6話
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行き当たりばったりですが皆様からの評価にこたえれるように頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします。
惑星テゼセーシにある軍司令部の食堂で食事をとりながら二人の軍人が話し合っていた。
「それはどういう事かな?もう一度説明して欲しい」
軍司令官のランズベルク少将は食べようとしたステーキを止めて聞き返した。
「はい。フレーゲル少将への援軍は残念ですが間に合いませんランズベルク司令。ですのでこれからの対策としてフレーゲル少将が我々のところに援軍を求めているという事はギズァ星のヒルデスハイム少将にも連絡しているはずです。ヒルデスハイム少将の艦隊とレネーエンで合流してからバハラ要塞の奪還を提案します。」
そう提案するのは副官のシュターデン大佐だった。
「聞き間違いではなかったようで残念だよ。だがフレーゲルには借りがあるそれを返す意味でも助けてやりたいのだ分かってはくれないか?」
以前ランズベルクが海賊の討伐時に苦戦している時に援軍で来たのがフレーゲルだったのだ。その時の借りを返す意味でもバハラ要塞にランズベルクは急行したかった。
「ですが司令。今から最速で軍を編成してバハラ要塞に到着するのに10日はかかります。あの第一艦隊を破った部隊が打って出てきた。しかも要塞ごとです。そんな相手に10日は長すぎます持っても3日でしょう。仮に間に合ったとしても我が艦隊の3000では戦力不足ではないかと愚行します」
相手は直径110kmの要塞ごとやって来たのだ搭載できる艦艇もかなりの物だろうとシュターデンは考えていた。
「だがヒルデスハイムにも援軍の要請しているのだから奴の3000と合わせれば6000の援軍になる。奴らは30000の艦隊と一度交戦しているんだ、それなりに損耗もしているだろう」
ランズベルクは副官のシュターデンが言っていることは理解してはいたがバハラ要塞を見捨てるという非情に成り切れなかった。
「それは同時に到着すれば効果的かと思いますが3000が2回と6000が1回では大きく意味が違う事もおわかりでしょう司令。ですので速やかにレネーエンで合流してからバハラ要塞へ行くのです。ただ要塞が落ちていると6000の艦艇では、かないませんので貴族の私兵も要請して集めましょう。そうすれば10000近い艦隊になりますのでそれで敵要塞をとまでは行かなくてもバハラ要塞の奪還は可能でしょうし敵もこだわらないでしょう」
相手は拠点である要塞ごと攻めてきているのだから必勝の見込みがあるのだろう。そんな相手に時間差の援軍など焼け石に水だろうと、また相手の要塞が動くのである。動かないバハラ要塞を維持する事を考えたら、こだわりはしないだろうとシュターデンは考えていた。
「…お前には負けた。わかった。ヒルデスハイムに連絡を取ってくれ」
「ありがとうございます司令」
その言葉を聞き安堵して2人はすっかり冷えた食事再開した。
惑星ギズァにある軍司令部のヒルデスハイム少将の部屋で参謀のシェイド准将がある提案をしていた。
「貴官の言い分もわかる。だがフレーゲルとて実戦経験もある有能な軍人だ。なにより私の友人だ。なんとか助けに行ってやりたいのだ准将」
ヒルデスハイムとフレーゲルは士官学校時代からの友人で長い付き合いになる。そんなフレーゲルをダメだと分かっていても助けに行きたいというヒルデスハイム。
「友人は大切です。ですが部下の将兵たちも大切な家族のようなものではないのですか少将?その将兵たちを命の危険にさらさないといけませんか?」
そんなヒルデスハイムを説得しようとシェイドはヒルデスハイムの部屋を訪れていた。
「もちろん将兵は家族のようなものだ。だが…もしかしたら助けられるバハラ要塞の将兵もいるかもしれない」
今まで苦楽を共にしてきたのは部下である将兵も同じである。だが個人的な親交のあるフレーゲルを見捨てるという事をヒルデスハイムは決めきれないでいた。
「いたとしても我々が負けては意味がありません少将。それにランズベルク少将からも先にレネーエンにて合流との要請が来ております。それも貴族の私兵もかき集めての艦隊です。ここで足並みを揃えないと全部部隊が各個撃破されてしまいます」
シェイドは上官であるヒルデスハイムを上手く説得できる自信がなく困っていた。このままでは全員宇宙の藻屑になってしまう。そう考えていたが、さきほどランズベルク少将からの通信でレネーエンに合流してからしかも貴族の私兵まで集めるという。そこまですれば形だけは10000の艦艇になるから最悪、逃げることもできるだろうと考えていた。
