしていたよ。

 はあって思わず溜息をついたら、チラッとヤバいものが目に入ってしまった。

 王家の方々は思わず溜息をついたが、他の貴族家は全員固まってしまった。

 あの例の四家が、とんでもない恰好で大教会の中に入ってきたからだ。

 一例を上げると、当主は金銀の刺繍がふんだんに施された超ド派手な貴族服を着ていて指にはゴツい宝石のついた指輪をしていた。

 当主夫人も、ど派手なピンクでレースをふんだんにあしらったドレスを着ていて、でっかい宝石がギラギラとしているネックレスを身に着けていた。

 令嬢に至っては殆ど白に近い空色のドレスを身に着けていて、これまた大きな宝石をあしらったネックレスを身に着けていた。

 しかも幅広の豪華な帽子まで被っているけど、流石に教会の中で、しかも結婚式に帽子を被っているのは不敬じゃないかな。

 実際に他の全ての貴族は漏れなく脱帽して着席した。

 そして、四家の貴族はニヤニヤと周りの貴族を見下すように着席した。

 ルーカス様が私に控室で言ったことが直ぐに理解できたが、どう見ても新郎新婦よりも目だっているぞ。


「はあ、馬鹿にも程がある。直ぐに脱帽を命じろ」

「はっ」


 陛下が溜息をつきながら近衛騎士に命令したけど、常識はずれにも程がある。

 近衛騎士も、こんなことで動きたくないだろうなあ。


「失礼いたします。畏れ多くも、陛下が貴殿に脱帽を命じられました」

「ちっ、折角目立ってルーカス様にアピールしようとしたのに」


 四家の令嬢は渋々といった感じで豪華な帽子を脱いだけど、近衛騎士に舌打ちって一体どういうことですか。

 話し声が丸聞こえなので、ここが結婚式の場じゃなかったらぷるぷると震えている陛下が無礼討ちしていたかもしれない。

 周りの貴族も、声に出していないけど心の中で盛大に溜息をついただろう。

 正直言って関わってはいけないレベルの相手なのに、相手の方から勝手に関わって来るんだよなあ。

 現に、今もノルディア公爵家の席に座っている私の事を殺意を持った視線で睨みつけているし。

 本当に殺気を込めるなんて、私は再び心の中で盛大に溜息をついてしまった。

 因みに四家の令嬢の殺気を持った視線にルーカス様を始めとする多くの偉い人達が気づいていて、こそこそとどうしようかと話をしていた。

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