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転生治癒師の恋物語 〜聖女様と王子様の仲を取り持ったら、別の王子様に気に入られました〜  作者: 藤なごみ


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第二十三話 王家の女性との出会い

 ということで、その日の教会での奉仕活動が終わったところで私たちはアメリアさんとともに王城に向かうことになった。

 王城に行くので、教会内でぱぱっとドレスに着替えて身支度を整えた。

 そして、アメリアさんのうちの馬車に乗り込んだ。


「リンさん、緊張しなくても大丈夫ですよ。王家の方々は、とても良い人ばかりですよ」

「ウォン!」


 少し緊張している私に、アメリアさんがそっと話しかけてくれた。

 アメリアさんは嘘をつくタイプではないし、王太后様とマリア様は確かにとても良い人だ。

 ただ、失礼な態度をすると大変なことになるから気をつけないといけない。

 それとシルバ、アメリアさんに同調してそうだと言わないの。

 そもそも、私たちは王家の他の人と会ったことはないでしょうが。

 すると、アメリアさんが意外なことを話してきたのだ。


「その、リンさんは既に他の王家の方々とお会いしております。リンさんの人となりも分かっているので、そんなに心配ないですよ」


 なんですと?

 私は、既に王家の人と会っている?

 しかも、アメリアさんの言い方だと複数人と会っているらしい。

 ここ一ヶ月程の交友関係を思い返しても、全く思い当たる節がない。

 うーん、誰だろうかと思っている内に私たちを乗せた馬車は王城に到着した。

 玄関前で馬車から降りると、直ぐに控えていた兵が私たちを出迎えてくれた。


「アメリア・グローリー様、リン様、お待ちしておりました。ご案内いたします」

「ウォン!」


 元気よくシルバが返事をして、スラちゃんを頭に乗せながら先頭を切って歩き始めた。

 シルバにとっても既に王城は何回も来ているし、こっちだよと張り切っていた。

 まあ、暴走すればスラちゃんが止めてくれるはずだし、きっと大丈夫だろう。

 そして、王太后様を治療している部屋の近くにある応接室に私たちは案内された。


 コンコン。


「失礼します。アメリア・グローリー様とリン様がお見えになりました」

「ええ、入って頂戴」


 部屋の中から王太后様の声が聞こえてきたので、私たちはアメリアさんに続いて応接室の中に入っていった。

 すると、部屋の中には王太后様とマリア様の他に二人の女性と小さな男の子がいた。


「あっ、ワンワン!」

「ウォン!」


 トテトテと、小さなちょっと赤めの金髪の男の子がシルバに向かって歩いていった。

 にこーっとしながらシルバの首元に抱きつき、シルバも嬉しそうに尻尾をブンブンと振っていた。

 シルバにとって、新しい人と会うのは楽しみだもんなあ。


「ふふ、ニースがニコニコとしているのう」

「そうね、とても楽しそうにしているわ」


 マリア様と王太后様がシルバと小さな男の子の触れ合いをニコリとしながら見ているけど、確かに思わずほんわかとする光景だった。

 とはいえ、まずは自己紹介をしないといけないので、私はペコリと頭を下げながら挨拶をした。


「皆様、はじめまして。冒険者のリンと申します。フェンリルのシルバと、スライムのスラちゃんです」

「ウォン!」

「キャッキャ!」


 私が自己紹介をしている横で、シルバと男の子が楽しそうにじゃれ合っていた。

 スラちゃんがまだ止めに入っていないので、暫く様子見としましょう。

 すると、マリア様が身内の紹介をしてくれた。


「濃い水色の髪の女性は、妾の母上で王妃のビアンカじゃ。そして、赤髪の女性は第一王子で王太子でもあるエドガー兄上の妻のフィーナじゃ。シルバに抱きついているのが、その息子のニースじゃ」

「はーい!」

「ウォン!」


 濃い水色のショートヘアの女性は、一瞬マリア様の姉かと思ってしまった。

 それくらいとても若々しく、それでいて気品もあった。

 赤髪ボブカットの女性は、スラリとした長身でスタイルも良く、ぱっと見は剣士じゃないかなと思うくらい体が引き締まっていた。

 小さな男の子は色々なことに興味津々みたいで、ある意味シルバと息ぴったりだった。

 すると、王太后様が思案していた私に声をかけてきた。


「リンは、何か考えているのかしら? 観察モードになっているわよ」

「えっ、あっ、申し訳ありません」

「ふふ、そのくらいはいいのよ。でも、冒険者とは思えないくらいの観察力ね」


 王太后様はニコリとしているけど、これは素直に話をした方が良さそうです。

 私は、思っていたことを簡潔に話した。


「その、王妃様は最初マリア様の姉かと思っておりました。それくらい、若々しかったです。王太子妃様は体が引き締まっていたので、もしかしたら剣か何かをしていたのかと思いました」

「「まあ……」」


 私の発言を聞いた王妃様と王太子妃様が、ビックリした声を上げていた。

 王妃様は予想外のことを言われてビックリしていて、王太子妃様は自分のことを当てられたといったビックリだった。


「ふふ、リンはお世辞が上手ね。でも、もう孫がいるおばあちゃんなのよ」


 王妃様はニコリとしながら微笑んでいたけど、そういえばシルバに抱きついているニース様が孫になるんだよなあ。

 うーん、でも本当に若々しいからおばあちゃんには全然見えなかった。


「リンは洞察力に優れておりますね。私は元々近衛騎士として、王太子殿下をお守りしておりました」


 対して、王太子妃様はかなり驚いた表情を見せていた。

 というか、近衛騎士ってことはとんでもない強さの人じゃないのかな。

 ともあれ、失礼に当たらなくてホッと胸を撫で下ろしていた。


「こちー!」

「ウォン!」


 そして、シルバはニース様に連れられて隣に座っていた。

 まあお行儀良くしているし、スラちゃんもこのくらいなら大丈夫だとプルプルしていた。


「やはり、リンは普通の冒険者とは少し違うわね。丁寧な挨拶と言葉遣いが出来ているし、それでいて慢心することなく積極的に活動しているわ」

「私も、王太后様と同じ意見です。多くの冒険者と接してきましたけど、リンさんはとても知的で他の冒険者の方とは違う気がします」


 何故か王太后様とアメリアさんが私のことを高評価しているが、そこは前世で社会人として世間の荒波に揉まれた経験があるからですよ。

 精神的年齢はそこそこありますから。


「妾も、リンは面白い存在だと思っておるぞ。治療もだが、冒険者としての実力も備えておる。これだけ万能な冒険者は珍しいのじゃ」

「そうね、私のことを言い当てた洞察力もそうだし、失礼のないように言葉を選んでいるわ。貴族令嬢と言われても、驚きはないわね」


 更に、マリア様と王太子妃様が私のことを褒めちぎっていた。

 何だかこんなに偉い人たちに褒められるなんて思っていなかったから、私は顔を赤くして下を向いてしまったのだった。


「ぎゅー!」

「ウォン」


 そして、ニース様はニコニコしながらシルバに抱きついていた。

 そんな楽しそうなニース様とシルバの頭を、これまた王妃様がニコリとしながら優しく撫でていたのだった。

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