「…分かった准将。ランズベルク少将の部隊とレネーエンで合流しよう。だが貴族の相手は面倒だからな貴官に任せるがいいな?」
「はっ!」
7日後 ~惑星レネーエン~
「ヒルデスハイム少将、ランズベルク艦隊との合流完了しました。ランズベルク少将より通信が来ていますので開きます」
シュターデンはヒルデスハイムに敬礼して報告した。ヒルデスハイムは一言返事をしモニターへ視線をうつす。そこに敬礼をしたランズベルクが映し出される。
「貴官のお陰で取り合えず10000の艦艇がそろった感謝する。これでバハラ要塞へ救援に向かえる」
ヒルデスハイムはランズベルクのフレーゲルとは友人だと知っていたので今回の作戦には乗ってこない可能性もあったがこうして来てくれたことに感謝しつつその友人のバハラ要塞が絶望的な状況だがあえて救援という言葉を使った。
「ランズベルク少将の提案が無ければ今頃3000の艦艇でバハラ要塞に向かって行き壊滅していたかもしれません。こちらこそ提案して頂き感謝します。全体の指揮権に関してですが今回の作戦の提案されたランズベルク殿に頼みたいのですが、よろしいでしょうか?」
「分かった。では編成が終わり次第でバハラ要塞へ急行しよう」
「了解です」
ヒルデスハイムは敬礼してモニターを切った。
「年齢を考えてこちらを立てたと言った所か。全艦、再編成が完了したらバハラ要塞へ向けて発進せよ」
ランズベルクはヒルデスハイムの方が対海賊あいてだが実戦経験豊富だから適任だと考えていた。
「少将!敵らしき未登録の艦影を発見しました」
「相手から打って出て来たか。数は?」
「推定10000です」
その報告にランズベルクは驚愕した。フレーゲルの連絡ではバハラ要塞に来た時点で10000の艦艇報告を受けている。バハラ要塞を無傷で落としたという事かもしくはこちらの想定以上の艦艇があるという事になる。そうすると単純に4~50000の艦艇が敵要塞に収容されていることになる。だがそこまでの艦艇が直径40kmの要塞に入るだろうかという疑問もある。ランズベルクは不気味に思いながらも通信士に告げた。
「無駄だが慣例通りに通信で止まって武装解除をするように伝えろ」
「はっ!」
「全艦艇に戦闘配備。数は同じでも相手は連戦だ疲弊している。勝てるぞ!」
ランズベルクは流石に第一艦隊とバハラ要塞も無傷で倒したとは想像できなかった。
「敵接近をやめません。有効射程距離まで残り10秒」
「射程に入ったら斉射3連後は各自の判断で攻撃せよ」
「敵有効射程距離にはいりました」
「撃て!!」
全艦隊からの斉射3連で敵艦を落とすことに成功した。
「敵損耗はどれくらいだ?」
「撃沈0大破・中破合わせて300ほどだと推定します」
相手のシールドにそのほとんどが阻まれ効果的な損害を与えることが出来なかった。
「敵艦撃ってきます!」
「攻撃よりシールドの出力を優先しろ!」
「はっ!」
その攻撃は様々な色のビームだった赤・黄色・青・緑・白・黒とバラバラだったしそんなふざけたようなビームでシールドを越えてくるとランズベルクは思わなかった。
「シールド突破されました。右舷サブエンジンに被弾レッドゾーンです」
「右舷サブエンジンを切り離せ。全体の損耗率は?」
「撃沈500大破800中破1500」
「根本的な技術力が違いすぎるのか」
ランズベルクは理解した。何故10000の艦艇がやって来たのか。こんな戦況では嫌でも理解させられる。相手の3倍の兵力でも有効な攻撃が出来なければ数の差など意味がないのだと。要塞戦は圧倒的だったろう。しかも補給の要塞事移動してきているという事この事実は帝国の危機と判断したランズベルクは頭を切り替えた。
「貴族の私兵には離脱許可をだせヒルデスハイムに連絡。敵中央に集中攻撃を加える」
まともにやっても勝てないなら集中攻撃することによりシールドの耐久値を調べたり損耗させることを優先的に考えたのだ。だが貴族の私兵まで巻き込むと領地を海賊どもに好き勝手されてしまうから全艦艇での艦隊戦は止めなければいけない。負けるのだから。
まさにそう考えていた時だった
「左舷方向に2000艦艇を確認」
「敵はまだ居たのか?」
「いえ。これは味方艦の信号です。味方艦より暗号通信きました。『元バハラ要塞守備隊隊長代理アンスバッハ大佐これより援護する』」
「フレーゲルもこの状況を理解して艦隊を逃がしたのだな了解したと返信しておけ」
多少でも貴族の穴は塞がったならやりようはあるはず。そう考えていた。
「少将それは危険です」
その考えに待ったをかけたのはシュターデンだった。
「どういう事だ?まさか敵だとでもいうのか?」
「そのまさかです少将。本当に要塞から脱出したのであればもっと早く我々と合流できたはずです。そして戦闘データの提供があれば違う形の戦い方も考えれたはずです。それをしないで戦闘が開始され我々が不利になってから出てくるというのは敵ではなかったとしても足を引っ張られる可能性があります」
