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転生治癒師の恋物語 〜聖女様と王子様の仲を取り持ったら、別の王子様に気に入られました〜  作者: 藤なごみ


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第十六話 シルバ受難の日

 翌日は、予定通り森に出て薬草採取をすることにした。

 薬草採取といいつつ、周囲は森なので何が出てくるか分からない。

 私は、準備を万全にしてからシルバとスラちゃんとともに冒険者ギルドに向かったのだった。


「採取した薬草や倒した獲物については、まとめて買取ブースに持っていって下さい」

「ウォン!」


 窓口にいたエレンさんにシルバが分かったと元気よく返事をしていたけど、魔法袋に入れておけば腐敗もしないしとても衛生的だ。

 薬草はスラちゃんが分かるみたいだし、冒険者の冊子にも書いてあった。

 王都から少し離れたところに大量の薬草採取ポイントがあるらしいが、シルバに乗っていけば直ぐに着くらしい。

 ということで、手続きを進めて私たちは冒険者ギルドの外に出た。


 タッ、タッ、タッ。


「ウォン!」

「シルバありがとうね。しかし、シルバは私を背に乗せても馬よりも速いわね」

「ウォンウォン!」


 王都を出発して十分、私たちは街道の両脇を森が覆うエリアに到着した。

 主要街道から少し逸れた街道なので、馬車の往来も少なくとても静かだった。

 シルバのことを労いつつ水を器に入れてやると、シルバはあっという間に水を飲み干していた。

 そして、これからの予定を話すことにした。


「今日は、薬草を採りつつ害獣駆除もして、後は時々シルバと手合わせするよ」

「ウォン!」


 シルバは、任せろと言わんばかりに尻尾をブンブンと振っていた。

 実は私の戦闘力向上のために毎朝シルバと訓練をしているのだけど、宿の裏庭では狭い上に他の宿泊している冒険者も訓練をしていたのだ。

 そのため、今日は誰にも邪魔をされない場所でシルバと手合わせすることにしたのだ。

 スラちゃんと魔法の訓練も行うようにするけど、先ずはここに来た目的を果たさないといけない。


 ゴソゴソ、ゴソゴソ。

 ひょい。


「わあ! スラちゃん、もう薬草を見つけてくれたんだね」


 スラちゃんが茂みの近くに生えていた薬草を見つけてくれたけど、葉の裏に細かい毛があってヨモギみたいだった。

 シルバも、薬草の匂いをクンクンと嗅いで探し始めた。


「もしゃもしゃ」


 うん、シルバが薬草を食べ始めたけど特に気にせずに薬草採取を始めよう。

 ということで、私はスラちゃんと一緒に街道近くの茂みで薬草採取を行ったのだった。


「すぴー、すぴー」


 そして、シルバはというといつの間にかスヤスヤと寝ていたのだ。

 どうやら、ちょうど良い気温で草が良いクッションになっているみたいだった。

 しかし、私とスラちゃんは既に大量の薬草を集めていた。

 受付のエレンさんが薬草はいくらあっても良いて言っていたけど、流石にたらふく集めたから十分でしょう。

 ということで、ここからは私の戦闘力強化の時間だ。


 ペシペシ、ペシペシ。


「おーい、シルバ。そろそろ起きてよ」

「ワフー」


 シルバの顔をペシペシと叩いても、シルバは一瞬起きただけで再び寝てしまったのだ。

 うーん、仕方ない。

 奥の手を使うか。


「シルバ、薬草採取をしないでずっと寝ていたから、スラちゃんが怒っているよ」

「ワ、ワフッ?!」


 シルバはガバッと飛び起きたけど、実際に私が何回も起こしたのに寝ていたのは本当だ。

 そして、スラちゃんが激怒モードでシルバの前にぴょんと移動したのだった。


「じゃあシルバ、訓練を始めるわよ」

「ワフーン……」


 スラちゃんの説教が終わったタイミングを見計らって私はシルバに声をかけたけど、シルバはスラちゃんに滅茶苦茶怒られてドヨーンとしていた。

 とはいえシルバは完全に自業自得なので、私も特に慰めることはしなかった。

 シルバの気分転換にもと思い、私は苦笑しながらも木剣を構えた。


 シュッ、シュッ!


「せい、やあ!」

「ウォン」


 私はシルバを目掛けて木剣を振り下ろし、シルバも私を目掛けて突進してきた。

 回避と攻撃の同時訓練になり、かなり難しいが勉強にもなる。

 スラちゃん経由で身体能力強化魔法を教わったけど、これも中々感覚が掴めないでいた。

 しかし、身体能力強化魔法も使っているうちに段々と慣れてきた。

 こうして、三十分間に渡るシルバとの手合わせも無事に終えたのだった。


「ふうふう、やっぱりまだ戦闘に体が慣れていないなあ」

「ワウゥー」


 私とシルバは、木に寄りかかりながら水を口にしていた。

 スラちゃんに反省点を教えてもらいながら、休憩兼反省会です。

 うーん、私もシルバもまだ魔力制御を頑張らないといけない。

 いずれにせよ、今日はもう一回手合わせしてから町に帰ることにした。

 そして、昼食を準備している際にちょっとした事件が起きました。


「はい、今日はお肉サンドだよ!」

「ウォン!」


 シルバの皿の上に今日の昼食を出すと、シルバは尻尾をブンブンと振るくらい大喜びだった。

 しかし、そのタイミングに限って森からオオカミの群れが現れたのだ。


「「「グルルル……」」」


 しかも、何故かシルバにあげたお肉サンドを狙っていたのだ。

 取り敢えずオオカミを倒さないといけないと思い、私は腰に下げた剣を抜いた。

 しかし、オオカミがシルバのお肉サンドを咥えて逃げようといたのだ。


「グルルル、ガルル!」

「ウォン、ウォン!」


 そして、突如として始まったオオカミとシルバの追いかけっこに、私とスラちゃんは思わずポカーンとしちゃいました。

 しかも、シルバはオオカミの連携プレーによってまんまとお肉サンドを持っていかれたのだった。

 しょぼーんとしたシルバが私たちのところに戻ってきたので、私はシルバの頭を撫でながらもう一つのお肉サンドをあげたのだ。


「先に食べちゃえば良かったのにね。シルバは鈍臭いところもあるんだよね」

「ハグハグハグ」


 大急ぎでお肉サンドを食べるシルバのことを、私とスラちゃんは苦笑しながら頭を撫でていました。

 追加の訓練は無しにして、早めに帰ることにしました。


「ほら、今日の報酬だ。暇なら、端肉の処分でもするか?」

「ウォン!」


 冒険者ギルドに着くと、卸担当の職員の提案にシルバは大興奮です。

 ということで、午後はシルバとスラちゃんは解体のお手伝いで、私は治療のお手伝いをすることにした。

 お肉を追加で貰ったので、シルバは直ぐに元気を取り戻したのだった。

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