前編
5年後自宅で寝ていた私は真夜中に突然目が覚めた。するときちんと鍵を閉めていたはずの窓が突然開いた。私は驚いて見ていると、そこには5年前の宇宙人がいた。宇宙人は私の両脇を抱えて空中に浮かんだ。そのまま私は宇宙人に抱えられて暖かい縞模様の光の中に吸い込まれた。
私は気が付くと、蛍光灯のようなものも何もないのに、光が溢れているベンチのようなものに座らされていた。ベンチにはどうやら私と同じ境遇であろう、白人の男と女がそれぞれ座っていた。彼らは宇宙人に促され、1人ずつ部屋を出ていった。最後まで残っていた私もついに宇宙人に促され部屋を出てた。すると、先の2人が台のようなものに固定されていた。宇宙人は固定された2人を観察していた。「宇宙人はあの白人男女に何をするつもりなのだろうか?まさか私も固定されるのか?」しかし、宇宙人は意外にも私を台に固定せずに、私を操縦室のような所に連れて行った。宇宙人はUFOの動力や、彼らが持つ技術を説明し始めた。その話の中にはステルス戦闘機に似た技術など、興味深いものもあった。宇宙人は地球人に分かりやすく簡単に言っているそうだ。私は宇宙人に質問した。「あなた達はどこの星から来たのですか?」「我々は月人です」「月に人が住んでいるとは信じられないが」「我々は地球から見た月の裏側に住んでいる。そもそも月は巨大な宇宙船だ。はるか昔我々の祖先が今の位置に月を飛ばして来たのだ」宇宙人はその後も色々な話をした。月の表面は地球から見た通りの岩石だが、その表層の下に金属で出来た月の宇宙船としての本体があるそうだ。裏側にかつて地球人が不法侵入して、調査しようとして撃退されたこともあった。私もどこかでNASAが月の裏側を調査しようとして宇宙人とモメたのも聞いたことがあった。私が知る限りではアポロ宇宙船の宇宙飛行士が電動ドリルで月の表面に穴を空けようとしたところ、かなり硬くてなかなか上手くできなかったと聞いている。もし、月の表面が土と岩石で出来ていれば、これほど硬くて空けにくいはずがない。宇宙人が言うには月を形成している金属はチタンだそうだ。チタンといえば地球人も宇宙船に使うではないか。