「…分かった。あの援軍にはこちらには合流しないで敵の側面を遠距離攻撃するように伝えろ。それで判断しよう」
「はっ!ありがとうございます」
「敵陣中央攻撃は我が艦隊だけで行う!シュターデンは100隻の駆逐艦を率いて後方待機タイミングは任せるので帝都に情報を持ち替えれ」
「少将!」
「今ここでお前を失うわけにはいかんだ。後の事はパエッタ中将を頼れ悪いようにはならんはずだ」
「くっ。了解…しました」
シュターデンの脱出後
「味方艦こちらへの接近をやめません。」
「やはり敵だったか。危ないところだった。ヒルデスハイムに連絡してあの敵偽装艦を殲滅しろ」
「なんだ!?敵偽装艦が…紫色に…淡く発光してい…ます」
「どういう事だ!?モニターに出せ!!…なんだあれは?あんな機能は帝国艦にはついてないぞ」
それは通信士の報告通り発光していた。
「少将!敵艦艇も同じように光り出しました。それと同時に攻撃が…敵シールドに全て弾かれました」
まさか敵艦艇が数に限りのある魔晶石を使ってブースト状態になっているとは思ってもみなかった。
「シールドの維持を優先しろ!集中攻撃は中止味方艦の脱出を優先する。技術力が違いすぎるこの戦闘記録は何としても帝都には必要な情報だ時間稼ぎをするぞ!」
「直撃来ます!」
「なに!?」
「ランズベルク少将の旗艦ベイオウルフ撃沈!脱出艦確認できませんでした」
ヒルデスハイムは目をつむり一瞬だけだが黙祷したあとに意識を切り替えた。
「こちらヒルデスハイム少将だベイオウルフの撃沈を確認した指揮権を引き継ぐ。全艦艇はシールドの維持を優先しつつ徐々に後退、まだ味方艦は安全圏まで脱出できていない踏ん張るんだ!」
そんな指示を出している時にシェイド准将が一歩前に出て提案する。
「少将、情報収集のためにも私に50の巡洋艦を任せてくれませんか?」
「准将…死ぬ気か?」
その言葉を聞いてシェイド准将は笑いながら言った。
「それは皆覚悟はできております」
「分かった。許可する」
「ありがとうございます」
シェイド准将は敬礼をして出て行った。
シェイド准将は50隻の巡洋艦に1つに移動した。
「我々は決死隊だ。目標は紫に光る敵駆逐艦を目標にする!どこまで攻撃すれば撃沈できるかのデータを取る取ったデータは常に転送していろ」
「はっ!」
少し迂回しながら敵側面をねらう。
「敵駆逐艦10隻陣形から離れていきます。コチラに向かってきています」
「なら丁度いいじゃないか。何としても1隻は落とすぞ!左右に展開目標を設定共有」
「設定共有できました」
駆逐艦の攻撃をしのぎながらシェイド准将は陣形を維持しつつ距離を詰める。
「シールドの維持を優先しつつ一気に距離を詰めろ!」
敵駆逐艦の殲滅スピードよりシェイド准将たちのほうが早く肉薄することに成功したがすでに12艦しか残っていない。
「全艦、短距離砲をチャージ。チャージ時完了後、敵駆逐艦に打ち込め!」
「ですがそれでは発射時にシールドを維持できません」
艦長は自分たちは決死隊なのだから命を捨てて後の者に繋ぐ必要性がある。そのことは分かってはいたがそれでも言ってしまった。
「それ以外に敵のシールドを抜けそうな方法はあるか?艦長」
そう言われれば引き下がるしかなかった。
「いえ。准将の言われる通りです」
「理解してくれてありがとう。感謝する」
だが相手も棒立ちでと待っているわけではない。シールドを解除した瞬間に撃墜されるリスクが高い。そんな賭けに出るしかなかった。またシェイド准将はこれで駆逐艦を落とせれなかったらもう帝国は負け確定だと思っている。なのでこの情報はシェイド准将にとってかなり重要な情報だと考えている。
「タイミングはこの艦を熟知している艦長にまかせる」
「はっ!」
何とか相手の攻撃を受け流したり回避していてジリ貧かと思った時にそのタイミングは来た。
「発射!!」
巡洋艦の短距離砲が敵の駆逐艦を貫いた!
「良くやったスグにデータの転送を…」
シェイドは最後まで言う事が出来なかった。敵駆逐艦の攻撃で巡洋艦が沈んでしまったのだ。だがやる事を理解していたオペレーターはシッカリとそのデータを転送していた。
「シェイド准将よりデータ駆逐艦撃破のデータが来ました!」
そのオペレーターの言葉を聞いてシュターデンはスグに脱出をした。
「全艦ただちに回頭この宙域を離脱する」
「はっ!」
シュターデンひきいる駆逐艦はワープした。
「シュターデン大佐ワープしました」
「我が艦隊残り1000です」
「敵艦隊より通信、降伏勧告です」
ヒルデハイムは将兵の安全を条件に降伏を受け入れた。
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